五十肩 鍼灸 福岡市城南区|凍結肩・夜間痛に鍼が向く理由と通う回数の目安
「夜、寝返りのたびに肩がズキッとして目が覚める。整形外科では『五十肩ですね、様子を見ましょう』と言われたけれど、このまま待つだけでいいんでしょうか。鍼って、五十肩に効くんですか?」
この質問への答えを、先に数字でお示しします。五十肩(凍結肩・肩関節周囲炎)への鍼治療については、13の研究を統合したシステマティックレビュー・メタ解析(Ben-Arie E et al. 2020)で、短期〜中期の痛みの軽減・肩機能・屈曲可動域の改善が対照群より有意に優れていたと報告されています。さらに、運動療法だけを行った群と「運動療法+鍼」を行った群を比べたランダム化比較試験(Sun KO et al. 2001)では、6週後の肩スコア改善率が運動単独39.8%に対し、鍼を加えた群は76.4%(p=0.048)。この差は20週後の再評価でも維持されていました。
もう一つ、意外と知られていない事実があります。鍼灸で健康保険(療養費)が使える対象6疾患の中に、五十肩は正式に含まれています(医師の同意書が必要)。国の制度が鍼灸の対象疾患として五十肩を明記している——これは、五十肩と鍼灸の相性を考えるうえで大きな手がかりです。
当院は、柔道整復師(国家資格)の院長・河野太朗と、国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が在籍。整骨の手技と鍼灸を、それぞれの国家資格者が連携して組み立てる複合アプローチで対応します。
この記事では、福岡市城南区の長丘はりきゅう整骨院で五十肩の鍼灸を担当する、在籍の鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修のもと、「凍結肩に鍼は効くのか」「夜間痛はどうするか」「何回通えば動くのか」「病院のリハビリと併用できるか」「保険は使えるか」という5つの疑問に、研究データ(PMID付き)を照合しながらお答えします。なお、五十肩そのものの全体像(定義・四十肩との違い・3つのステージ)は五十肩の総合コラムで詳しく解説しています。本記事は「鍼灸でどう対処するか」に絞った特化版です。
✅ 国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)在籍(複数名)
✅ 院長 河野太朗|柔道整復師(国家資格・施術歴14年)
✅ 健康雑誌『わかさ』掲載
✅ Google★4.9(205件)
凍結肩(五十肩)に鍼は効く?
結論から言うと、「痛み」「肩機能」「屈曲(腕を前から上げる動き)の可動域」については、複数の研究を統合した解析で改善の報告があります。
2020年に発表されたBen-Arieらのシステマティックレビュー・メタ解析(Evid Based Complement Alternat Med, 2020)は、五十肩(凍結肩)への鍼治療を検討した13の研究を統合し、次の結果を報告しました。
- 痛み(VASスコア):鍼治療群で有意に軽減
- 肩機能(Constant-Murleyスコア):鍼治療群で有意に改善
- 屈曲の可動域:鍼治療群で有意に改善(短期〜中期)
一方で、誠実にお伝えしておきたい点もあります。同じ解析で、外旋(腕を外にひねる動き)・外転(腕を横から上げる動き)の可動域については有意差が示されませんでした。つまり「鍼を打てば何もかも良くなる」わけではなく、固まった関節包の動きを取り戻す部分は、運動療法やストレッチとの組み合わせが欠かせない、ということです。当院が鍼単独ではなく「鍼灸×手技×運動指導」の複合で組み立てる理由も、まさにここにあります。
なぜ五十肩に鍼がアプローチできるのか
五十肩の痛みには、関節包の炎症だけでなく、痛みをかばい続けたことによる肩周囲の筋肉(腱板・三角筋・肩甲骨まわり)の過緊張と血流低下が重なっています。鍼は0.16〜0.25mm程度の細さで、手では届きにくい深部の筋肉に直接アプローチし、筋緊張の緩和と局所血流の改善を図れるのが特徴です。また、鍼刺激が体内の内因性鎮痛物質(β-エンドルフィンなど)の分泌を促すことが知られており、痛みそのものの感じ方を和らげる方向にも働きかけます。
なお、「肩が痛い・腕がしびれる」という訴えの中には、五十肩ではなく首(頸椎)由来の症状が紛れていることがあります。手や腕のしびれを伴う方は頸椎症・ストレートネックのコラムもあわせてご覧ください。当院では初回の検査で肩由来か首由来かを見極めてから施術方針を決めます。
夜間痛で眠れないとき、鍼に何ができる?
五十肩のつらさの核心は、日中の動作痛よりも「夜、痛みで眠れない」夜間痛だという方が少なくありません。夜間痛は炎症期(発症〜数か月)に強く出やすく、横向きに寝て肩が圧迫されたり、寝返りで関節包が引き伸ばされたりするたびに目が覚めてしまいます。
この時期に大切なのは、「肩を無理に動かして可動域を広げようとしないこと」です。炎症期に強いストレッチやぐいぐい動かす施術を行うと、かえって炎症を刺激してしまうことがあります。ここで鍼の特性が活きます。
- 関節を大きく動かさずに施術できる——炎症期でも負担をかけにくいアプローチが可能
- 内因性鎮痛の活用——鍼刺激によるβ-エンドルフィン等の分泌促進で、痛みの閾値に働きかける
- 周囲筋の緊張緩和——痛みをかばって固まった三角筋・僧帽筋・肩甲骨まわりを緩め、二次的な痛みを減らす
- 刺激量の微調整——痛みに敏感な時期は、患部から離れたツボや浅い刺激を選択できる
当院では夜間痛が強い時期の方に、施術と合わせて眠りやすい姿勢の工夫(抱き枕やクッションを使って腕を軽く体の前に置く・痛い側を下にしない等)もお伝えしています。「眠れるようになること」は回復の土台づくりでもあります。
⚠️ 次のような場合は五十肩以外の病気の可能性があるため、先に医療機関の受診をおすすめします:安静にしていてもズキズキと痛みが増し続ける/発熱を伴う/外傷(転倒・強打)の後から急に腕が上がらなくなった(腱板断裂の疑い)/胸の痛みや息苦しさを伴う。当院でも初回検査で気になる所見があれば、医療機関の受診を優先してご案内します。
何回くらい通えば肩は動くようになる?
「何回で良くなりますか?」——正直にお答えすると、病期(ステージ)によって目安が大きく変わります。研究データと当院の進め方を合わせてご紹介します。
参考になるのが、電気鍼を用いたランダム化比較試験(Cheing GL et al. J Rehabil Med, 2008)です。この研究では凍結肩の患者70名を、①電気鍼+運動療法、②干渉波電気療法+運動療法、③無治療の3群に分け、①②には4週間で計10回の施術を実施。その結果、①②とも無治療群と比べて痛み(VAS)と肩機能(Constant-Murleyスコア)が有意に改善しました(p<0.001)。
この「4週間・10回程度」という区切りは、一つの現実的な目安になります。当院では次のような組み立てでご提案しています。
| ステージ | 施術の主目的 | 通院ペースの目安 |
|---|---|---|
| 炎症期 (発症〜数か月) |
痛み・夜間痛の管理。鍼+必要に応じてハイボルト電気療法。無理に動かさない | 週1〜2回 まず4〜6週で経過評価 |
| 拘縮期 (数か月〜) |
固まった肩の可動域回復。鍼+灸・温熱+手技+運動指導の複合 | 週1回前後を数か月 自宅での振り子運動を併用 |
| 回復期 | 再発しにくい肩づくり。肩甲骨・姿勢へのアプローチ、セルフケア移行 | 2週に1回→月1回へ 段階的に卒業 |
五十肩は自然経過でも回復に1年以上かかることが珍しくない疾患です。だからこそ、「4〜6週ごとに変化を数字(可動域・夜間痛の頻度)で確認しながら進める」ことを当院ではお約束しています。3つのステージそれぞれの詳しい特徴は五十肩の総合コラムをご覧ください。
病院のリハビリ・注射と併用できる?
併用できます。むしろ、研究データは「併用」にこそ分があることを示しています。
香港で行われたランダム化比較試験(Sun KO et al. Hong Kong Med J, 2001)では、凍結肩の患者35名を「運動療法のみ」の群と「運動療法+鍼」の群に分けて6週間治療し、評価者を盲検化して肩スコア(Constant Shoulder Assessment)を比較しました。結果は次の通りです。
6週後のスコア改善率:運動単独 39.8% / 鍼を加えた群 76.4%(p=0.048)
20週後の再評価:運動単独 40.3% / 鍼を加えた群 77.2%(p=0.025)——差は維持
つまり、鍼は運動療法(リハビリ)の「代わり」ではなく、リハビリの効果に上乗せを狙う組み合わせの選択肢として考えるのが、データに沿った位置づけです。整形外科でリハビリや注射(ヒアルロン酸・ステロイド等)を受けている方も、そのまま並行してご相談いただけます。
- 整形外科の診断・注射・投薬は続けたまま、鍼灸を並行してOK
- 初回問診で通院状況・注射や服薬の内容を必ずお知らせください
- 医師の治療方針と食い違いが出ないよう、主治医との併行を前提にご案内します
- 「病院では肩、でも実は首や肩こりも」という方には、鍼の得意分野である肩こりへの鍼治療も組み合わせられます
五十肩の鍼灸に保険は使える?
条件を満たせば使えます。鍼灸で健康保険(療養費)を使うには医師の同意書が必要で、対象となるのは次の6疾患です。
- 神経痛
- リウマチ
- 頸腕症候群
- 五十肩 ← 対象に明記されています
- 腰痛症
- 頸椎捻挫後遺症
手順はシンプルです。①かかりつけ医(整形外科等)に同意書を書いてもらう → ②同意書を持って当院へ → ③保険適用で鍼灸の施術を受ける、という流れになります。同意書の用紙は当院でお渡しできますし、「主治医にどう相談すればいいか分からない」という方には伝え方からご案内します。同意書には有効期間があり、継続する場合は再同意が必要になる点もサポートしますのでご安心ください。
費用の詳細・自費メニューとの違いは料金ページをご覧いただくか、LINE・お電話でお気軽にお尋ねください。
出典・科学的根拠まとめ(PMID付き)
Ben-Arie E, Kao PY, Lee YC, Ho WC, Chou LW, Liu HP. "The Effectiveness of Acupuncture in the Treatment of Frozen Shoulder: A Systematic Review and Meta-Analysis." Evid Based Complement Alternat Med. 2020;2020:9790470.
凍結肩への鍼治療を検討した13研究を統合。痛み(VAS)・肩機能(Constant-Murleyスコア)・屈曲可動域において、短期〜中期で鍼治療群が有意に優れることが示された。外旋・外転可動域では有意差なし。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33062030/(PMID: 33062030)
Sun KO, Chan KC, Lo SL, Fong DY. "Acupuncture for frozen shoulder." Hong Kong Med J. 2001;7(4):381-391.
凍結肩患者35名を運動療法群と運動療法+鍼群に無作為割付し、盲検化した評価者がConstant Shoulder Assessmentで評価。6週後の改善率は運動単独39.8%に対し鍼併用76.4%(p=0.048)、20週後も40.3% vs 77.2%(p=0.025)と差が維持された。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11773673/(PMID: 11773673)
Cheing GL, So EM, Chao CY. "Effectiveness of electroacupuncture and interferential electrotherapy in the management of frozen shoulder." J Rehabil Med. 2008;40:166-170.
凍結肩患者70名を電気鍼+運動療法/干渉波+運動療法/無治療の3群に無作為割付。4週間・計10回の施術で、無治療群と比べ痛み(VAS)と肩機能(Constant-Murleyスコア)が有意に改善(p<0.001)。
出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18292916/(PMID: 18292916)
※上記はいずれも研究報告であり、効果の現れ方には個人差があります。当院の施術は「治療効果を保証するもの」ではなく、研究で報告されたアプローチを、お一人おひとりの状態に合わせて組み立てるものです。
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このコラムをお読みの方には、こちらの専門施術ページが特に役立ちます。鍼灸×整骨×城南区の当院ならではの複合アプローチをご案内します。
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よくある質問(五十肩×鍼灸)
2. Sun KO, Chan KC, Lo SL, Fong DY. "Acupuncture for frozen shoulder." Hong Kong Med J. 2001;7(4):381-391. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11773673/
3. Cheing GL, So EM, Chao CY. "Effectiveness of electroacupuncture and interferential electrotherapy in the management of frozen shoulder." J Rehabil Med. 2008;40:166-170. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18292916/
本記事は国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が監修しています。院長 河野太朗は柔道整復師であり、鍼灸の施術は在籍の鍼灸師(はり師・きゅう師)が担当します。