変形性股関節症 整体 福岡市城南区|手術を急がない時期の痛みとの付き合い方
変形性股関節症で「手術はまだ避けたい」「病院ではリハビリだけと言われた」方へ。整体や鍼灸で、すり減った軟骨や変形した骨の形を元に戻すことはできません。また、進行期〜末期の変形・強い可動域制限・夜間痛が続く場合は、整骨院ではなく整形外科(手術適応の相談)が最優先です。そのうえで——変形の程度と痛みの強さは必ずしも一致しません。保存療法で経過をみる時期には、股関節をかばって緊張した周囲の筋肉のケア・無理のない運動のサポート・日常動作の工夫という「痛みとの付き合い方」の部分で、整骨院がお手伝いできることがあります。この記事は、その線引きを隠さずにお伝えするためのものです。
当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が在籍。整骨の手技と鍼灸を、それぞれの国家資格者が連携して組み立てる複合アプローチで対応します。変形性股関節症の有病率は1.0〜4.3%(男性0〜2.0%・女性2.0〜7.5%)と女性に多く、日本では生まれつき股関節の受け皿が浅い寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)に続発する「二次性」が約80%を占めます(日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン2016(改訂第2版))。40〜60代の女性に多いのはこのためで、「若い頃から股関節に違和感があった」という方が少なくありません。
✅ 院長 河野太朗|柔道整復師(国家資格・施術歴14年)
✅ 国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)在籍(鍼施術を担当)
✅ 健康雑誌『わかさ』掲載
✅ Google★4.9(205件)
①変形を戻す施術は存在しない。手術適応の相談・進行例の対応は整形外科が最優先。②保存療法期の目標は「進行を止める」ではなく「痛みを管理しながら生活の質を保つ」。③整骨院ができるのは周囲筋の疼痛管理・運動サポート・生活動作指導。通常治療に鍼を追加した約3,600人規模の試験(Witt 2006)では痛み・機能指標の改善が報告されている(鍼は当院の鍼灸師が担当)。④痛みを我慢する運動・衝撃の強い運動は逆効果。⑤慢性経過の変形性股関節症は整骨院でも保険対象外=自費が基本、と正直にお伝えします。
「手術しかない」と言われたら、他に道はありませんか?
まず大前提として、手術適応の判断・進行した変形への対応は整形外科(医科)の領域です。整体は手術の代わりにはなりませんし、「手術を回避できます」という説明をする施術所があれば、むしろ注意が必要です。
そのうえで、「手術しかない」という言葉を聞いたときに整理していただきたいのは、次の2点です。
- 手術の「適応がある」ことと「今すぐ受けなければならない」ことは、必ずしも同じではありません。手術のタイミングは、痛みの程度・生活への支障・年齢・ご本人の希望を含めて主治医と決めていくものです。疑問があれば、セカンドオピニオン(別の整形外科医の意見)を聞くことは患者さんの正当な権利です。
- 「手術までの期間をどう過ごすか」は、それ自体が大切なテーマです。痛みをかばう歩き方が続くと、腰・お尻・反対側の脚にまで張りや痛みが広がりがちです。この「かばいによる二次的な筋肉の負担」は、主治医の了解のもとで整骨院がケアを担当できる部分です。
⚠️ 整骨院より先に、整形外科の受診・相談を優先すべきサイン:夜間痛・安静時痛が続いている/あぐらや靴下を履く動作ができないほど可動域制限が強い/歩ける距離が明らかに短くなってきた/レントゲンで進行期〜末期と言われている——これらに当てはまる方は、保存療法の限界が近づいている可能性があります。まず主治医に現状を伝え、治療方針を確認してください。
当院は、整形外科の診断と治療方針を尊重し、その枠の中で筋肉側のサポートを担当する——この住み分けを守ります。診断がまだの方には、施術の前に整形外科でのレントゲン検査をおすすめしています。整形外科と整骨院の使い分けの基本は、親記事の股関節痛の原因と整体・骨盤矯正での改善アプローチ →でも解説しています。
保存療法で変形の進行は止められますか?
これも正直にお答えします。「保存療法で変形の進行が止まる」「変形が戻る」とは言えません。すり減った軟骨は自然に元どおりにはならず、変形は基本的に長い時間をかけて進む方向にあります。だからこそ、保存療法の目標は「進行を止める」ことではなく、「変形と付き合いながら、痛みを管理し、歩ける距離と生活の質をできるだけ保つ」ことに置くのが現実的です。
「変形の程度」と「痛みの強さ」は一致しない
ここに、付き合い方の余地があります。レントゲン上の変形が同じ程度でも、痛みの感じ方には大きな個人差があります。股関節をかばう動きが続くと、股関節をまたぐ腸腰筋(ちょうようきん)・お尻の外側の中殿筋(ちゅうでんきん)・太もも外側の大腿筋膜張筋・内ももの内転筋群が慢性的に緊張し、この「筋肉側の痛み」が上乗せされていることが少なくありません。変形そのものは変えられなくても、上乗せ部分の筋肉の痛みを管理することで、日々のつらさが変わる余地があるのです。
体重・筋力・動作——自分で持てる3つのハンドル
- 体重の管理:歩行時、股関節には体重の数倍の負荷がかかるとされます。体重を増やさないことは、関節への負担を減らす最も確実な自衛策のひとつです。
- 筋力の維持:痛いからと動かさないでいると、股関節を支える筋肉が落ち、かえって関節への負担が増える悪循環に入ります。「痛みが出ない範囲で動き続ける」ことが大切です。
- 動作の工夫:低すぎる椅子を避ける・杖や手すりを使う・重い荷物は分けて運ぶなど、日常の負担を減らす工夫は今日から始められます。
そして、保存療法期こそ定期的な整形外科でのレントゲン検査を続けてください。進行の程度を医師に確認しながら進めることが、「気づいたら手術の選択肢まで狭まっていた」という事態を防ぎます。
整骨院では変形性股関節症に何をしますか?
当院が担当するのは、整形外科の診断を前提とした、保存療法期の「痛みの管理」と「動ける体を保つサポート」です。変形を戻す施術ではないことを最初に明確にしたうえで、次の流れで組み立てます。
整形外科での診断内容・進行度・主治医の方針を確認し、可動域テストと筋肉の圧痛チェックで「変形由来の痛み」と「周囲筋の上乗せの痛み」を切り分けます。進行例・受診が必要なサインがあれば、施術より先に整形外科をご案内します。
腸腰筋・中殿筋など、かばい動作で緊張した深部の筋肉に対して、柔道整復師の手技と高電圧の電気療法(ハイボルト)でアプローチします。深部の筋肉には鍼が届きやすく、鍼施術は国家資格をもつ当院の鍼灸師が担当します。通常治療に鍼を追加した約3,600人規模の臨床試験(Witt 2006・下記出典)では、股関節・膝の変形性関節症の慢性痛で痛み・機能の指標(WOMAC)が通常治療のみより有意に改善したと報告されています。
痛みが出ない範囲での股関節まわりの筋力維持運動・かたくなった筋肉のゆるやかなストレッチを、その方の進行度に合わせて一緒に行います。自宅でできるメニューは股関節の痛みストレッチ|場面別4選 →でも紹介しています。
椅子の高さ・立ち上がり方・杖の使い方・靴の選び方など、股関節に負担をかけない日常動作を具体的にお伝えします。「施術を受けた日だけ楽」で終わらせないための、いちばん地味で大切な部分です。
①Manheimer E et al. "Acupuncture for hip osteoarthritis." Cochrane Database Syst Rev 2018;5:CD013010——変形性股関節症への鍼単独は、偽鍼と比べて痛みの差がほとんどない可能性(中等度の質のエビデンス)。つまり「鍼が変形した関節そのものを変える」ことには科学は慎重で、当院もそうした説明はしません。
②Witt CM et al. Arthritis Rheum 2006;54(11):3485-3493——膝・股関節の変形性関節症の慢性痛で、通常治療に鍼を追加した群はWOMAC改善17.6ポイント vs 通常治療のみ0.9ポイント(P<0.001)。「医科の治療と併用する使い方」を支持する結果です。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29729027/ / https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17075849/
この2つの結果が示すのは、「鍼や手技を医科の治療の代わりにするのではなく、医科の治療に足す使い方が理にかなっている」ということです。鍼灸軸での詳しい解説は股関節の痛みに鍼が向くケースの解説 →をご覧ください。
やってはいけない運動はありますか?
あります。「運動が大事」と聞いて頑張りすぎた結果、痛みを悪化させて来院される方が実際にいらっしゃいます。「痛いほど効いている」は変形性股関節症では誤解です。
避けていただきたい運動・動き
- 痛みを我慢して行う深いストレッチ——股関節を無理に開く・強くひねるストレッチは、変形のある関節にはかえって負担になります
- 着地の衝撃が大きい運動——ジャンプ・ランニング・縄跳びなど、体重の何倍もの衝撃が股関節に集中します
- 重い負荷でのスクワット・レッグプレス——筋トレ自体は大切ですが、重量を担ぐ形は関節への圧縮負荷が大きくなります
- 痛みが出る方向への反復運動——「この動きで毎回痛む」と分かっている動作を繰り返し練習するのは逆効果です
代わりに、負担の少ない運動から
- 水中歩行・水中運動——浮力で股関節への荷重が減り、筋力維持と両立しやすい代表的な選択肢です
- あお向け・横向きでの筋力維持運動——体重がかからない姿勢でお尻・太ももの筋肉を保つ運動(痛みのない範囲で)
- 平地でのウォーキング——痛みが強くない時期に、距離を欲張らず。翌日に痛みが残る距離は「今日は歩きすぎ」のサインです
共通の判断基準はひとつ、「運動中や翌日に痛みが増えるなら、その運動は今のあなたには合っていない」。中止して、主治医または当院にご相談ください。
整骨院の健康保険は使えますか?
ここも隠さずにお伝えします。整骨院(柔道整復)で健康保険が使えるのは、捻挫・打撲・挫傷など「急性の外傷」に対する施術です。長い経過をたどる変形性股関節症そのものは対象外のため、自費でのご案内が基本です。
あわせて、鍼灸の保険適用(医師の同意書がある場合の6疾患:神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症)にも、「変形性股関節症」自体は含まれていません。「保険で通えます」とあいまいにご案内して、後から負担が変わるようなことはしたくないので、当院では初回時に、あなたのケースの扱いと料金をはっきりご説明します。料金の詳細は料金ページをご確認ください。
人工股関節の手術後も通えますか?
人工股関節全置換術(THA)を受けた後の回復は、主治医の指示と病院のリハビリテーションが最優先です。術後のリハビリ期間中に当院が割って入ることはありません。
そのうえで、リハビリ期間が終わった後の次のようなお悩みは、主治医の了解のもとで対応できます。
- 手術した側をかばってきた期間に緊張した、腰・お尻・反対側の脚の筋肉の張りのケア
- 長年の痛みで崩れていた歩き方・姿勢のクセを整えるサポート
- 再び痛みなく動ける体を保つための、無理のない筋力維持運動の継続支援
⚠️ 人工股関節には、術式によって脱臼しやすい肢位(深くしゃがむ・脚を内側に強くひねる等)があります。当院では初回時に、手術を受けた病院・術式・医師から受けた注意事項を必ず確認し、禁忌の動きを避けて施術と運動メニューを組み立てます。手術情報のメモや退院時の説明書をお持ちいただけるとスムーズです。
股関節の痛みについて詳しくはこちら
このコラムをお読みの方には、こちらの専門施術ページが特に役立ちます。鍼灸×整骨×城南区の当院ならではのアプローチをご案内します。
変形性股関節症との付き合い方を福岡市城南区で
「手術はまだ先にしたい。それまでの痛みをどうにかしたい」——そのご相談を承ります。
月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
📍 福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|Google★4.9(205件)
変形性股関節症 よくある質問
2. Witt CM, Jena S, Brinkhaus B et al. "Acupuncture in patients with osteoarthritis of the knee or hip: a randomized, controlled trial with an additional nonrandomized arm." Arthritis Rheum. 2006;54(11):3485-3493. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17075849/
3. 日本整形外科学会「変形性股関節症診療ガイドライン」(有病率1.0〜4.3%・男性0〜2.0%・女性2.0〜7.5%・二次性約80%)https://www.joa.or.jp/topics/2023/files/osteoarthritis_treatment/guideline.pdf
本記事は柔道整復師である院長が監修しています。鍼施術は当院在籍の国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が担当します(院長は鍼灸師ではありません)。変形性股関節症の診断・進行度評価・手術適応の判断は整形外科(医科)の領域です。