変形性膝関節症 鍼灸 福岡市城南区|進行度別にできることと通院の目安

鍼灸ですり減った軟骨を戻すことはできません。それでも、進行の段階によって手を入れられる場所は残っています。長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)では、初期・中期・末期のどこにいるかを確かめたうえで、扱える部分だけをお引き受けします。X線上の変形性膝関節症は日本国内で推定約2,500万人とされています(ROAD study 2009)。
「年齢のせいだから、うまく付き合っていきましょう」と言われて帰ってきた方に読んでいただきたいページです。痛み止めとヒアルロン酸の注射を続けながら、正座ができなくなり、階段の下りで手すりを探すようになる。その時期にできることを、段階ごとに分けて書きました。
このページは膝の痛み全般の解説ではなく、すでに変形性膝関節症という診断名を受け取った方のための内容です。診断名がまだの方は膝の痛みの総合ページからご覧ください。
| 保険の適用 | × 自費施術です 厚生労働省がはり・きゅうの療養費の支給対象として挙げる6疾病(医師の同意書が必要)に変形性膝関節症は入っておらず、それ以外の疾病は保険者の個別判断となるため、当院では自費でご案内しています。膝を打った・ひねったなど日付の言えるケガが重なっている場合は、その部分だけ柔道整復として分けて扱います。 |
| 通院回数の目安 | 3〜6ヶ月・週1〜2回を出発点に 階段の下りや椅子からの立ち上がりで痛む回数が減ってきた段階で間隔を空けます。初期か中期か、水がたまる時期があるかで前後するため、初回にご説明します。 |
| 受診の目安 | まだX線を撮っていない・急に腫れて熱をもった・膝が伸びない/曲がらない・夜間の痛みが強い → 整形外科が先です X線でのすき間の評価、水を抜くかどうか、注射や手術の適応は医師が判断します。当院はその結果を受け取る側で、判断に立ち入ることはありません。 |
| 統計データ | X線上の変形性膝関節症は日本で推定約2,500万人。60歳代女性の57.1%に所見あり(ROAD study 2009・3,040人の住民調査) 画像に所見があっても痛みを自覚していない方が多く含まれる数字です。つまり「写っていること」と「つらいこと」は同じではありません。 |
- まだ一度もX線(レントゲン)を撮っていない
- 膝が急に腫れ、さわると熱をもっている
- 発熱をともなって膝が痛みだした
- 膝がまっすぐ伸びない、または深く曲がらなくなった
- じっとしていても痛み、夜に目が覚める
- 数週間のうちにO脚が目に見えて進んだ
- 歩いている途中で膝がガクッと崩れる
- 転倒・ひねりのあとから痛みの質が変わった
1つでも当てはまる場合は、施術より先に医療機関へご相談ください。
鍼とお灸を担当するのははり師・きゅう師(国家資格)の鍼灸師、手技と検査を担当するのは柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗です。X線による進行度の評価、ヒアルロン酸注射や手術の適応判断は整形外科(医科)の領域であり、当院がその判断に立ち入ることはありません。
「この進み具合で鍼灸を受ける意味があるのか」という手前のご質問でも大丈夫です
- 変形性膝関節症と言われてから、こんな行き詰まりはありませんか?
- なぜ、変形性膝関節症は「様子を見ましょう」と言われた期間に進みやすいのですか?
- なぜ当院の鍼灸で変形性膝関節症の痛みに変化が期待できるのか
- 当院が選ばれている6つの理由
- 医師・専門家・メディアからの評価
- 変形性膝関節症の進行度は何段階あり、段階ごとに何ができますか?
- 変形性膝関節症の鍼灸は、すり減った軟骨に働きかけるものですか?
- 変形性膝関節症の鍼灸と運動について、研究では何がわかっていますか?
- 変形性膝関節症の鍼灸は、福岡市城南区の当院でどのくらい通うのが目安ですか?
- ヒアルロン酸注射や手術を受けながら、変形性膝関節症の鍼灸に通えますか?
- 変形性膝関節症は整形外科と鍼灸院、どちらを先にすべきですか?
- 変形性膝関節症の鍼灸に健康保険は使えますか?
- よくある質問(FAQ)
- 変形性膝関節症と関連する膝のページ・セルフケア
変形性膝関節症と言われてから、こんな行き詰まりはありませんか?
- 「軟骨がすり減っています」と説明されたきり、その先の話が進まない
- ヒアルロン酸の注射を続けているが、効いている実感が薄れてきた
- 正座ができなくなり、法事や来客のたびに気を使う
- 階段を下りるとき、必ず手すりを探すようになった
- 膝に水がたまっては抜き、また同じことを繰り返している
- 体重を落とすように言われたが、膝が痛くて歩数が伸びない
- 手術という言葉は出たが、まだ踏み切れずにいる
- 膝をかばううちに、反対の脚や腰まで痛くなってきた
3つ以上当てはまる方は、いまの段階で鍼灸が担当できる範囲の切り分けからご説明します。
LINEで症状を相談する(無料)なぜ、変形性膝関節症は「様子を見ましょう」と言われた期間に進みやすいのですか?
痛いから動かない、動かないから太ももの筋肉が落ちる、落ちるから膝の一点に体重が集まる——この輪が、待っている間に静かに回り続けるからです。軟骨のすり減りそのものは急には変わりません。変わるのは、膝を支える側の力です。
日本整形外科学会も、変形性膝関節症の予防として最初に「ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える」ことを挙げています。裏を返せば、この筋肉が落ちる期間は、膝にとって不利な時間だということです。
ところが痛みが出ている膝で自主的に運動を続けるのは、想像よりずっと難しいことです。歩けば痛み、休めば筋肉が落ちる。この板ばさみのまま数ヶ月が過ぎてしまう方を、当院では毎月お迎えしています。
もうひとつ、待つ期間に起きるのが膝以外への負担の移動です。膝をかばう歩き方が続くと、股関節・腰・反対側の脚が肩代わりを始めます。
そして数ヶ月後、来院時に「いちばんつらいのは腰です」とおっしゃる。膝の診断名だけを追いかけていると、この移動が見えません。
ですから当院がまず行うのは、痛みの内訳を分けることです。関節そのものから出ている痛みと、支える筋肉が張って出ている痛みは、押したときの反応も、動かしたときの止まり方も違います。
後者が混ざっているかどうかで、いま鍼灸を受ける意味があるかが決まります。混ざっていないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。
なぜ当院の鍼灸で変形性膝関節症の痛みに変化が期待できるのか——進行度の確認から、通う間隔を広げるまで
当院が扱うのは、膝の軟骨ではなく、膝を取り巻く筋肉と、その膝にかかる仕事量です。まず整形外科でどう説明されたかを起点に段階を確かめ、鍼・お灸・手技・運動の順に手を足していきます。段階によっては「今は整形外科が先です」とお伝えして終えることもあります。
あわせて、痛む場所が膝の内側なのか、お皿の周りなのか、膝の裏なのかを分けます。ここが分かれると、鍼灸で狙う場所も自然に決まります。

そこで最初に、太ももの前と外、ふくらはぎ、膝の内側の付着部あたりの緊張を手技でゆるめます。腫れや熱がある時期は押したり伸ばしたりせず、負担の少ない方法に切り替えます。

「膝が冷えると動かしはじめが重い」という方には、あわせてお灸を用います。日本整形外科学会も予防として、膝を冷やさず温めて血行を良くすることを挙げています。刺激の量は初回を控えめにして、その場で加減します。

膝に体重をかけずに筋肉だけを働かせられるため、痛みが残る時期でも進められます。痛みの出ない日が増えてきたら間隔を空け、ご自身の運動が中心の形へ移していきます。

当院が選ばれている6つの理由





医師・専門家・メディアからの評価



医師の川浪憲一先生(クリニック院長)から「患者さんの根本原因を丁寧に探り、適切なアプローチで改善へ導く本物の技術。医師として自信を持って推薦できます」との推薦をいただいています(推薦の全文はこちら)。


変形性膝関節症の進行度は何段階あり、段階ごとに何ができますか?
日本整形外科学会は、変形性膝関節症の症状を初期・中期・末期の流れで説明しています。
初期は動作の開始時だけ痛み休めばおさまる、中期は正座や階段の昇り降りが困難になる、末期は安静時にも痛みが残り膝が伸びず歩行が困難になる、という段階です。当院が担当できる幅は、この順に狭くなります。
大事なのは、段階が進むほど「できることがゼロになる」わけではない、という点です。担当する場所が、膝そのものから膝の周りへ、そして反対側の脚や腰へと移っていくと考えてください。
この段階では、施術より先に整形外科へ
膝が急に腫れて熱をもったとき、発熱をともなうとき、膝が伸びきらなくなったとき。これらは進行の段階に関係なく、受診が先です。
当院で最初にお会いした際にこうした所見があれば、施術は行わず、その理由をお伝えして医療機関をおすすめします。
ご自宅でできる動かし方の範囲と中止の目安は膝のストレッチの解説ページに、自分で刺激できる場所と押してはいけない場面は膝のツボの解説ページにまとめています。
変形性膝関節症の鍼灸は、すり減った軟骨に働きかけるものですか?
いいえ、違います。鍼やお灸で軟骨が戻ることはありませんし、当院がそう説明することもありません。
鍼灸が働きかけているのは、その膝をかばい続けた結果として張った筋肉と、動かしはじめの重さのほうです。この線引きを最初にはっきりさせておきます。
診断を受けた方の多くが、「軟骨がすり減っている=痛みのすべての原因」と受け取って帰ってこられます。それは半分正しく、半分そうではありません。
ROAD studyでは、住民3,040人のX線所見をもとに、日本のX線上の変形性膝関節症を約2,500万人と推計しています。この中には、画像に所見があっても痛みを自覚していない方が多く含まれます。
画像の変化と、日々のつらさが一致しないのなら、そこには画像以外の要素が混ざっているということです。当院が手を入れるのは、その混ざりものの側です。
鍼灸で扱えること
- 太ももの前・外側の張り:膝のお皿を外へ引っぱり続けている筋肉です。ここがゆるむと、曲げ伸ばしの引っかかりが軽くなる方がいます。
- 膝の内側の付着部あたりのこわばり:階段の下りや立ち上がりでズキッとくる場所と重なることがあります。
- 膝の裏・ふくらはぎの緊張:膝が伸びきらない感覚に関わります。ここは手が届きにくく、鍼が向く場所です。
- 冷えると動きが重い膝:お灸で温めながら進めます。日本整形外科学会も、膝を冷やさず温めて血行を良くすることを予防として挙げています。
鍼灸では扱えないこと
- 関節軟骨のすり減り・骨の形の変化:画像に写る変化です。ここは手技でも鍼灸でも動きません。
- 進行度の評価と診断:X線・MRIによる判断は医療機関だけが行えます。
- ヒアルロン酸注射や手術の要否:主治医が決めることで、当院が意見を述べる領域ではありません。
- 膝にたまった水を抜くこと:これも医療行為です。腫れが強い場合は受診をおすすめします。
変形性膝関節症の鍼灸と運動について、研究では何がわかっていますか?
結論から言うと、鍼の効果は「ある」という報告と「偽鍼と差がない」という報告が並んでいます。
運動については改善が報告されていますが、その大きさが臨床的に重要と言えるかは不確かだと著者ら自身が述べています。当院に都合の悪い数字も、そのまま並べます。
まず鍼について。Vickersらが2018年に発表した個別患者データのメタ分析は、慢性痛の39試験・20,827名分のデータを統合したものです。
ここでは、鍼は偽鍼と比べても、無治療の対照と比べても優れていたと報告されています(いずれもP<.001)。ただし差の大きさは、無治療対照との比較で0.5標準偏差前後、偽鍼との比較では0.2標準偏差前後にとどまります。1年後の効果の低下は約15%で、効果が持続することも示されています。
関節に絞ったレビューでは、より厳しい数字が出ています。Manheimerらが2010年にまとめたコクラン・レビュー(16試験・3,498名/うち12試験が膝)では、偽鍼と比べた痛みの改善は20点満点で0.9点にとどまり、著者らが事前に定めた臨床的意義の基準(1.3点)に届きませんでした。
待機リストと比べた場合は100点満点で14.5点の改善が出ていますが、著者らはそこに期待による効果が含まれる可能性を指摘しています。
同じレビューには、当院にとってさらに厳しい所見があります。運動を中心とした理学療法に鍼を上乗せしても、運動単独を上回りませんでした。自宅運動や監督下運動と鍼を直接比べた試験でも、結果は同等でした。「運動に鍼を足せば、運動だけより良くなる」と言える根拠は、このレビューの時点ではありません。
さらに、膝に絞った試験では逆の結果も出ています。Hinmanらが2014年にJAMA誌へ発表した282名の試験では、12週の時点で鍼は偽の施術と比べ、痛みにも機能にも有意な差を示しませんでした。
無治療の対照と比べた場合はわずかな改善が見られましたが、その差は研究者らが定めた「実感できる差」の目安に届かず、1年後には残っていませんでした。重篤な有害事象の報告はありません。
運動については、より一貫しています。Lawfordらが2024年に更新したコクラン・レビューは139試験・12,468名を統合し、運動は通常ケアや無治療と比べて痛みを100点満点で13.14点、身体機能を12.53点改善したと報告しています。
ただし著者らは、痛みについての証拠の確実性は低い、機能については中程度としています。さらに、この改善幅が「実感できる最小の差(MID)」の基準で臨床的に重要と言えるかは不確かであり、多くの試験が非盲検(参加者がどちらの群か分かる状態)であるため、改善が実際より大きく見積もられている可能性があるとも述べています。つまり「運動は効くが、劇的ではなく、研究の質にも幅がある」というのが現時点の姿です。
当院が鍼灸をおすすめするのは「必ず効くから」ではなく、ご自身の側で持てる手段が限られている中で、有害事象の報告が少なく、運動と併用しやすい選択肢だからです。ただし正直に書いておくと、Manheimerらのレビューでは、運動ベースの理学療法に鍼を上乗せしても運動単独を上回らず、自宅運動・監督下運動との直接比較でも同等でした。鍼を足すことで運動より良くなるという根拠は、現時点ではありません。以下の数字は本文からの転記です。
| 研究名 | 対象人数 | 結果(限界含む) |
|---|---|---|
| Yoshimura N, et al. ROAD study(J Bone Miner Metab, 2009) | 住民3,040名 | 日本のX線上の変形性膝関節症を約2,500万人と推計。女性60歳代57.1%・70歳代71.9%。あくまでX線所見の有病率で、症状の有無は別 |
| Vickers AJ, et al. 慢性痛への鍼の個別患者データメタ分析(J Pain, 2018) | 39試験・20,827名 | 鍼は偽鍼・無治療対照のいずれより優れる(P<.001)。ただし差は無治療比で約0.5標準偏差・偽鍼比で約0.2標準偏差。1年後も効果は約15%の低下にとどまる |
| Hinman RS, et al. 慢性膝痛への鍼のランダム化比較試験(JAMA, 2014) | 50歳以上の慢性膝痛282名 | 12週で偽の施術と比べ痛み・機能とも有意差なし。無治療対照比のわずかな改善も1年後には消失。重篤な有害事象なし=当院に不利な結果 |
| Manheimer E, et al. 末梢関節の変形性関節症への鍼(Cochrane, 2010, CD001977) | 16試験・3,498名(うち12試験が膝) | 偽鍼比で痛みは20点満点中0.9点の改善にとどまり、著者らが定めた臨床的意義の基準(1.3点)に届かない。待機リスト比では100点満点で14.5点改善だが、期待の効果が含まれる可能性。運動ベースの理学療法への鍼の上乗せは運動単独を上回らず、自宅運動・監督下運動との直接比較でも同等 |
| Lawford BJ, et al. 変形性膝関節症への陸上運動(Cochrane, 2024, CD004376) | 139試験・12,468名 | 通常ケア・無治療と比べ痛み13.14点/機能12.53点の改善(100点満点)。痛みの証拠の確実性は低く、機能は中程度。MID基準で臨床的に重要かは不確か・非盲検のため改善が過大に見積もられている可能性あり |
数字を並べたうえでの当院の立場は、こうです。鍼灸だけで押し切ろうとせず、太ももの筋力と動作の見直しを必ず組み合わせます。効果を保証する説明はしません。
変形性膝関節症の鍼灸は、福岡市城南区の当院でどのくらい通うのが目安ですか?
正座ができなくなる、階段の下りで手すりを探す、という変化は数年がかりで積み上がってきたものです。そのため当院では3〜6ヶ月・週1〜2回を出発点の数字としてお伝えしています。初期なら短く、水がたまる時期のある中期ならもう少しかかります。
膝に水がたまって腫れている週は、来院の間隔を詰めるより、腫れが引くのを待って再開するほうを優先します。目標は通い続けることではなく、膝の状態をご自身で追えるようになって間隔を空けていくことです。
初回に決めるのは、膝で何を追うかです。当院では、次のような動作や回数を指標にしています。
- 階段の下り:手すりなしで下りられる段数。上りより下りのほうが膝への負担が大きく、変化がいちばん早く表れる動作です。
- 椅子からの立ち上がり:手を使わずに立てるか、立ち上がりの瞬間に膝の内側が痛むか。
- 続けて歩ける距離:バス停まで、スーパーを一周、といった生活の中の距離で数えます。
- 膝の水と腫れ:腫れぼったさが出る頻度と、整形外科で水を抜いた回数。
- 夜間の痛み:痛みで目が覚める回数。ここが増える場合は施術を続けず、受診をおすすめします。
正座は指標に入れていません。日本整形外科学会も正座を避けるよう挙げており、正座ができるようになることを目標に置くと、膝に不利な方向へ努力してしまうためです。
6〜8回ほど続けても上の数字がまったく動かない場合、当院は回数を足すのではなく、最初の見立てへ戻ります。膝の内側の痛みだと思っていたものが鵞足部の炎症だった、お皿の裏側の問題だった、股関節や足首の硬さが膝に肩代わりをさせていた——切り替える先はいくつもあり、そこを見直さずに同じ施術を重ねることはしません。
変形性膝関節症でお越しになる方に多いのは、ヒアルロン酸注射を続けているものの、最初の頃ほど効かなくなってきたと感じ始めたタイミングです。注射の当日は楽でも、次の週には元に戻る。その繰り返しの中で「注射以外に自分でできることはないのか」と探して来られます。
もうひとつ多いのが、法事や来客のたびに正座をして翌日に膝が腫れる、を繰り返してきた方です。水がたまりやすくなっているこの状態では、施術より先に正座をやめていただくことをお願いしています。
痛みが出る場面は、階段の下りと椅子からの立ち上がりに集中しています。初回にこの2つの動作を実際にやっていただき、どの瞬間に痛みが出るかを確かめるのは、そのためです。
※統計データではなく、当院での臨床上の実感としてご紹介しています。
ヒアルロン酸注射や手術を受けながら、変形性膝関節症の鍼灸に通えますか?
通えます。ヒアルロン酸注射を続けながら来られている方が、当院ではむしろ多数派です。薬や注射の中止を当院が求めることはなく、主治医の治療方針に口を挟むこともありません。
ただし注射を打った当日は膝関節そのものに触れず、人工膝関節の手術後は主治医の許可があってからの再開になります。
日本整形外科学会は、症状が軽い場合の治療として内服薬・外用薬、関節内へのヒアルロン酸注射、大腿四頭筋の強化訓練や関節可動域の改善訓練、温める物理療法、足底板や膝装具の作成を挙げ、これらで改善しない場合に手術治療を検討するとしています。
手術には関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術があります。どれをいつ行うかを決めるのは医師であり、当院ではありません。
ヒアルロン酸注射は、週1回のペースで続けている方も、月1回程度に落ち着いている方もいらっしゃいます。当院への来院日は注射の翌日以降に置いていただき、注射当日は膝関節そのものへの刺激を避けます。注射で関節の中を扱うのは医師、関節の外側にある太もも・ふくらはぎ・膝の内側の付着部を扱うのは当院、という分担です。
注射の効きが以前より短くなってきた、と感じている方は少なくありません。ただし注射を減らすかどうかは主治医が決めることで、当院が「鍼灸に替えられます」と言うことはありません。当院が担当できるのは、注射と注射のあいだの期間に、太ももの力を落とさず膝への負担を減らしておくことです。
人工膝関節の手術を受けられた方の多くは、術後に膝の曲がる角度に上限が残ります。正座や深いしゃがみ込みができないのはそのためで、当院がそれを取り戻そうとすることはありません。主治医の許可があれば、手術していない側の膝や、術後のかばい歩きで張った腰・ふくらはぎ・太ももの外側を対象にお受けしています。
手術を勧められて迷っている期間についても、ひとつだけ。膝をかばう歩き方が長引くと、反対側の膝に体重が乗り続け、そちらまで痛みだすことがあります。両膝が痛くなってから手術に踏み切ると、術後のリハビリで支えになる脚がありません。迷っている間に反対側の膝を守っておくことが、その期間に当院ができることです。
変形性膝関節症は整形外科と鍼灸院、どちらを先にすべきですか?
まだ膝のX線を撮っていないなら、整形外科が先です。膝の関節のすき間がどれだけ狭いか、骨のふちにとげ状の変化が出ているか、どの程度進んでいるか(Kellgren-Lawrence分類などの段階)を判断できるのは医師だけです。
診断がついていて「今は手術の段階ではない」と言われている時期に、当院が整形外科と並行してできることがあります。
膝については、整形外科でしか決められないことが3つあります。
- 診断と進行度:X線で関節のすき間・骨の変化・O脚の角度を見て、変形性膝関節症かどうかとその段階を判断します。同じ「膝が痛い」でも、半月板の損傷や関節リウマチ、偽痛風など別の病気を除外するのも医師の仕事で、当院にはその手段がありません。
- 膝の水と注射:水がたまったときに抜くかどうか、ヒアルロン酸やステロイドを関節の中に注射するかどうかは医師の判断です。当院の鍼は関節の中には入れません。
- 手術の種類と時期:関節鏡手術・高位脛骨骨切り術・人工膝関節置換術のどれを、いつ行うか。ここに当院が意見を述べることはありません。
そのうえで当院がお引き受けするのは、X線に写らない側です。太ももの前側の張り、膝の内側の付着部のこわばり、膝裏の突っ張り、階段の下りでの体重の乗せ方。診断が「変形性膝関節症」であっても、つらさの一部はこちら側から出ていることがあります。
整形外科の診察日と当院の来院日を分けて通われている方が多く、注射を受けた日は当院を避けていただくようお願いしています。当院に通っていることを主治医に隠す必要はありません。注射の間隔や運動の指示を共有していただけると、当院側の組み立てがしやすくなります。
なお、まだ診断名を受け取っていない膝の痛み全般については膝の痛みの総合ページ、階段の下りのつらさに絞った鍼の話は膝の痛みの鍼のページにまとめています。
変形性膝関節症の鍼灸に健康保険は使えますか?
当院では自費でご案内しています。厚生労働省は、はり・きゅうの療養費について、医師の同意書がある6疾病(神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症)を支給対象として差し支えないとし、それ以外の疾病については保険者(加入している健康保険)が個別に判断するとしています(厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱いを改めてお知らせします」)。変形性膝関節症はこの6疾病に挙げられておらず、それ以外は保険者の個別判断となるため、当院では自費でご案内しています。
- はり・きゅうの療養費の条件:慢性的な疼痛を主訴とする疾病であって、保険医による適当な治療手段がないものが対象とされ、医師の同意書が必要です。6疾病以外がこれに当たるかどうかは、保険者ごとの判断になります。
- 柔道整復(整骨)の保険適用になり得る例:買い物中に膝から転んだ、庭仕事でしゃがんだ拍子にひねった、など日付と場面を言える急性のケガ。変形のある膝にこうしたケガが重なった場合、その部分だけを分けて扱います。
- 自費施術になる例:正座や階段の下りで少しずつ強くなってきた膝の痛み、X線で変形を指摘された膝、注射と併用したい膝まわりの筋肉の張り。
- 交通事故による受傷:自賠責保険が使えるため、窓口でお支払いいただく費用はありません。詳しくは交通事故施術のページへ。
「保険証を出せば鍼灸も安くなる」と聞いて来られる方がいらっしゃいますが、変形性膝関節症について当院ではそのご案内をしていません。療養費の扱いには保険者の判断が関わるため、どうしても確認されたい場合は、加入している健康保険の窓口へ問い合わせていただくのが確実です。
初回の問診では、いつから・どんな場面で膝が痛むかをうかがい、柔道整復の保険に当たる部分があるかを含めて、料金を施術の前にお伝えします。
よくある質問(FAQ)
一方で、膝をかばい続けたことで張った太もも・ふくらはぎの筋肉、動かしはじめの重さ、片側へ偏った体重の乗せ方は変えられます。当院が担当するのはこの範囲で、軟骨そのものへの効果をうたうことはありません。
すでに医療機関で処置を受け、腫れが落ち着いている段階であれば、膝関節そのものを避けて太ももやふくらはぎからお受けしています。その日の状態を見て範囲を決めます。
何回で終わるかを確約できる根拠は研究上もないため、区切りごとに、階段の下りや椅子からの立ち上がりで痛みが出る回数を一緒に確かめます。減ってきたら間隔を空け、太ももの運動をご自宅で続ける形へ移していきます。
お灸も皮膚に直接すえる方法ばかりではなく、台座を挟んで温かさが伝わる方法を選べます。熱さの感じ方には個人差があるため、初回は控えめから始め、その場で調整します。
整形外科で「どの段階と言われたか」「注射を何回受けているか」をご予約時に添えていただくと、初回の組み立てが変わります。当院は1階にあり、駐車場4台から玄関先まで車で入れます。受付は月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。
もうひとつの違いは、膝そのものを揉まないことです。痛い場所を揉んでほしいお気持ちはよく分かりますが、変形のある膝関節を直接強く押すと腫れを招きます。当院が手を入れるのは、太もも・ふくらはぎ・膝の内側の付着部です。
抱っこは椅子に腰かけてから、床から立つときは片膝を立てて手を太ももに置いてから、といった膝を守る形をお伝えしています。ベビーカーのまま入っていただけます。
ただ、お持ちいただくと助かる場面があります。膝の痛みが急に強くなった原因に、転倒やひねりといった急性のケガが混ざっていることがあり、その部分は柔道整復の保険で扱える可能性があるためです。マイナ保険証でも従来の保険証でも構いません。
ストッキングやタイツは膝を出せないので、その日は避けていただけると助かります。お着替えについてはご予約時にお尋ねください。
西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分、駐車場4台、院は1階です。城南区内のほか、南区・早良区から膝のご相談で来られる方もいらっしゃいます。受付は月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。Google口コミ 4.9(213件)。X線での進行度の評価、水を抜く処置、注射と手術の判断は整形外科の領域です。
すり減った軟骨は戻りません。
それでも、注射と手術のあいだにできることがあります
「初期と言われた」「注射が効きにくくなった」「正座ができない」——その一言から、膝で扱える範囲をお答えします。福岡市城南区・南区・早良区より。
福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台
月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
- 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる/変形性膝関節症」(男女比1対4で女性に多い・初期は動作開始時のみ痛み中期は正座や階段昇降が困難・末期は安静時痛と歩行困難・予防として大腿四頭筋の強化/正座をさける/減量/膝を温める/洋式トイレ・治療として内服薬/外用薬/ヒアルロン酸関節内注射/運動器リハビリテーション/物理療法/足底板・膝装具、改善しない場合に関節鏡手術/高位脛骨骨切り術/人工膝関節置換術を検討)|https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
- Yoshimura N, Muraki S, Oka H, et al. "Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study." Journal of Bone and Mineral Metabolism, 2009;27(5):620-628.(住民3,040名/X線上の変形性膝関節症の国内推定患者数 約2,500万人/女性の有病率は60歳代57.1%・70歳代71.9%・80歳以上80.7%、男性は60歳代35.2%・70歳代48.2%・80歳以上51.6%)PMID: 19568689|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19568689/
- Vickers AJ, Vertosick EA, Lewith G, et al. "Acupuncture for Chronic Pain: Update of an Individual Patient Data Meta-Analysis." The Journal of Pain, 2018;19(5):455-474.(39試験・20,827名/鍼は偽鍼・無治療対照のいずれより優れる(P<.001)が、差は無治療比で約0.5標準偏差・偽鍼比で約0.2標準偏差/1年後の効果低下は約15%)PMID: 29198932|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29198932/
- Hinman RS, McCrory P, Pirotta M, et al. "Acupuncture for chronic knee pain: a randomized clinical trial." JAMA, 2014;312(13):1313-1322.(50歳以上の慢性膝痛282名/12週時点で鍼は偽の施術と比べ痛み・機能とも有意差なし/無治療対照比のわずかな改善も1年後には消失/重篤な有害事象なし)PMID: 25268438|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25268438/
- Manheimer E, Cheng K, Linde K, et al. "Acupuncture for peripheral joint osteoarthritis." Cochrane Database of Systematic Reviews, 2010;(1):CD001977.(16試験・3,498名/うち12試験が膝の変形性関節症/偽鍼比の痛みの改善は20点満点で0.9点にとどまり著者らの臨床的意義の基準1.3点に届かない/待機リスト比では100点満点で14.5点改善だが期待効果の可能性)PMID: 20091527|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20091527/
- Lawford BJ, Hall M, Hinman RS, et al. "Exercise for osteoarthritis of the knee." Cochrane Database of Systematic Reviews, 2024;12(12):CD004376.(139試験・12,468名/通常ケア・無治療・限定的な教育と比べ痛み13.14点・身体機能12.53点の改善(100点満点)/痛みの証拠の確実性は低く機能は中程度)PMID: 39625083|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39625083/
- 厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱いを改めてお知らせします」(支給対象となる6疾病=神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症、医師の同意書の要件)|https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/250401_01.pdf

施術歴14年以上|鍼灸に関する記述は在籍の鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力|進行度の評価・ヒアルロン酸注射や手術の適応判断は整形外科(医科)の領域です|院長の経歴・想いはこちら ›
最終更新日:2026年9月5日