鵞足炎 鍼灸 福岡市城南区|膝の内側の痛み・階段や走り出しで痛む膝に鍼で何ができるか

変形性膝関節症を対象にした10件の無作為化比較試験3221名のまとめでは、鍼は偽鍼と比べて治療終了後4.5ヶ月まで痛みと機能の改善が続く可能性が示されました。ただし運動療法に鍼を足しても、運動療法だけの群には優りませんでした(鵞足炎そのものを調べた研究ではありません)。
膝の内側、お皿の下から指3〜4本ぶん下のあたりが、階段を下りるときや走り出しにズキッと痛む。
湿布と安静でいったんおさまったのに、走る距離を戻すと同じ場所がまた痛みだす。
このページでは、鍼にできることとできないことを先に書きます。鵞足は皮膚のすぐ下にある浅い場所なので、ここは鍼が届く範囲です。一方で、膝の関節の中や軟骨そのものは鍼の対象ではありません。
膝が腫れて熱をもっている、体重をかけられない、曲げ伸ばしの途中で急に動かなくなるという出方の方は、鍼に進む前に整形外科での確認をお願いします。
| 保険の適用 | 膝の内側の張りへの鍼灸は自費です 料金は料金ページをご覧ください。画像を撮って状態を確かめること、その所見から治療を決めることは医科の領域で、当院の施術とは区分が異なります。 |
| 通院の目安 | 痛めた直後は約1ヶ月・週2〜3回、シーズンをまたいで続いている場合は3〜6ヶ月・週1〜2回が目安です(状態により変わります) 走り続けたい方が多いため、練習日との間隔も一緒に決めます。施術時間は初診60〜90分、2回目以降30〜60分です。 |
| 受診の目安 | 腫れて熱をもっている/体重をかけられない/曲げ伸ばしの途中で止まる/膝くずれが起きる/発熱を伴う → 先に整形外科へ 膝の内側の痛みは、内側半月板の問題と見分けがつきにくいことが報告されています。 |
| 統計データ | 膝に変形性関節症のある女性157名314膝を調べた研究では、58.3%にあたる183膝で鵞足の腱・滑液包の症候群が臨床的に診断された(Toktas H ら, Mod Rheumatol. 2015) トルコの1施設で女性のみを対象にした研究のため、男性や変形のない膝にそのまま当てはまる数字ではありません。 |
- 膝が腫れて熱をもっている、赤くなっている
- 体重をかけて立てない、歩けないほど痛む
- 膝が引っかかって伸びきらない、急に動かなくなる
- 階段や方向転換で膝がガクッと崩れる
- 発熱を伴っている
- 転倒や強い接触のあとから痛みが始まった
- 夜間に痛みで目が覚める、安静にしていても痛む
気になる項目が1つでもあれば、鍼を始める前にまず整形外科の診察を受けてください。
膝の動きと痛む高さの確認は柔道整復師・国家資格の院長 河野太朗が担当します。鍼とお灸は在籍のはり師・きゅう師(国家資格)が担当します。危険サインに当てはまる、または半月板や軟骨の問題が疑われる場合は、鍼には入らず整形外科へおつなぎします。
痛む高さ(お皿の下から指何本ぶん下か)・走る距離・整形外科で言われた内容をお知らせいただけると、初回の確認が短い時間で済みます
- 鵞足炎で鍼を考えている方の膝は、こんな痛み方をしていませんか?
- なぜ、膝の内側の痛みは鍼だけで終わらないのですか?
- 鵞足炎に鍼で何ができて、研究では何が分かっているのですか?
- 鍼の効果はどれくらい続くのですか?
- 鍼はどこに当てるのですか?
- 鵞足炎の鍼灸は、当院ではどこを確かめてから始めますか?
- 走り続けたい方に、当院が備えているものは何ですか?
- 医師・専門家・メディアからの評価
- 鵞足は3つの筋が集まる場所なのに、なぜ同じ1か所が痛むのですか?
- 鍼と運動、どちらを先にやるべきですか?
- 膝の内側の痛みで、急いで医療機関に相談すべきなのはどんなときですか?
- 鵞足炎は整形外科と鍼灸院、どちらが先ですか?
- 鵞足炎の鍼灸は健康保険が使えますか、自費になりますか?
- 鵞足炎の鍼灸は、何回くらい通えばいいのですか?
- よくある質問(FAQ)
- 膝・脚に関係する他の症状ページ
鵞足炎で鍼を考えている方の膝は、こんな痛み方をしていませんか?
- 膝のお皿の下から指3〜4本ぶん下、内側のでっぱりのあたりを押すと痛い
- 階段を下りるときだけ、膝の内側にズキッと響く
- 走り出しの数分が痛く、温まると軽くなり、翌朝また痛い
- 自転車をこぐ、車の乗り降りで脚を閉じる動きがつらい
- 湿布と安静でいったん引いたが、距離を戻すと同じ場所が痛む
- 整形外科でレントゲンを撮り「骨は問題ない」と言われたまま痛みが残っている
- 内側半月板を疑われたが、検査では大きな損傷はないと言われた
- 膝のケアはしているが、股関節や足首は触ってもらったことがない
「大会が近いので休みたくない」という段階でも構いません。痛む高さ・走る距離・整形外科で言われた内容をLINEに書いて送ってください。鍼に進んでよい状態か、先に医療機関への確認が必要かをお返しします。
LINEで症状を相談する(無料)なぜ、膝の内側の痛みは鍼だけで終わらないのですか?
鵞足に負担を集めている膝から上と下の使い方が、鍼では変わらないためです。鍼は張っている組織に届きますが、脚の使い方を作り直すのは運動の役目です。当院は鍼を「動かせる状態に戻すための入口」として位置づけています。
この点は研究の数字にもはっきり出ています。膝の変形性関節症を対象にしたまとめでは、運動療法に鍼を足した群は、運動療法だけの群に対して優位を示しませんでした(治療終了後11.25ヶ月まで追跡・下の表[1]の解析)。
一方で、運動療法を行っていない相手との比較では、鍼は治療終了後も数ヶ月にわたって差を保っています。つまり鍼は「何もしないより良いが、運動の代わりにはならない」という読み方になります。
もう一つ知っておいていただきたいことがあります。この症状は病態そのものが定まっていません。総説では、滑液包の炎症なのか腱の問題なのか両方なのか、画像で調べても決着しておらず、構造的な原因はほとんど分かっていないと整理されています(Helfenstein M Jr, Kuromoto J, Rev Bras Reumatol. 2010)。
| 繰り返す理由 | 体で起きていること | 鍼にできること |
|---|---|---|
| 張りが戻る | 鵞足に付く3つの筋が、走る・階段・脚を閉じる動作のたびに引っ張られる | 張っている筋と付着部は浅い位置にあり、鍼の届く範囲です |
| 脚の使い方が変わらない | 股関節でお尻の筋が使えず、膝の内側で受け止めている | 鍼で痛みが軽い時間を作り、その間に運動へ進みます。運動の代わりにはなりません |
| 膝の形の影響 | 膝が外向き(外反)に傾いていると内側に負担が寄りやすい | 骨の傾きそのものは変わりません。負担を受けている筋に働きかけます |
| 関節の中の問題 | 半月板や軟骨が傷んでいる場合がある | 鍼の対象外です。画像での確認は整形外科の領域です |
鵞足炎に鍼で何ができて、研究では何が分かっているのですか?
正直に申し上げると、鵞足炎だけを対象に鍼を検証した質の高い試験は見つかっていません。近い研究は、同じ膝の痛みである変形性膝関節症を対象にしたもので、しかも結論が割れています。効いたという報告と、偽鍼と差がなかったという報告の両方をお伝えします。
まず、どれくらいの人が抱えているかです。両膝に変形性膝関節症があると診断された女性157名(314膝)と、年齢と体格を合わせた痛みのない女性30名(60膝)を超音波で比べた研究では、314膝のうち183膝で、鵞足の腱・滑液包の症候群が臨床的に診断されました(58.3%)。
鵞足の腱付着部の厚みは、対照群より有意に厚く(p=0.001)、変形の程度が進んだ膝ほど厚い傾向がありました(p<0.05)。トルコの1施設で行われ、対象は膝に変形のある女性に限られています(Toktas H ら, Mod Rheumatol. 2015)。
膝痛全体の中では多い症状ではありません。膝の痛みで整形外科を受診しMRIを撮った509膝を後方視的に見直した調査では、画像で鵞足の滑液包炎が見つかったのは2.5%でした。最も多い臨床像は内側の関節のすき間に沿った痛みで、内側半月板の断裂に似ていたと報告されています(Rennie WJ, Saifuddin A, Skeletal Radiol. 2005)。
次に、鍼の数字です。ここで結論が割れます。香港で行われた無作為化比較試験では、変形性膝関節症の患者86名を、浅く刺す鍼の群と、皮膚を貫かない偽鍼の群に分け、4週間で10回の施術を行いました。
4週後の痛みの点数(100mmのものさし)は、鍼群が−30.8、偽鍼群が−26.7とどちらも大きく下がりましたが、両群の差は−4.1で有意ではありませんでした(p=0.431)。10週後の差も−2.2(p=0.699)でした。著者は「4週間の鍼は皮膚を貫かない偽鍼に優らない」と結論しています(Lam WC ら, Am J Med. 2021)。
一方で、期間を長く見ると別の姿が出ます。10件の無作為化比較試験・3221名をまとめた解析では、偽鍼と比べた場合、治療が終わってから4.5ヶ月の時点まで機能と全体的な痛みの改善が続く可能性が示されました。通常のケアと比べると5ヶ月、ジクロフェナクと比べると6ヶ月まで差が保たれています。
ただし同じ解析で、運動療法に鍼を足した群は、偽鍼+運動療法の群にも運動療法だけの群にも優りませんでした(11.25ヶ月まで追跡)。有害事象は少なく、安全性は良好とされています(Chen H ら, Curr Pain Headache Rep. 2024)。
当院の立場です。鵞足炎そのものを調べた鍼の試験はなく、近い研究でも短期では偽鍼と差がつかず、長期では差が出て、運動と組み合わせると差が消えています。数字はそういう状態です。
ですから当院は、鍼を運動へ進むための入口として位置づけ、痛みが軽くなった段階で脚の使い方を作り直す側に移ります。
| 研究名 | 対象人数 | 結果(限界含む) | 出典 |
|---|---|---|---|
| Chen H ら 2024(Curr Pain Headache Rep・システマティックレビュー/メタ解析) | 変形性膝関節症 10試験・3221名 | 偽鍼比で治療終了後4.5ヶ月まで機能と痛みの改善が続く可能性。通常ケア比5ヶ月、ジクロフェナク比6ヶ月。運動療法への上乗せでは、偽鍼+運動や運動単独に優らず。限界:鵞足炎ではなく変形性膝関節症が対象・試験ごとのばらつきあり。 | [1] |
| Lam WC ら 2021(Am J Med・無作為化比較試験) | 変形性膝関節症 86名(香港) | 4週後の痛みは鍼群−30.8・偽鍼群−26.7で両群差−4.1(p=0.431)=有意差なし。10週後も−2.2(p=0.699)。限界:浅刺鍼に限った検証・86名・4週間のみ・鵞足炎ではない。 | [2] |
| Toktas H ら 2015(Mod Rheumatol・横断研究) | 変形性膝関節症の女性157名(314膝)+対照30名(60膝) | 314膝中183膝(58.3%)に鵞足の腱・滑液包症候群。腱付着部の厚みは対照より有意に厚い(p=0.001)。限界:女性のみ・変形性膝関節症のある膝に限定・臨床診断・単一施設。 | [3] |
| Rennie WJ, Saifuddin A 2005(Skeletal Radiol・後方視的レビュー) | 膝痛でMRIを撮った509膝(488名) | MRIで鵞足滑液包炎が見つかったのは2.5%。最多の臨床像は内側半月板断裂に似た内側関節裂隙の痛み。限界:MRIを撮るほどの症状がある膝が母集団・1施設・後方視的。 | [4] |
| Alvarez-Nemegyei J 2007(J Clin Rheumatol・症例対照研究) | 患者22名(全員女性・62.1±11.5歳)+対照38名(メキシコ) | 外反膝がリスク(OR 5.2・95%CI 1.1-25.5)、側副靭帯の不安定性との併存でOR 6.0。糖尿病・変形性膝関節症・肥満とは差がなかった。限界:22名のみ・全員女性・単一施設。 | [5] |
| Helfenstein M Jr, Kuromoto J 2010(Rev Bras Reumatol・総説) | 対象人数の記載なし(文献レビュー) | 滑液包炎か腱炎か両方かは画像でも決着せず、構造的な原因はほとんど分かっていない。治療は消炎鎮痛薬・理学療法・ステロイド注射で、回復までの期間は10日〜36ヶ月ときわめてばらつく。限界:総説で新規データではない。 | [6] |
鍼の効果はどれくらい続くのですか?
近い研究では治療が終わったあと3〜6ヶ月という数字が出ています。ただしこれは変形性膝関節症での数字で、鵞足炎そのものの数字ではありません。また運動療法と併用した場合には、この差が消えています。
10件の試験・3221名をまとめた解析では、比べる相手によって持続期間が変わりました。偽鍼と比べて4.5ヶ月、通常のケアと比べて5ヶ月、消炎鎮痛薬と比べて6ヶ月です(Chen H ら, 2024)。
一方で、無治療と比べた試験では結果が分かれています。ある大規模な試験では3ヶ月持続しましたが、別の試験では治療終了時にしか差がなく、9ヶ月後には差がありませんでした。
当院がこの数字をお伝えするのは、「何回か受けたら終わり」とも「ずっと通い続けてください」とも言わないためです。数ヶ月は保ちうるが、そこから先は脚の使い方しだい、というのが数字の読み方だと考えています。
「膝の内側」と言って来られる方でも、触って確かめると痛みの出どころが鵞足ではなく、内側の関節のすき間そのものだったという方がいます。押して痛い高さが指1〜2本ぶん違うだけで、進め方が変わります。
※当院での施術を通じた実感であり、統計として集計したものではありません。
鍼はどこに当てるのですか?
鵞足は皮膚のすぐ下にある浅い場所です。3つの筋がすねの内側に集まって付いており、ここは体の表面から触って確かめられます。当院が鍼を用いるのはこの範囲と、その3つの筋をたどった太ももの内側・裏側です。
鵞足に付く3つの筋は、骨盤の前から来るもの、内ももから来るもの、坐骨から来るものです。出発点がそれぞれ違うので、痛みの出どころも1本に決まりません。触って張りの強い筋を確かめてから決めます。
膝の関節の中、半月板、軟骨そのものは鍼の対象にしていません。この中の状態は外から触って分かるものではなく、整形外科の画像検査が必要です。
また、膝の内側には皮膚の感覚を担う細い神経が通っています。鍼を用いる位置はこの走行を避けて選びます。
| 場所 | 当院の扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 鵞足の付着部(すねの内側) | 鍼を用いる範囲 | 皮膚のすぐ下にあり、押して痛む場所を特定できます |
| 太ももの内側の筋 | 鍼を用いる範囲 | 鵞足に付く筋のひとつで、脚を閉じる動作で引っ張られます |
| 太ももの裏側の筋 | 鍼を用いる範囲 | 同じく鵞足に付き、走るときに強く働きます |
| お尻の筋 | 鍼を用いる範囲 | ここが使えていないと、膝の内側で負担を受け止めることになります |
| 膝関節の中・半月板・軟骨 | 施術の対象外 | 画像で確かめる領域で、整形外科が担います |
鵞足炎の鍼灸は、当院ではどこを確かめてから始めますか?
最初に確かめるのは危険サインの有無と、痛む「高さ」です。膝の内側の痛みは、関節のすき間そのものと鵞足で原因が分かれます。押して痛む高さを特定してから、鍼を使う場所を決めます。
保険の可否や相談だけのご来院についても遠慮なくお尋ねください。膝の内側の張りへの鍼灸は自費で、料金は料金ページに掲載しています。
走り続けたい方に、当院が備えているものは何ですか?
練習の予定を崩さずに通える受付時間と通いやすさです。日曜・祝日も20時まで受付しているため、週末に大会がある方も練習後に来院できます。
- 国家資格者のみが担当します:膝の確認は柔道整復師、鍼とお灸ははり師・きゅう師が担当します。
- 痛む高さを分けてから決めます:関節のすき間か鵞足かを触って特定します。
- 膝だけを見ません:お尻の筋と足首の動きまで確かめます。負担の出どころが膝の外にあることがあるためです。
- 日曜・祝日も20時まで受付:大会や練習のあとに来られます。水曜は定休です。
- 西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分・駐車場4台:部活や仕事の合間にも寄りやすい場所です。
- LINEで事前に相談できます:痛む高さと走る距離を送っていただければ、来院前にお返しします。
医師・専門家・メディアからの評価
当院の施術は、医師・アスリート・同業の先生からも評価をいただいています。
詳しい推薦の内容とメディア掲載の実績は掲載実績ページに、院長の経歴は院長紹介ページにまとめています。
鵞足は3つの筋が集まる場所なのに、なぜ同じ1か所が痛むのですか?
出発点の違う3つの筋が、すねの内側の狭い一点に重なって付いているためです。どの筋が張っても同じ場所に力が集まるので、痛む場所は1か所になります。
3つの筋は、骨盤の前・内もも・坐骨と、それぞれ別の場所から始まります。担っている役割も、脚を前に出す、閉じる、膝を曲げると違います。
ところが終点は同じで、すねの内側に扇状に重なって付きます。この形がガチョウの足に似ていることから鵞足と呼ばれます。
つまり走る・階段を下りる・脚を閉じるというどの動作でも、最後は同じ一点に負担が集まります。押して痛い場所が動かないのはこのためです。
リスク因子を調べた症例対照研究では、膝が外向きに傾いている状態(外反膝)がリスクとして挙げられました(オッズ比5.2・95%信頼区間1.1〜25.5)。その一方で、糖尿病や肥満、膝の変形の程度には差が出ませんでした。ただし患者22名・全員女性の小さな研究です(Alvarez-Nemegyei J, J Clin Rheumatol. 2007)。
鍼と運動、どちらを先にやるべきですか?
痛みで動かせないなら鍼が先、動かせるなら運動が主役です。研究では、運動療法に鍼を足しても運動療法だけの群に優らなかったと報告されています。鍼の役目は、運動に進める状態を作ることだと考えています。
この順番を当院が決めているのは、数字がそう示しているからです。運動と併用した場合の上乗せ効果は確認されておらず、一方で運動をしていない相手との比較では鍼に差が出ています(同じ解析より)。
読み替えると、鍼が効いて見える場面は「まだ運動ができていないとき」です。痛くて動かせない時期を短くできれば、その分だけ早く運動に移れます。
なお、回復までの期間には大きな幅があります。総説では10日で戻る方から36ヶ月かかった方まで報告されていると整理されています(Helfenstein M Jr, Kuromoto J, Rev Bras Reumatol. 2010)。短期で判断せず、経過を見ながら進め方を変えます。
膝の内側の痛みで、急いで医療機関に相談すべきなのはどんなときですか?
腫れや熱をもっているとき、体重をかけられないとき、膝が引っかかるときです。この場合は鍼より先に整形外科の診察を受けてください。
- 膝が腫れて熱をもっている、赤くなっている
- 体重をかけて立てない、歩けないほど痛む
- 膝が引っかかって伸びきらない、急に動かなくなる
- 階段や方向転換で膝がガクッと崩れる
- 発熱を伴っている
- 転倒や強い接触のあとから痛みが始まった
とくに膝の内側の痛みは、内側半月板の問題と見分けがつきにくいことが報告されています。MRIの調査でも、鵞足の滑液包炎の最も多い臨床像が「内側半月板の断裂に似た痛み」でした(Rennie WJ, Saifuddin A, Skeletal Radiol. 2005)。引っかかりや膝くずれがある場合は、画像での確認が先になります。
鵞足炎は整形外科と鍼灸院、どちらが先ですか?
まだ画像を撮っていない方、上の危険サインに当てはまる方は整形外科が先です。すでに画像で半月板や軟骨の大きな問題がないと確認済みで、痛みが残っている段階であれば、当院の鍼灸もご相談いただけます。
整形外科では、レントゲンやMRIで骨・半月板・軟骨の状態を確かめることができます。膝の内側の痛みは原因の候補が複数あるため、画像で除外できるものを先に除外しておくほうが、その後の進め方が決めやすくなります。
当院が扱うのは、そうした確認を経たうえで残っている筋と付着部の張り、そして脚の使い方の課題です。整形外科の受診をやめていただくことを前提にはしていません。
鵞足炎の鍼灸は健康保険が使えますか、自費になりますか?
当院の膝の内側の張りに対する鍼灸は自費です。料金は料金ページに掲載しています。
画像での確認や、その結果にもとづく治療方針の決定は医科で行われるもので、当院の施術とは区分が異なります。どこまでが当院の範囲で、どこからが医療機関の範囲かは、初回に線を引いたうえでご説明します。
初回にかかる時間と費用の見通しは、施術に入る前にお伝えします。相談だけで帰られても構いません。
鵞足炎の鍼灸は、何回くらい通えばいいのですか?
痛めた直後であれば約1ヶ月・週2〜3回、長く続いている場合は3〜6ヶ月・週1〜2回が当院での目安です(状態により変わります)。
回数に幅があるのは、痛みが軽くなるまでの期間と、脚の使い方を作り直す期間が別だからです。前者は比較的早く変わることがありますが、後者には時間がかかります。
走り続けながら通う方の場合、距離と路面によっても進み方が変わります。大会の予定を伺いながら、施術の間隔を一緒に決めていきます。
施術時間は初診が60〜90分、2回目以降が30〜60分です。初診が長いのは、危険サインの確認と痛む高さの特定に時間を使うためです。
よくある質問(FAQ)
膝の内側の痛みを、
走るたびに戻る痛みで終わらせないために
樋井川・長尾・別府といった城南区内のほか、南区・早良区からもお越しいただいています。まず伺うのは痛む高さと整形外科での確認内容なので、鍼が初めての方も身構えずにどうぞ。
福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台
月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
- Chen H, Shi H, Gao S, et al. "Durable Effects of Acupuncture for Knee Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-analysis." Current Pain and Headache Reports, 2024;28(7):709-722.(変形性膝関節症を対象とした無作為化比較試験10件・3221名のシステマティックレビュー/メタ解析。治療終了後の各時点で評価。偽鍼との比較で治療終了後4.5ヶ月まで機能と全体的疼痛の改善が持続する可能性、通常ケアとの比較で5ヶ月、ジクロフェナクとの比較で6ヶ月まで臨床的に重要な疼痛軽減と機能改善。無治療との比較では、大規模試験1件が3ヶ月持続を示した一方、別の試験では治療終了時のみで9ヶ月後には差を認めず。運動療法への併用では、偽鍼+運動療法および運動療法単独に対して優位性を示さなかった(治療終了後11.25ヶ月まで)。安全性は良好。対象は変形性膝関節症であり鵞足炎ではない)|PMID: 38635021|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38635021/
- Lam WC, Au KY, Qin Z, et al. "Superficial Needling Acupuncture vs Sham Acupuncture for Knee Osteoarthritis: A Randomized Controlled Trial." The American Journal of Medicine, 2021;134(10):1286-1294.e2.(変形性膝関節症患者86名を1:1で浅刺鍼群と非穿刺の偽鍼群に無作為割付(2017年6月〜2019年1月・香港)。4週間で10回施術し6週間追跡。主要評価項目は4週時点の100mm視覚的アナログスケールの変化。鍼群−30.8(95%CI −38.2〜−23.0)、偽鍼群−26.7(95%CI −34.4〜−18.8)で両群とも有意に低下したが、群間差は−4.1(95%CI −14.4〜6.2・P=0.431)で有意差なし。10週時点の群間差も−2.2(95%CI −13.1〜8.8・P=0.699)。WOMAC下位尺度・SF-36にも群間差なし。有害事象は鍼群4.4%・偽鍼群0.8%でいずれも軽度。著者結論「4週間の鍼は非穿刺の偽鍼に優らない」。浅刺鍼に限った検証であり、また鵞足炎ではない)|PMID: 34126097|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34126097/
- Toktas H, Dundar U, Adar S, et al. "Ultrasonographic assessment of pes anserinus tendon and pes anserinus tendinitis bursitis syndrome in patients with knee osteoarthritis." Modern Rheumatology, 2015;25(1):128-133.(両膝に変形性膝関節症と診断された女性157名(314膝)と、年齢・BMIを一致させた膝痛のない健常女性30名(60膝)を超音波で評価。314膝中183膝(58.3%)に鵞足腱炎滑液包炎症候群を臨床診断。KellgrenとLawrenceの分類1〜4のいずれでも鵞足腱付着部の平均厚は対照より有意に大(p=0.001)、KL 3・4はKL 1・2より厚い(p<0.05)。症候群のある膝は滑液包炎が多くVASも高い(p<0.05)。腱の厚みはKLグレード(r=0.336, p=0.001)および症候群の有無(r=0.371, p<0.001)と有意に関連。女性のみ・変形性膝関節症のある膝に限定した単一施設の横断研究)|PMID: 25036227|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25036227/
- Rennie WJ, Saifuddin A. "Pes anserine bursitis: incidence in symptomatic knees and clinical presentation." Skeletal Radiology, 2005;34(7):395-398.(1998年7月〜2004年6月に整形外科外来で内部障害を疑われ膝MRIを撮影した488名・509膝の報告を後方視的に再検討。MRIで検出された鵞足滑液包炎の有病率は2.5%。最も多い臨床像は内側関節裂隙に沿った疼痛で、内側半月板断裂に類似。著者はMRIでの正確な診断が不要な関節鏡検査の回避につながると指摘。MRIを撮影するに至った有症状の膝が母集団であり、一般人口の有病率ではない。単一施設・後方視的)|PMID: 15940489|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15940489/
- Alvarez-Nemegyei J. "Risk factors for pes anserinus tendinitis/bursitis syndrome: a case control study." Journal of Clinical Rheumatology, 2007;13(2):63-65.(臨床診断された鵞足腱炎/滑液包炎症候群の連続症例22名(全員女性・62.1±11.5歳・45〜82歳)と、性別・年齢を一致させた対照38名(無症候性骨粗鬆症20名・各種リウマチ性症候群18名)の症例対照研究(メキシコ)。糖尿病・変形性膝関節症・肥満・膝の不安定性・内反変形・後足部アライメント異常のいずれにも群間差を認めず、変形性膝関節症の放射線学的重症度スコアにも差はなかった。外反膝単独(オッズ比5.2・95%CI 1.1〜25.5)、および側副靭帯不安定性との併存(オッズ比6.0・95%CI 1.4〜26.0)が本症候群と関連。22名のみ・全員女性・単一施設)|PMID: 17414530|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17414530/
- Helfenstein M Jr, Kuromoto J. "Anserine syndrome." Revista Brasileira de Reumatologia, 2010;50(3):313-327.(鵞足腱・滑液包症候群に関する総説。臨床所見のみで診断されることが多く誤った解釈を招きうると指摘し、滑液包炎なのか腱炎なのか両方なのかは各種画像検査でも決着しておらず、責任となる構造的欠陥はほとんど分かっていないとして「anserine syndrome(鵞足症候群)」の用語を提案。糖尿病は既知の素因、過体重と変形性関節症も追加のリスク因子とみられるが病態生理における役割は未解明。治療は非ステロイド性抗炎症薬・理学療法・ステロイド注射で、回復までの反応はきわめて多様で10日から36ヶ月と報告されている。疫学・病因・病態生理の知見が不足しており今後の研究が必要と結論。総説であり新規データではない)|PMID: 21125167|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21125167/
※これらは施術効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。画像を撮っての確認と、その所見にもとづく診断は整形外科で行われるべきものです。

施術歴14年以上|鍼に関する記述は在籍のはり師・きゅう師(国家資格)の監修協力|画像による確認と治療方針の決定は医科の領域です|院長の経歴・想いはこちら ›
最終更新日:2026年9月27日