股関節 鍼灸 福岡市城南区|痛みの原因が筋肉なら鍼が向く理由を鍼灸師が解説
この記事では、福岡市城南区の長丘はりきゅう整骨院に在籍する国家資格の鍼灸師が、「股関節の痛みに鍼灸はどこまで期待できるのか」をエビデンスを隠さずに解説します。結論を先に言うと——変形性股関節症の「関節そのもの」に対する鍼単独の効果は、偽鍼と比べて差がほとんどない可能性がコクランレビュー(Manheimer E et al., 2018)で示されています。一方で、通常治療に鍼を追加した約3,600人規模の臨床試験(Witt CM et al., Arthritis Rheum 2006)では、膝・股関節の変形性関節症の慢性痛でWOMACスコア(痛み・機能の指標)が通常治療のみより有意に改善しました。つまり「鍼をどう使うか」で答えが変わるのです。当院は、鍼が向くケース(腸腰筋・中殿筋など筋肉由来の痛み)と、整形外科に行くべきケース(変形の進行例・手術適応)をはっきり分けてご案内します。
当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が在籍。整骨の手技と鍼灸を、それぞれの国家資格者が連携して組み立てる複合アプローチで対応します。変形性股関節症の有病率は1.0〜4.3%(男性0〜2.0%・女性2.0〜7.5%)と女性に多く、日本では寛骨臼形成不全などに続発する二次性が約80%を占めます(日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン2016 改訂第2版)。だからこそ「痛みの発生源が関節か、筋肉か」の見極めが第一歩です。
✅ 国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)在籍(複数名)
✅ 院長 河野太朗|柔道整復師(国家資格・施術歴14年)
✅ 健康雑誌『わかさ』掲載
✅ Google★4.9(205件)
①関節の変形そのもの・手術適応の判断は整形外科領域。鍼灸は手術の代わりになりません。②鍼が向くのは、腸腰筋・中殿筋・大腿筋膜張筋・梨状筋など股関節まわりの筋肉が発生源の痛み。③見分けの目安は「日によって痛みが変わる・押すと響く・温めると楽=筋肉寄り」「可動域制限・夜間痛・脚長差=関節寄り(要整形外科)」。④筋肉由来なら3〜5回で変化を感じる方が多く、変化がなければ整形外科をご案内します。
変形性股関節症に鍼は効きますか?【エビデンスを正直に】
ここは誇張せずにお伝えします。研究結果は「使い方しだい」を示しています。
鍼単独 vs 偽鍼:股関節の変形そのものには差が小さい
信頼性の高い医学レビューであるコクランレビュー(2018年)は、変形性股関節症に対する鍼治療のRCT(ランダム化比較試験)6件・413人分を検証し、「偽鍼と比べて痛みの軽減はほとんど差がない可能性がある」(中等度の質のエビデンス)と結論づけました。つまり「変形した関節そのものを鍼が変える」という期待には、現時点の科学は慎重です。当院も、そうした説明はしません。
Manheimer E, Cheng K, Wieland LS et al. "Acupuncture for hip osteoarthritis." Cochrane Database of Systematic Reviews 2018, Issue 5. CD013010. 変形性股関節症へのRCT 6件・413人を解析。偽鍼との比較では痛み軽減の差はわずか(100点中約2点)で、「おそらくほとんど効果に差がない」と結論。一方、通常の医師のケアに鍼を追加した試験では痛み・機能の改善が報告されたが、盲検化されておらず質は低いと評価。副作用は軽微な内出血等のみで重篤な有害事象の報告なし。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29729027/
通常治療+鍼:大規模試験では上乗せの改善が報告
一方、ドイツで行われた大規模試験(Witt CM et al., 2006)では、膝または股関節の変形性関節症による慢性痛の患者を「通常治療のみ」と「通常治療+鍼(3か月で最大15回)」に分けて比較。鍼を追加した群はWOMACスコア(痛み・機能の指標)が17.6ポイント改善したのに対し、通常治療のみの群は0.9ポイントと、明確な差がつきました(P<0.001)。
Witt CM, Jena S, Brinkhaus B et al. "Acupuncture in patients with osteoarthritis of the knee or hip: a randomized, controlled trial with an additional nonrandomized arm." Arthritis Rheum. 2006;54(11):3485-3493. ランダム化712人(鍼357・対照355)+非ランダム化2,921人。3か月時点のWOMAC改善は鍼群17.6 vs 対照群0.9(P<0.001)。「通常治療への鍼の追加は、膝・股関節OAの慢性痛の著明な臨床的改善と関連する」と結論。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17075849/
この2つの結果をどう読むか=「痛みの発生源」がカギ
「関節そのもの」への鍼単独は差が小さい。でも実際の患者さんに追加すると大きく改善する——この差を埋める鍵が、股関節痛の少なくない部分が「関節の変形」ではなく「まわりの筋肉」から来ているという臨床上の実感です。股関節をまたぐ腸腰筋(ちょうようきん)・お尻の外側の中殿筋(ちゅうでんきん)・大腿筋膜張筋・梨状筋などが硬く緊張すると、脚の付け根の詰まり感・歩き始めの痛み・お尻から太ももへの張りが生じます。鍼はこれらの深部の筋肉に直接届き、緊張の緩和と血流の改善を促せます。慢性痛全般では、約18,000人のメタ解析(Vickers AJ et al., 2012。変形性関節症を含む)で鍼が偽鍼を有意に上回ることも示されています。
Vickers AJ, Cronin AM, Maschino AC et al. "Acupuncture for Chronic Pain: Individual Patient Data Meta-analysis." Arch Intern Med. 2012;172(19):1444-1453. 腰痛・頸部痛・頭痛・変形性関節症の慢性痛患者 約18,000人の個別データを統合解析。鍼治療は偽鍼・無治療より有意に優れた鎮痛効果を示した(P<0.001)。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22965186/
痛みの原因が「筋肉」か「関節」か、どう見分けますか?
自己判断で確定はできませんが、目安になるサインがあります。ご自身の痛みと照らし合わせてみてください。
(鍼灸が向きやすい)
- 日によって痛む場所・強さが変わる
- お尻の外側や付け根を押すと「響く」点がある
- 温める・入浴すると楽になる
- 動き始めは痛いが、動いていると軽くなる
- 長く座った後に立ち上がると付け根が詰まる
- 腰痛・お尻の張りを一緒に感じる
(まず整形外科へ)
- あぐら・靴下を履く動作ができない(可動域制限)
- 夜間痛・じっとしていても痛い
- 脚の長さに左右差が出てきた
- 歩ける距離が明らかに短くなってきた
- レントゲンで変形の進行を指摘されている
- 子どもの頃に股関節脱臼・形成不全と言われた
日本の変形性股関節症は、生まれつき股関節の受け皿が浅い寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)に続発する二次性が約80%を占め、女性に多いのが特徴です(日本整形外科学会ガイドライン)。右列のサインに当てはまる方、特に女性で幼少期の股関節の指摘歴がある方は、鍼灸の前に整形外科でレントゲン検査を受けて「関節の状態」を確認することを強くおすすめします。診断がついたうえで筋肉側のケアを併用するのが、遠回りに見えて一番の近道です。
⚠️ すぐに整形外科・医療機関を受診すべき股関節の痛み:転倒後に体重をかけられない/安静にしても痛みが増していく/発熱を伴う/夜間痛で眠れない/脚の長さの左右差や可動域制限が進んでいる場合は、鍼灸より先に整形外科での画像検査・診断を受けてください。
なお、股関節痛と思っていたら坐骨神経痛(お尻〜脚のしびれ・放散痛)だったというケースもあります。しびれを伴う方は坐骨神経痛の原因と対処法はこちら →も参考にしてください。骨盤や姿勢のゆがみから股関節に負担がかかっているタイプの解説は、整骨院軸でまとめた股関節痛の整体・骨盤矯正での改善法はこちら →をご覧ください。
股関節の鍼灸は何回くらいで変化を感じますか?
個人差はありますが、筋肉由来の股関節痛では3〜5回で「歩き始めが軽い」「詰まり感が減った」と感じ始める方が多いです。慢性化している場合は8〜12回程度、月2〜4回のペースでの継続をご提案しています。
大事なのは「効いていないのに続けない」こと。当院では3〜5回続けて変化がまったくなければ、原因が関節側にある可能性を考えて整形外科の受診をご案内する方針です。ずるずると回数を重ねることはしません。
当院の股関節×鍼灸の流れ
痛む場所・発症経緯・整形外科での診断の有無を確認。股関節の可動域テスト・筋肉の圧痛チェックで「筋肉由来か関節由来か」を評価し、関節由来が疑われる場合は整形外科の受診を先にご案内します。
腸腰筋・中殿筋・大腿筋膜張筋・梨状筋・内転筋群など、評価で特定した緊張ポイントに鍼を刺入。深部の筋肉は手技では届きにくく、鍼の得意分野です。使用鍼はすべて滅菌済み使い捨て。国家資格をもつ鍼灸師が担当します。
状態に応じて高電圧パルスの電気療法で深部の鎮痛を促し、柔道整復師による骨盤まわりのバランス調整を組み合わせます。鍼灸師と柔道整復師、それぞれの国家資格者が連携して組み立てます。
股関節周囲筋のストレッチ・座り方や歩き方の工夫をお伝えし、回数の目安と「変化がなければ整形外科へ」の判断基準を最初に共有します。
手術を勧められたら、鍼灸院に行くべきですか?
はっきりお伝えします。変形性股関節症の進行例への対応・人工股関節などの手術適応の判断は、整形外科(医科)の領域です。鍼灸は手術の代わりにはなりません。「手術を回避できます」という説明をする施術所があれば、むしろ注意が必要です。
手術を勧められている方には、まず主治医とよくご相談いただくこと、必要ならセカンドオピニオン(別の整形外科医の意見)を聞くことをおすすめしています。そのうえで、鍼灸にできる現実的な役割は次の範囲です。
- 股関節をかばう歩き方で緊張した腰・お尻・太ももの筋肉のケア(主治医の了解のもと併用)
- コクランレビューでも報告されているとおり、鍼の副作用は軽微な内出血等にとどまり、医科の治療と併用しやすいこと
- 手術までの期間・術後のリハビリ期に、医師と相談のうえで周囲筋のコンディションを整えること
当院は整形外科の診断・治療方針を尊重し、その枠の中で筋肉側のサポートを担当する——この住み分けを守ります。逆に、レントゲンでの変形が軽度で「痛みの主体は筋肉」と評価できる方には、鍼灸は有力な選択肢です。
股関節の鍼灸に健康保険は使えますか?
これも正直にお伝えします。鍼灸で健康保険を使うには医師の同意書が必要で、対象は神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患に限られます。「変形性股関節症」自体はこの6疾患に含まれないため、股関節の鍼灸は自費が基本です。
ただし、お尻から脚への痛み・しびれが坐骨神経痛(神経痛)として医師の同意を得られるケースでは保険適用となる場合があります。ご自身がどちらに当たるかは、初回時にご説明しますのでお気軽にご相談ください。料金の詳細は料金ページをご確認ください。
股関節の痛みについて詳しくはこちら
このコラムをお読みの方には、こちらの専門施術ページが特に役立ちます。鍼灸×整骨×城南区の当院ならではのアプローチをご案内します。
股関節の痛みの鍼灸を福岡市城南区で
「私の痛みは筋肉由来?関節由来?」——LINEでのご相談も承ります。
月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
📍 福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|Google★4.9(205件)
股関節×鍼灸 よくある質問
2. Witt CM, Jena S, Brinkhaus B et al. "Acupuncture in patients with osteoarthritis of the knee or hip: a randomized, controlled trial with an additional nonrandomized arm." Arthritis Rheum. 2006;54(11):3485-3493. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17075849/
3. Vickers AJ, Cronin AM, Maschino AC et al. "Acupuncture for Chronic Pain: Individual Patient Data Meta-analysis." Arch Intern Med. 2012;172(19):1444-1453. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22965186/
4. 日本整形外科学会「変形性股関節症診療ガイドライン」(有病率1.0〜4.3%・二次性約80%)https://www.joa.or.jp/topics/2023/files/osteoarthritis_treatment/guideline.pdf
本記事は国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が監修しています。院長 河野太朗は柔道整復師であり、鍼灸師の資格は鍼灸担当スタッフが保有しています。変形性股関節症の診断・手術適応の判断は整形外科(医科)の領域です。