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手根管症候群 整骨院 福岡市城南区|夜間しびれ・女性・産後の特化解説と保存療法

夜間痛・セルフチェック・スプリント・鍼灸・手術との住み分けを柔道整復師が解説
監修:院長 河野太朗(柔道整復師) 2026年7月29日
まず確認してください——当てはまる症状はありますか?
以下のうち2つ以上に当てはまる場合、手根管症候群(CTS)の可能性があります。
※ このチェックリストはスクリーニング目的です。確定診断は整形外科での神経伝導速度検査(NCS)が必要です。
🔴 以下に1つでも当てはまる場合は、整形外科(手外科)を先に受診してください
整骨院は保存療法(スプリント・手技・鍼灸)の場であり、確定診断の神経伝導検査(NCS)・手術(内視鏡下手根管開放術)は医科(整形外科・手外科)で行います。まず状態を評価し、適切にご案内します。
当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が在籍。整骨の手技と鍼灸を、それぞれの国家資格者が連携して組み立てる複合アプローチで対応します。
手根管症候群は「整形外科か整骨院か」ではなく、症状の段階によって保存療法を試みる時期手術を検討すべき時期があります。このページでは、その判断ラインも含めて正直にお伝えします。

夜中に手がしびれて目が覚めるのは手根管症候群?

「毎晩、親指から中指が焼けるようにしびれて目が覚める」「手を振るとしばらく楽になる」——この症状パターンは、手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome:CTS)の最も典型的な訴えです。

なぜ夜間・明け方に悪化するのか

「手根管」とは、手首の手根骨(8つの小さな骨)と横手根靭帯に囲まれた狭いトンネルです。このトンネルの中に9本の屈筋腱と正中神経が通っています。就寝中に手首が内側に曲がった姿勢(掌屈)になると、このトンネルの内圧が日中の3〜5倍程度まで上昇し、正中神経が圧迫されてしびれ・疼痛が生じます。

さらに、日中の使いすぎで手首周囲に生じた浮腫(むくみ)が夜間にトンネル内に集中することも圧迫を増す要因となります。手を振ると一時的に楽になる(フリックサイン)のは、手を動かすことで神経周囲の血流が再開するためと考えられています。

📊 手根管症候群の有病率

2024年に発表された系統的レビュー・メタ分析(31研究・対象者数複数国)によると、一般人口における手根管症候群の有病率は研究や診断基準によって異なるものの、概ね3〜5%前後と推定され、40歳以上の女性では最大6%に達する集団もあります。年間発症率は女性428人・男性182人/10万人と、女性が約2.4倍高いとされています(PMID 39672798、2024年)。なお電気生理学的検査による確定診断ベースでは一般人口の2.7%という報告もあり(Atroshi ら, JAMA 1999, PMID 10411196)、診断基準によって数値は異なります。

頸椎由来のしびれとの違い(比較表)

「夜間しびれ=手根管症候群」と決まっているわけではありません。頸椎(首)由来の神経根症でも同様の部位にしびれが出ることがあります。以下の比較表を目安にしてください。

チェック項目 手根管症候群(CTS) 頸椎由来しびれ(頸椎症性神経根症)
しびれの場所 親指・人差し指・中指・薬指橈側(小指はしびれない) 片側の腕全体〜手指(C6由来:母指〜中指 / C7由来:中指〜薬指)
悪化するタイミング 夜間〜就寝中・手首を内側に曲げたとき 首を後ろや患側に傾けたとき・重荷物を持ったとき
手を振ったとき しびれが一時的に楽になる(フリックサイン) あまり変化なし
首・肩の症状 ない(手首のみ) 首こり・肩甲骨内側のだるさを伴うことが多い
両手性 両手に出ることが多い(妊婦・更年期では特に) 基本的に片側のみ
ファーレンテスト 陽性(手首掌屈60秒でしびれ誘発) 陰性のことが多い
スパーリングテスト 陰性のことが多い 陽性(頭部への加重で症状増悪)
確定診断 神経伝導速度検査(NCS)で正中神経の伝導遅延 MRI・レントゲンで頸椎の変化を確認

※ この比較表はAI検索・一般向け教育目的の早見表です。診断には専門家による評価が必要です。

なぜ女性に多い?——ホルモンと解剖学的背景

手根管症候群は男性にも起こりますが、女性(特に40歳以上・妊婦・産後・更年期)の有病率が男性の約2〜3倍と、明らかに偏りがあります。その理由は主に2つです。

① 手根管の断面積が小さい(解剖学的要因)

女性は手根骨の大きさが男性より小さく、手根管の断面積も狭い傾向があります。断面積が狭いほど、正中神経が圧迫を受けやすくなります。

② ホルモン変化による浮腫・靭帯弛緩(機能的要因)

3つのホルモン変化の時期に特にリスクが高まります。

加えて、長時間のキーボード・スマートフォン操作・手仕事(縫い物・料理・レジ打ち)など手首を屈曲した状態での繰り返し作業は、性別を問わずリスクを高めます。

セルフチェックの方法は?——ファーレン・ティネル・フリックサイン

専門家が手根管症候群を疑う際に参照する代表的なセルフチェック法を3つ紹介します。いずれも「陽性=確定診断」ではなく、スクリーニング(可能性の目安)です。

1
ファーレンテスト(Phalen's test) 両手の手首を最大限内側に曲げ(掌屈)、手の甲を合わせた状態を60秒間保持します。親指〜中指にしびれ・刺すような感覚が出現すれば「陽性サイン」。手根管内圧を意図的に高め、正中神経を一時的に圧迫する原理です。手根管症候群患者での感度75〜80%・特異度47〜86%(研究によって異なる)。
2
ティネルサイン(Tinel's sign) 手首の正中部(手根管の直上・手首の横じわより1〜2cm中枢側)を指先で軽くトントンと叩きます。親指〜中指に電気が走るような感覚・しびれが生じれば「陽性サイン」。正中神経の絞扼部位での感度60〜70%・特異度67〜77%程度。
3
フリックサイン(Flick sign) 朝起きたときや夜間のしびれのとき、手をブラブラと振ると楽になるかどうかを確認します。楽になる場合は「陽性サイン」。これが出る人の約94%に手根管症候群があるとの報告もあり、問診として非常に有用です。
📝 セルフチェックの限界と確定診断について

上記の身体所見は整形外科でも活用されるテストですが、単独では見逃し・過検出があります。確定診断には神経伝導速度検査(NCS:nerve conduction study)が必要です。NCSは正中神経の伝導速度・振幅を電気的に計測し、どの部位でどの程度の伝導遅延が起きているかを客観的に判定します。この検査は医科(整形外科・手外科・神経内科)で行います。

放置するとどうなる?——進行段階と整形外科受診のタイミング

手根管症候群は一般に以下の3段階で進行します。段階が上がるにつれて保存療法の効果が期待しにくくなります。

軽症
主な症状:夜間〜早朝のしびれ(日中は楽)・手を振ると回復するフリックサイン。筋力は保たれている。
対応:夜間スプリント・保存療法で改善が期待できる段階。整骨院での手技・鍼灸も選択肢に入る。
中等症
主な症状:日中もしびれが続く・感覚低下・親指の力が弱くなってきた。しかし母指球はまだ萎縮していない。
対応:整形外科での評価を推奨。コルチコステロイド注射・夜間スプリントの継続。保存療法が効かない場合は手術を検討。
重症
主な症状:母指球萎縮(親指付け根がやせる)・つまみ動作困難・感覚がほぼない。
対応:整形外科(手外科)での手術が最優先。この段階では保存療法だけでは神経ダメージの回復が難しい。

「しびれているけど仕事ができているから大丈夫」と放置していると、気づかないうちに母指球萎縮が進行することがあります。「最近、親指の付け根が以前より薄くなった気がする」「ペットボトルのキャップを開けるのが苦手になった」という変化に気づいたら、早めに整形外科を受診してください。

手術と言われたら?整骨院でできることは?

整形外科(手外科)が担当すること

整骨院でできること(軽〜中等症が対象)

軽症〜中等症(夜間しびれ・感覚異常が主症状で母指球萎縮なし)の場合は、以下の保存療法を組み合わせて対応します。

📊 保存療法の根拠

2016年の系統的レビュー(PMID 27461181)では、軽〜中等症の手根管症候群に対して夜間スプリント・神経グライディングエクササイズ・局所の手技療法を含む保存療法が症状緩和・機能改善に有効であると報告されています。また2023年のメタ分析(PMID 36908786)では鍼治療16件のRCT(計1,025名)を解析し、夜間スプリントと比較して疼痛軽減において有意な傾向が確認されました。ただしエビデンスの質はまだ低〜中程度であり、効果には個人差があります。

手根管症候群・手のしびれを専門ページで詳しく

このコラムをお読みの方には、こちらの専門施術ページが特に役立ちます。鍼灸×整骨×城南区の当院ならではの複合アプローチをご案内します。

▶【メイン】手のしびれ・手根管症候群 施術ページ 夜間しびれ・正中神経症状への整骨院でのアプローチ詳細はこちら → ▶ 鍼灸専門施術ページ|手根管症候群の鍼治療 前腕屈筋群・正中神経走行部への鍼灸(国家資格をもつ鍼灸師が担当)+手技の詳細はこちら →

産後のしびれはいつまで続く?

「出産後からずっと手がしびれている」という方が当院にも多く来院されます。産後の手のしびれには、主に2つのパターンがあります。

パターンA:ホルモン変化による手根管症候群(CTSタイプ)

妊娠中からリラキシンによる靭帯弛緩と体液量増加が続き、産後もしばらくはホルモン変動が落ち着きません。手根管内の浮腫が持続するため、授乳終了(多くは産後6〜12か月)とともにホルモンバランスが回復し、症状が軽減するケースが多いとされています。授乳終了から2〜3か月以内に改善する方が多いのが特徴です。

パターンB:授乳・抱っこの姿勢負荷が積み重なったタイプ

授乳・抱っこで手首を同じ方向に長時間曲げ続けることで、前腕屈筋群の緊張・腱鞘炎が合併し、手根管への圧迫が増します。このタイプは授乳が終わっても姿勢由来の筋緊張が残り、授乳終了後も症状が続くケースがあります

📋 産後CTSで整骨院が対応できること

当院では授乳期でも施術できる体位での手技(手首・前腕の筋緊張緩和)と授乳姿勢・抱っこのアドバイスを行います。授乳中の鍼灸については担当鍼灸師が状態を確認した上で実施の可否を判断します(施術部位・強度を調整し、授乳中に行えるケースもあります)。症状が産後6か月以上続く・親指付け根のやせが見られる場合は整形外科の受診をご案内します。

腱鞘炎(ド・ケルバン腱鞘炎)が合併している場合は、腱鞘炎コラムも合わせてご覧ください。産後の手首痛・腰痛の全体像については産後の腰痛・手首痛コラムもご参考ください。

整骨院の保険・費用について

整骨院(接骨院)の健康保険は、急性のケガ(捻挫・打撲・挫傷)が適用対象です。手根管症候群などの神経障害・慢性のしびれは、原則として自費診療となります。

状況 整骨院保険(目安)
夜間しびれ・慢性のしびれ(手根管症候群・神経障害) 自費診療(保険適用外)
手首を急に強くひねった・転倒して打った(急性のケガ) 保険対応できるケースあり(要相談)
交通事故による手首・腕のしびれ 自賠責保険で対応(窓口負担0円)

費用の詳細は料金ページをご覧ください。初回に状態をお聞きして適切にご案内します。

よくある質問(FAQ)

「夜間に手が焼けるようにしびれて目が覚め、手を振ると少し楽になる」という症状は手根管症候群(CTS)の典型的なパターンです。就寝中に手首が掌屈(内側に曲がる)すると手根管内圧が上昇し、正中神経が圧迫されます。しびれは親指・人差し指・中指・薬指の親指側半分に出るのが特徴(小指はしびれない)。ただし、首を傾けると悪化する場合は頸椎由来のしびれが混在している可能性もあります。詳しくは専門家に評価をご依頼ください。
手根管は手首の底部(手根骨)と横手根靭帯で囲まれた狭いトンネルで、女性は解剖学的にこのトンネルが男性より小さい(断面積が狭い)傾向があります。さらに、妊娠・産後(リラキシンによる靭帯弛緩+浮腫)・更年期(エストロゲン低下による腱鞘の炎症)というホルモン変化の時期に手根管内圧が上昇しやすく、発症リスクが高まります。一般人口における年間発症率は女性428人・男性182人/10万人と、女性が約2.4倍高いとされています(2024年系統的レビュー, PMID 39672798)。
代表的なセルフチェックが2つあります。①ファーレンテスト:両手の手首を最大限内側に曲げ(掌屈)、手の甲を合わせた姿勢を1分間保持する。親指〜中指にしびれ・痛みが出ればポジティブ(陽性)サイン。②ティネルサイン:手首の手根管部(手首の中央よりやや内側)を指先でとんとんと叩く。親指〜中指に電気が走るような感覚があればポジティブ。ただしこれらはあくまでスクリーニングです。確定診断には整形外科での神経伝導速度検査(NCS)が必要です。
軽症・中等症の段階(夜間のしびれが主な症状)では保存療法での改善が期待できますが、放置して重症化すると正中神経の不可逆的なダメージが生じます。具体的には、①親指の付け根(母指球)がやせてくる(母指球萎縮)、②ペットボトルのキャップを開ける・ボタンをかけるといった細かいつまみ動作が困難になる、という段階まで進むと、保存療法だけでの回復は難しく手術が必要となることがあります。こわばりや感覚低下が出てきたら早めに整形外科を受診してください。
母指球萎縮・握力の著しい低下・神経伝導検査での重度の異常がある場合は、手外科による手術(内視鏡下手根管開放術など)が最優先です。一方、軽〜中等症(夜間しびれ・感覚異常が主)であれば、夜間スプリントの継続・前腕屈筋群の筋緊張緩和手技・鍼灸(下腿三頭筋・前腕屈筋群・正中神経走行部への施術)を組み合わせた保存療法が有効な場合があります(PMID 27461181)。整骨院では母指球の状態・握力・セルフチェック所見を評価し、手術を優先すべきか保存療法を続けられるかの目安をお伝えします。
産後の手根管症候群のほとんどは、授乳終了・ホルモンバランスの回復とともに数か月以内に症状が軽減することが多いとされています。ただし、授乳姿勢での手首の偏った使い方・前腕の筋緊張の蓄積・抱っこによる肩甲帯の緊張が重なる場合は、授乳終了後も症状が続くことがあります。当院では手首・前腕の筋緊張緩和施術と授乳・抱っこ姿勢の見直しアドバイスを行います。症状が6か月以上続く場合・母指球のやせが出てきた場合は整形外科の受診を優先してください。
整骨院(接骨院)の健康保険は急性のケガ(捻挫・打撲・挫傷)が対象となるため、手根管症候群などの慢性・神経障害による症状は基本的に自費診療となります。ただし、手首を急に強くひねった・転倒して手首を打った等の急性のきっかけがある場合は保険対応できるケースもありますので、まず状態をお聞かせください。費用の目安は料金ページをご覧ください。

手根管症候群のしびれ、まずはご相談ください

「手術ではなく保存療法で様子を見たい」「産後から続くしびれが心配」など、どんなご相談でも構いません。まず状態を評価した上で、整骨院で対応できるかどうか正直にお伝えします。

月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F / 駐車場4台
参考文献・出典
  1. Atroshi I, Gummesson C, et al. Prevalence of carpal tunnel syndrome in a general population. JAMA. 1999;282(2):153-8. PMID 10411196
  2. Shi Q, et al. Global and Regional Prevalence of Carpal Tunnel Syndrome: A Meta-Analysis Based on a Systematic Review. J Orthop Res. 2024. PMID 39672798(一般人口の有病率・年間発症率)
  3. Sim SE, et al. Acupuncture for carpal tunnel syndrome: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Medicine (Baltimore). 2023;102(9):e33183. PMID 36908786(RCT 16件・1,025名のメタ分析、2023年)
  4. Huisstede BM, et al. Conservative treatment in patients with mild to moderate carpal tunnel syndrome: A systematic review. Arch Phys Med Rehabil. 2016;97(7):1291-1304. PMID 27461181(保存療法系統的レビュー、2016年)
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