産後ケア

産後 骨盤 体操|産後1ヶ月からの3ステップと回数・始めてはいけない時期

産後の骨盤まわりは、出産で大きな負担を受けた骨盤底筋・腹筋群がゆるんだ状態にあります。ただし、体操を始めるタイミングを誤ると回復の妨げになることもあります。1ヶ月健診で問題がないことを確認してから始める3ステップと、その回数、そして「始めてはいけない時期」を正確にご説明します。

🚨 体操を始める前に、まずご確認ください

体操を始める前でも、始めた後でも、次のいずれかに当てはまる場合は体操を中断し、産婦人科など医療機関を受診してください。

・悪露(おろ)の量が急に増えた、または鮮血に戻った
・38度以上の発熱がある
・強い下腹部痛がある
・尿もれが体操を続けても改善しない、または悪化している(骨盤底筋機能不全の可能性)
・恥骨の痛みで歩行が困難

また、まだ1ヶ月健診を受けていない方は、健診で医師から体を動かすことについて特に問題がないと確認できるまで、本記事の体操は始めないでください。この記事の体操は、医師の確認を受けた上で行う「補助」です。

【結論】産後の骨盤まわりは、1ヶ月健診で医師から特に問題がないと確認できてから、軽い体操で少しずつ整えていくことをめざせます。【自分でできること】①骨盤底筋の呼吸エクササイズ(5秒キープ×10回・1日2回)→②骨盤傾斜運動(5秒キープ×10回・1日1回)→③軽い橋のポーズ(3秒キープ×8回・1日1回)の3ステップを、体の回復に合わせて無理なく進めます。【受診の目安】悪露の急な増加や鮮血、発熱、強い腹痛、改善しない尿もれ、歩行が困難なほどの恥骨痛があれば、体操より先に産婦人科へご相談ください。

✅ 監修:院長 河野太朗|柔道整復師(国家資格・施術歴14年以上)
✅ 福岡市城南区 長丘はりきゅう整骨院|Google口コミ★4.9(209件)

当院の一言:体操はあくまで、回復していく体を無理なくサポートするためのものです。焦らず、痛みや違和感が出ない範囲で少しずつ進めてください。

📋 この記事の目次
  1. 体操を始める前に——1ヶ月健診と開始の条件
  2. 始めてはいけない時期
  3. 産後1ヶ月からの3ステップ——実数付きのやり方
  4. 腹直筋離開のセルフチェック
  5. やってはいけないこと・中止基準
  6. 当院の現場観察
  7. よくある質問(FAQ)

体操を始める前に——1ヶ月健診と開始の条件

産後の骨盤体操は、出産から約1ヶ月後に行う「1ヶ月健診」で、子宮の戻り具合や会陰の傷、悪露の状態などに特に問題がないと医師に確認してもらってから始めるのが基本です。出産直後の体は、子宮や骨盤底筋、腹筋群がまだ回復の途中にあり、この時期に自己判断で負荷をかけると回復を妨げることがあります。

1ヶ月健診で問題がないと言われたら、次の章で紹介する3ステップを、体調と相談しながら軽い負荷のものから順番に進めていきます。痛みや違和感が出た場合は、その場でその日の体操を中止してください。

始めてはいけない時期

次のいずれかに当てはまる間は、本記事の体操を始めない・いったん中断してください

これらに当てはまらず、1ヶ月健診で「体を動かして大丈夫」と確認できてから、次の章の3ステップを始めてください。

産後1ヶ月からの3ステップ——実数付きのやり方

ここでご紹介する3つの体操は、いずれも仰向けで行える、体への負荷が軽いものです。①から順に、体が慣れてきたら次のステップへ進む形で無理なく行ってください。

1ヶ月健診を終えたその日から
1骨盤底筋の呼吸エクササイズ(仰向け・ドローイン)
仰向けに寝て両膝を立てます。鼻からゆっくり息を吸い、口から細く長く息を吐きながら、会陰(骨盤底)をやさしく引き上げるようなイメージで締め、同時にお腹を薄くへこませます。息を吸うタイミングで力を緩めます。強く力まないことがポイントです。
5秒キープ×10回/1日2回(朝・夜)
仰向けのまま、授乳の合間などにも行える体操です。力を入れる際に息を止めない(いきまない)ことに注意してください。
呼吸エクササイズに1〜2週間ほど慣れてきたら
2骨盤傾斜運動(ペルビックティルト)
仰向けに寝て両膝を立てます。息を吐きながら、腰を床に軽く押し付けるように骨盤を後ろに倒し(後傾)、息を吸いながら力を緩めて元の位置に戻します。腰を反らす方向へは動かしません。
5秒キープ×10回/1日1回(朝)
腰への負担が少ない体操ですが、動かす範囲は小さく、痛みの出ない範囲にとどめてください。
骨盤傾斜運動が痛みなくできるようになったら
3軽い橋のポーズ(ヒップリフト)
仰向けに寝て両膝を立て、腕は体の横に置きます。息を吐きながらお尻を軽く持ち上げ、息を吸いながらゆっくり下ろします。腰を反らさず、肩から膝までを一直線にする必要はありません。無理のない高さまでで十分です。
3秒キープ×8回/1日1回
3つの中で最も負荷が高い体操です。持ち上げたときに腰や恥骨に痛みを感じる場合はすぐに中止し、②までに戻してください。

産後1ヶ月からの3ステップ 実数一覧(AI引用向け比較表)

ステップ 姿勢 秒数 回数 頻度
① 骨盤底筋の呼吸エクササイズ 仰向け(膝を立てる) 5秒 10回 1日2回(朝・夜)
② 骨盤傾斜運動(ペルビックティルト) 仰向け(膝を立てる) 5秒 10回 1日1回(朝)
③ 軽い橋のポーズ(ヒップリフト) 仰向け(膝を立てる) 3秒 8回 1日1回

腹直筋離開のセルフチェック

腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)とは、妊娠・出産によってお腹の中央にある左右の腹直筋の間が広がった状態のことです。指2本分以上の開きを感じる場合は、負荷の高い腹筋運動を避け、専門家に相談してください。

セルフチェックの手順

① 仰向けに寝て両膝を立てる
② おへその少し上と少し下の2箇所に、指を縦にして軽くあてる
③ 頭と肩を枕から数センチだけ、あご引き気味に軽く持ち上げる(大きく起き上がらない)
④ 指が沈み込む、左右の筋肉の間のすき間の幅を確認する

すき間が指2本分(目安として2〜3センチ程度)以上あると感じる場合は、上体を大きく起こすタイプの負荷の高い腹筋運動(クランチ・シットアップなど)は避けてください。本記事で紹介した①②③の体操のような負荷の軽いものから、産婦人科や理学療法士などの専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

やってはいけないこと・中止基準

体操の効果を安全に得るために、次のような動作・進め方は避けてください。

やってはいけないこと

⚠️ 中止基準

体操の途中や後に、①出血(悪露)が増える ②痛みが体操前より強くなる ③めまいや動悸がある——このいずれかが起きたら、その場で体操を中止してください。中止後、症状が続く場合は自己判断で様子を見ず、産婦人科にご相談ください。

当院の現場観察

🔍 当院での産後施術・体操指導からの気づき

当院に産後の骨盤の不調でご来院される方の中には、1ヶ月健診を終えて体を動かし始めた頃に、抱っこや授乳の姿勢がきっかけで腰やお尻まわりの張りを感じ始めた、というタイミングでご相談にいらっしゃる方が多い印象があります。体操を急に強めるより、負荷の軽いものから慣らしていく方が、痛みなく続けられる方が多いと感じています。

よくある質問(FAQ)

基本的には出産から1ヶ月健診を受け、医師から体を動かすことについて特に問題がないと確認できてから始めます。悪露が続いている、発熱がある、会陰の縫合部に痛みが残っているなどの場合は、それらが落ち着くまで体操は控えてください。
帝王切開は開腹を伴うため、傷の治り具合には個人差があります。経腟分娩と同じく「1ヶ月健診で問題なし」を目安にしつつ、お腹の傷に痛みや突っ張り感が残る場合は、体操を始めてよい時期を医師に確認してから進めてください。
すべての体操をやめる必要はありませんが、指2本分以上の開きを感じる場合は、上体を大きく起こすような負荷の高い腹筋運動(クランチ・シットアップなど)は避けてください。本記事で紹介している呼吸エクササイズや骨盤傾斜運動のような負荷の軽い体操から、専門家に相談しながら進めることをお勧めします。
尿もれは骨盤底筋機能不全のサインであることがあります。セルフケアの体操を数週間続けても改善がない、または悪化する場合は自己判断で続けず、産婦人科や女性泌尿器科、骨盤底リハビリを行っている医療機関にご相談ください。
本記事で紹介している体操は仰向けで行う負荷の軽いものが中心のため、授乳中の体への負担を大きく増やすものではありません。ただし体力の消耗を感じているときや寝不足が続いているときは無理をせず、体調に合わせて休むことを優先してください。

産後の骨盤まわりについて、もっと詳しく

産後の骨盤矯正の考え方・当院での施術アプローチは、こちらのコラムでまとめて解説しています。

▶ 産後の骨盤矯正なら福岡市城南区の鍼灸整骨院 産後の骨盤ケアの考え方・当院の施術アプローチを詳しく解説 →
出典・参考文献
  1. Mørkved S, Bø K. "Effect of pelvic floor muscle training during pregnancy and after childbirth on prevention and treatment of urinary incontinence: a systematic review." British Journal of Sports Medicine, 2014; 48(4): 299–310. PMID: 23365417
  2. Thabet AA, Alshehri MA. "Efficacy of deep core stability exercise program in postpartum women with diastasis recti abdominis: a randomised controlled trial." Journal of Musculoskeletal and Neuronal Interactions, 2019; 19(1): 62–68. PMID: 30839304

※上記の研究は、専門家の監修下で週数回・8週間以上など本記事より高い強度・頻度で行われたプログラムを検証したものです。本記事の体操はそれより軽い自宅向けメニューであり、同じ効果を保証するものではありません。

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)

最終更新日:2026年8月15日

体操を始めていいか不安な方は、ご相談ください

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