マタニティ整体|妊娠中の腰痛・骨盤帯痛

マタニティ整体 福岡市城南区|妊娠中の腰痛・骨盤の痛みへの施術と受けられる時期|長丘はりきゅう整骨院

【結論】妊娠中の腰痛や骨盤周りの痛みは、妊婦さんの約45%が経験するとされる非常に一般的な症状です(Wu WH et al., Eur Spine J, 2004)。マタニティ整体は、骨盤帯・腰椎まわりの筋肉や関節の負担をやわらげることをめざす施術で、安定期(妊娠16週)以降・主治医の許可を得た方を対象に対応しています。

当院では横向き(シムズ位)を基本体位とし、お腹への直接圧迫を避けた施術を行います。

ただし、以下のケースは施術をお断りしています。受診前に必ずご確認ください。

📊 妊娠中の腰痛・骨盤帯痛に関するエビデンス

Wu WHらの系統的レビュー(Eur Spine J, 2004)では、妊娠中の女性の約45%が骨盤帯痛または腰椎痛を経験し、うち約8%は日常生活に支障をきたす重度の痛みになると報告されています。また、Davenport MHらによるコクランスタイルのシステマティックレビュー・メタ解析(Br J Sports Med, 2019;29件のランダム化比較試験を含む)では、妊娠中の適切な運動・手技介入が腰痛・骨盤帯痛の緩和に寄与する可能性があると報告されています。いずれも「妊娠経過に合わせた段階的な対応」が前提とされています。
※引用はあくまで「痛みの緩和をめざす」根拠であり、効果を断定するものではありません。

📋 このページの内容
  1. 妊婦さんの腰痛・骨盤の痛みはなぜ起こる?
  2. マタニティ整体はいつから受けられますか?
  3. 受けられないケース——必ず主治医に確認してほしい状態
  4. 仰向けが難しい場合の対応——横向き施術について
  5. 当院での施術内容
  6. 産後の骨盤矯正への橋渡し
  7. よくあるご質問

妊婦さんの腰痛・骨盤の痛みはなぜ起こるの?

妊娠中に腰や骨盤まわりが痛くなる原因は、大きく3つあります。

① リラキシンによる関節の緩み

妊娠すると「リラキシン」というホルモンが分泌され、出産に備えて骨盤の靭帯・関節が緩みます。この緩みは必要な変化ですが、骨盤輪(仙腸関節・恥骨結合・仙骨)を安定させる力が低下するため、座る・立つ・寝返りといった日常動作でも痛みが出やすくなります。

② 重心の変化と腰椎への負担増

お腹が大きくなるにつれて重心が前方に移動し、腰椎の反り(前弯)が強くなります。腰の筋肉(脊柱起立筋・腰方形筋)が常に引き伸ばされた状態になり、慢性的な張りや鈍い痛みが生じます。

③ 恥骨結合部・仙腸関節の機能不全

恥骨の左右をつなぐ「恥骨結合」がリラキシンの影響で過度に緩むと、歩くたびにギシギシとした痛みが恥骨正面に出る「恥骨痛」が起こります。また仙腸関節が不安定になると、片側のお尻・太もも裏にかけて痛みが走るケースもあります(坐骨神経痛様の症状)。

⚠️ 痛みの部位ごとの痛みの特徴(目安)

仙腸関節の痛み=片側のお尻・太もも後面・腰の奥の鈍痛(座りっぱなし・立ちっぱなしで悪化)。恥骨痛=恥骨正面のズキズキ・歩行・階段・開脚動作で増悪。腰椎痛=腰全体の重い痛み・前屈後屈で変化。それぞれ対応が異なるため、問診で部位を特定してから施術を組み立てます。

マタニティ整体はいつから受けられますか?

当院では妊娠16週(安定期に入る目安)以降を基本の受け入れ時期としています。

時期 週数の目安 当院の対応
妊娠初期 〜15週 🔴 施術なし。流産リスクが最も高い時期。主治医の判断を優先。
安定期(前半) 16〜27週 🟡 主治医の許可を確認の上、対応可。お腹の大きさに合わせた体位で実施。
安定期(後半) 28〜36週 🟡 仰臥位低血圧症候群に注意しながら横向き中心で対応。
臨月 37週〜 🟠 状態により個別判断。必ず主治医の許可と直近の健診結果を確認。

週数はあくまで目安です。最終判断は産科・産婦人科の主治医が行います。来院前に主治医に「整骨院でマタニティ整体を受けてよいか」を必ず確認してください。主治医の許可が確認できない場合は施術をお断りしています。

受けられないケース——必ず主治医に確認してほしい状態

以下の状態に該当する場合は、外部からの施術が母体・胎児のリスクになる可能性があるため、当院はマタニティ整体をお断りしています。来院後にお断りすることになると、遠くからお越しの方に大変ご迷惑をおかけするため、事前にご確認ください。

🔴 以下に当てはまる場合は施術をお断りしています

上記以外でも「何か不安なことがある」と感じた場合は、来院前に当院(TEL:080-7982-3536)へお電話でご相談ください。安全を最優先にして判断します。

仰向けが難しい場合の対応——横向き施術について

妊娠中期以降、仰向けに寝ると子宮が体の中心を通る大きな静脈(下大静脈)を圧迫し、血圧が急激に下がって気分が悪くなることがあります。これを「仰臥位低血圧症候群」と呼びます。

当院では以下の体位・環境で対応しています。

⚠️ 妊娠中の鍼灸について

当院には在籍する国家資格をもつ鍼灸師がいます。ただし妊娠中の鍼灸は、合谷(ごうこく)・肩井(けんせい)・三陰交(さんいんこう)など子宮収縮を促す可能性があるとされるツボは使用しません。妊娠中に鍼灸を希望される場合も、事前に主治医への相談をお願いしています。

当院でのマタニティ整体の流れ

施術は大きくわけて次の流れで行います。いずれも強い刺激を避け、「やわらげることをめざす」アプローチです。

1
問診・体位確認
現在の週数・合併症の有無・主治医の許可状況・痛みの部位と性質を確認します。また「仰向けで気分が悪くなることがあるか」「普段どちら向きで寝ているか」も確認し、体位を決めます。
2
筋肉・筋膜へのアプローチ(横向き体位)
腰方形筋・脊柱起立筋・臀部(梨状筋・中殿筋)・鼠径部まわりの緊張をやわらげることをめざし、手技(軽擦・圧迫・筋膜へのアプローチ)で対応します。腹部への直接的な圧力はかけません。
3
骨盤帯まわりの調整
仙腸関節・恥骨結合まわりの負担を分散させることをめざした施術を行います。強制的な矯正操作(スラスト手技)は妊娠中は行いません。腸骨の位置に合わせた軽い誘導的アプローチで対応します。
4
自宅でのセルフケア指導
骨盤ベルト(トコちゃんベルト等)の着け方・寝返りの仕方・立ち上がり方・クッションの使い方などを個別にお伝えします。

骨盤ベルトとマタニティ整体の違い

骨盤ベルトは「緩んだ骨盤輪を外から締めて安定させる」器具です。仙腸関節や恥骨結合の不安定感を補助する効果がありますが、筋肉の緊張や関節まわりの動きの偏りには直接作用しません。マタニティ整体は骨盤ベルトでカバーできない「筋肉の張り・関節の動きの偏り」に対してアプローチし、両者を組み合わせることで日常の痛みをやわらげることをめざします。骨盤ベルトは当院でも着け方の確認が可能です。

産後の骨盤矯正への橋渡し

出産後は妊娠中に緩んでいた骨盤の靭帯が徐々に引き締まっていきます。この「引き締まる過程」の時期に骨盤の位置を整えることをめざすのが産後の骨盤矯正です。

産後の腰痛・骨盤の歪み・恥骨痛が気になる方は、こちらのコラムもご参照ください。

産後の骨盤矯正について詳しく見る →
よくあるご質問
マタニティ整体はいつから受けられますか?+
一般的に安定期に入る妊娠16週(4ヶ月)以降を目安にしています。ただし妊娠経過は個人差が大きいため、受診前に必ず産科・産婦人科の主治医に「整骨院でのマタニティ整体を受けてよいか」を確認してください。主治医の許可が得られない場合は施術をお断りしています。
切迫早産と言われていますが施術は受けられますか?+
切迫早産の診断を受けている場合は施術をお断りしています。安静指示が出ているケースや子宮収縮が認められるケースでは、外部からの刺激がリスクになる可能性があるためです。主治医から安静解除の指示が出て、かつ主治医が施術を許可した場合にはご相談ください。
妊娠中の整体は赤ちゃんに影響しますか?+
主治医の許可を得た安定期以降のマタニティ整体は、お腹を直接押したり強い刺激を加えたりしない範囲で行います。ただし妊娠中の身体は通常と異なるリスクが存在するため、主治医への事前相談と施術者への正確な情報提供(週数・合併症の有無・主治医の指示)が不可欠です。当院では施術前に必ず問診票と口頭確認を行っています。
仰向けで施術を受けられない場合はどうなりますか?+
妊娠中期以降は仰向けで気分が悪くなる「仰臥位低血圧症候群」が起こる場合があります。当院では横向き(シムズ位)にクッションや抱き枕を用いた体位で対応しています。「仰向けが苦しい」と感じたら施術中いつでも申し出てください。体位をすぐに変更します。
産後の骨盤矯正はいつから受けられますか?+
経膣分娩の場合は産後3〜4週間を目安に、帝王切開の場合は産後6〜8週間(医師の許可後)を目安にご相談ください。産後は骨盤を支えるリラキシン(妊娠中に分泌される関節を緩めるホルモン)の影響が続き、骨盤の歪みが定着しやすい時期です。産後の腰痛・恥骨の痛みが気になる方はお早めにご相談ください。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9(208件)
※本ページの鍼灸に関する記述は、在籍の鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。
参考文献・出典
1. Wu WH, Meijer OG, Uegaki K, Mens JM, van Dieën JH, Wuisman PI, Ostgaard HC. "Pregnancy-related pelvic girdle pain (PPP), I: Terminology, clinical presentation, and prevalence." Eur Spine J. 2004;13(7):575-589.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15338362/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Wu WH 一致確認済み)
2. Davenport MH, Marchand AA, Mottola MF, Poitras VJ, Gray CE, Jaramillo Garcia A, Sopper MM, Skow RJ, Edwards SM, Meah VL, Slater LG, Adamo KB, Davies GA, Barrowman N, Ruchat SM. "Exercise for the prevention and treatment of low back, pelvic girdle and lumbopelvic pain during pregnancy: a systematic review and meta-analysis." Br J Sports Med. 2019;53(2):90-98.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30337344/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Davenport MH 一致確認済み)

最終更新日:2026年8月7日

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