側弯症 鍼灸 福岡市城南区|背中の張り・左右差に鍼で何ができるか・通院の目安

米国の学術医療機関でAIS患者891名を調べた研究では48.5%が背部痛を訴えましたが、痛みの有無はCobb角の大きさと関連しませんでした(p=0.999・1施設の後方視的な診療記録調査のため因果は言えません)。鍼が向かうのは曲がりの角度ではなく、この張りと痛みの側です。
学校検診で背骨の左右差を指摘され、整形外科で経過観察になっているが、背中の張りだけは毎日つらい。
Cobb角を測ってもらったが「まだ様子見」と言われ、その間の張りをどうすればいいか分からない。
このページでは、鍼にできないことから先に書きます。Cobb角そのもの(背骨が左右に曲がっている角度)は、鍼で変わる対象ではありません。角度の判定・装具の処方・手術の判断は整形外科の役割です。
背中の丸まりや左右差がこの数ヶ月で急に強くなった、脚にしびれや力の入らなさがある、呼吸が苦しいという出方の方は、鍼に進む前に整形外科での確認をお願いします。
| 保険の適用 | 側弯にともなう張りへの鍼灸は自費です 料金は料金ページをご覧ください。角度の判定・装具・手術に関わる医療行為は医科の領域で、当院の施術とは区分が異なります。 |
| 通院の目安 | 当院では3〜6ヶ月・週1〜2回が目安です(状態により変わります) 姿勢にともなう慢性の張りとして扱っています。施術時間は初診60〜90分、2回目以降30〜60分です。 |
| 受診の目安 | 成長期に左右差が急に進む/Cobb角が大きいとの指摘/脚のしびれ・力が入りにくい/呼吸が苦しい → 先に整形外科へ 学校検診で指摘されてまだ受診前の方も、鍼灸より先に整形外科での確認をおすすめします。 |
| 統計データ | AIS患者891名の調査で48.5%が背部痛を訴え、痛みの有無はCobb角の大きさとは関連しなかった(p=0.999)(Sarkovich S ら, Spine Deform. 2024) 米国1施設の後方視的な診療記録調査のため、日本の患者にそのまま当てはまる数字ではありません。 |
- 成長期に、背中や肩の左右差が数ヶ月単位で急に目立ってきた
- 整形外科でCobb角が大きいとの指摘を受けている、または経過観察の間隔を詰めるよう言われた
- 脚のしびれ・力が入りにくい感じを伴う
- 呼吸が苦しい、胸郭の動きに詰まった感じがある
- 安静にしていても強い背部痛がある、夜間痛で眠れない
- 学校の検診で指摘されたが、まだ整形外科を受診していない
気になる項目が1つでもあれば、鍼を始める前にまず整形外科の診察を受けてください。
背中の左右差や動きの確認は柔道整復師・国家資格の院長 河野太朗が担当します。鍼とお灸は在籍のはり師・きゅう師(国家資格)が担当します。危険サインに当てはまる、またはCobb角の判定・経過観察が必要な場合は、鍼には入らず整形外科へおつなぎします。
学校検診の結果や整形外科での診断内容(Cobb角・経過観察の間隔)をお持ちであれば、初回の確認が短い時間で済みます
- 側弯症にともなう背中の張りや左右差、こんな出方をしていませんか?
- なぜ、側弯にともなう背中の張りは繰り返すのですか?
- 側弯症に鍼で何ができて、研究では何が分かっているのですか?
- 側弯症の鍼灸は、当院ではどこを確かめてから始めますか?
- 経過観察中の側弯症の方に、当院が備えているものは何ですか?
- 医師・専門家・メディアからの評価
- 側弯症では、なぜ背中の左右で張りの強さが違うのですか?
- 鍼で側弯のカーブそのものを変えることはできるのですか?
- 側弯のカーブを動かす主役は、運動療法なのですか?
- 側弯症で、急いで医療機関に相談すべきなのはどんなときですか?
- 側弯症は整形外科と鍼灸院、どちらが先ですか?
- 側弯症の鍼灸は健康保険が使えますか、自費になりますか?
- 側弯症の鍼灸には、何回くらい通えばいいのですか?
- 来院までの間、背中の張りに自分でやれることはありますか?
- よくある質問(FAQ)
- 側弯症・姿勢に関係する他の症状ページ
側弯症にともなう背中の張りや左右差、こんな出方をしていませんか?
- 学校検診で背骨の左右差を指摘され、整形外科で経過観察中である
- Cobb角を測ってもらったが「今は様子見」と言われ、日々の張りへの対処が分からない
- いつも同じ側の背中・腰だけが張る、重く感じる
- 長時間座ったあと、片側の肩甲骨まわりだけがこわばる
- 装具(コルセット)を着けている時間帯に背中が痛む
- 整形外科の受診間隔の合間に、張りやだるさが我慢できないほど強くなる日がある
- 成長期を過ぎてからも、片側だけの張りが続いている
- 整形外科では「手術の対象ではない」と言われたが、日常のつらさは残っている
「整形外科には通っているが、その間の張りをどうにかしたい」という段階でも構いません。診断内容・張りの出る場所・成長期かどうかをLINEに書いて送ってください。鍼に進んでよい状態か、先に医療機関への確認が必要かをお返しします。
LINEで症状を相談する(無料)なぜ、側弯にともなう背中の張りは繰り返すのですか?
背骨が左右に曲がっている形そのものが、周囲の筋肉の使われ方を左右非対称にするためです。彎曲の外側(凸側)と内側(凹側)で筋肉にかかる負担が異なり続ける限り、張りは形の結果として何度も出てきます。
側弯症のあるAIS患者100名を超音波の弾性画像(せん断波エラストグラフィー)で調べた研究では、筋の太さなど形の左右差が特に彎曲の頂点で有意にみられ、硬さの測定でも凹側のほうが有意に高い値でした(Ruan B ら, Am J Transl Res. 2026)。
これは、背骨の形が変わらない限り、その周りの筋肉には常に非対称な負担がかかり続けるということです。マッサージや一時的な施術で片側の張りをゆるめても、形そのものが変わらなければ、同じ側にまた負担が戻ってきます。
だからといって、背骨の形を鍼や手技で変えることはできません。当院ができるのは、この非対称な負担のもとで張り続けている筋肉に働きかけることです。
なお、この筋の左右差の強さと痛みの強さは、同じ強さで表れるとは限りません。次の章で紹介する米国の調査でも、痛みの有無は曲がりの大きさそのものとは関連していませんでした。
| 繰り返す理由 | 体で起きていること | 鍼にできること |
|---|---|---|
| 彎曲による左右差 | 凸側と凹側で傍脊柱筋にかかる負担が異なり続ける(超音波弾性画像で左右差を確認した報告あり) | 張っている側の筋そのものは鍼の届く範囲です。負担の元になる骨の形は変わりません |
| 装具・姿勢保持による負担 | コルセット装用中や特定の姿勢を保つ時間が長いと、同じ筋に持続的な緊張がかかる | 持続する緊張のゆるめ方は鍼の得意分野です。装具の調整そのものは行いません |
| 曲がりの角度(Cobb角) | 背骨と関節の形そのもの。画像でしか正確に測れない | 鍼で角度は変わりません。判定・経過観察は整形外科の領域です |
側弯症に鍼で何ができて、研究では何が分かっているのですか?
正直に申し上げると、鍼の効果だけを取り出して検証した試験が存在しないためです。見つかるのは鍼を含む複数の中医学的な施術(整体・按摩・運動を含む)をまとめて調べた研究で、いずれも施術者・参加者を盲検化できていません。当院はこの限界を隠さずにお伝えします。
まず、側弯症そのものの広がりについてです。愛媛県で1998年から2022年まで25年間続いた学校検診(10〜11歳・12〜13歳の児童生徒534,322件、モアレトポグラフィーによる一次スクリーニング)では、陽性率が1998年の2.24%から2022年には4.06%に増加しました。精密検査でのCobb角10度以上の確定率(陽性反応適中率)は平均47.3%で変わらず、著者は見かけ上の増加ではなく実際の増加を示唆すると述べています(Morino T ら, Global Spine J. 2026)。
東京都で2003〜2007年に11〜14歳の児童生徒255,875名を対象に行われた5年間の学校検診では、Cobb角10度以上の有病率は全体で0.87%、女子13〜14歳では2.51%でした。男女比は全体で11対1です(Ueno M ら, J Orthop Sci. 2011)。
次に、痛みについてです。米国の学術三次医療機関でAISと診断された10〜17歳の患者891名を対象にした後方視的な診療記録調査では、48.5%が背部痛を報告しました(一般思春期での報告割合33%より高い)。痛みの強さは10点満点中平均4.7でした。
背部痛を訴えた方のうち部位を特定できた63.2%の内訳は、腰部56%・胸部39%・肩甲骨部8%です。なお同じ調査では、痛みの部位は背骨の曲がりが最も強い高さと関連し(p<0.0001)、腰の痛みは他の部位より強く出る傾向がありました(p=0.033)。
痛みの有無と主たる彎曲(Cobb角)の大きさには関連が見られませんでした(p=0.999)(Sarkovich S ら, Spine Deform. 2024)。1施設の診療記録調査のため、日本の患者にそのまま当てはめられる数字ではありません。
背部痛をまとめた総説でも、レントゲンに写る角度だけで痛みの重さは決まらず、筋の負担の偏りや姿勢の適応、心理社会的な要因が関わると指摘されています(Kuru Çolak T ら, Stud Health Technol Inform. 2026)。
角度そのものを動かせるかという話です。側弯症の運動療法(PSSEを含む)を調べたコクランのシステマティックレビューでは、運動群と無治療群でCobb角に−3.6度の差がありましたが、著者は確実性が非常に低いとしています(対象や信頼区間は下の表をご覧ください)。全ての試験で参加者・実施者の盲検化ができていません(Romano M ら, Cochrane Database Syst Rev. 2024)。
そして鍼の数字です。中国で行われた研究では、AIS患者116名を、鍼と整復按摩を組み合わせた群と、装具と姿勢訓練の群に分けています。この研究では、VASによる痛みの点数とCobb角のいずれも鍼灸群でより改善しました(P<0.01)。
ただし鍼は按摩と組み合わされているため鍼単独の効果とは判定できません。参加者・評価者の盲検化については抄録に記載がなく、装具と鍼灸・推拿を比べる設計上も難しかったと考えられます。単一施設の研究です(Jia K, Yang Y, Front Med (Lausanne). 2025)。
側弯症に対する中医学的な介入(整体・導引・鍼・按摩を組み合わせ、週2〜5回・4〜12週間実施)を無作為化比較試験からまとめた解析では、Cobb角の差が−3.97度、総有効率のオッズ比は4.42と報告されています(信頼区間とp値は下の表に載せています)。対象研究数・参加者数は抄録に記載がなく、鍼だけを切り分けた数字も抄録からは確認できません。手技を含む介入のため盲検化は構造的に困難です(Li P ら, Front Pediatr. 2025)。
当院の立場です。並べた数字のうち、角度そのものを動かした報告は運動療法の側にあり、それも確実性は非常に低いものでした。鍼を含む研究は複数の施術を組み合わせたもので、鍼だけの効果を取り出せていません。
ですから当院は、鍼を角度を変える手段としてではなく、彎曲にともなって偏り続ける筋の張りと痛みに向かう手段として位置づけています。
| 研究名 | 対象人数 | 結果(限界含む) | 出典 |
|---|---|---|---|
| Morino T ら 2026(Global Spine J・後方視的コホート) | 10〜11歳・12〜13歳534,322件(愛媛県・25年間) | 一次スクリーニング陽性率は1998年2.24%→2022年4.06%に増加。陽性反応適中率は平均47.3%で不変。限界:陽性率であり確定診断率ではない・地域限定(愛媛県)。 | [1] |
| Ueno M ら 2011(J Orthop Sci・横断的スクリーニング) | 11〜14歳255,875名(東京都・5年間) | Cobb角10度以上の有病率は全体0.87%、女子13〜14歳2.51%。男女比11対1。限界:2003〜2007年のデータ・東京都のみ。 | [2] |
| Sarkovich S ら 2024(Spine Deform・後方視的診療記録調査) | AIS患者891名(10〜17歳・米国1施設) | 48.5%が背部痛(一般思春期33%)、平均4.7/10。痛みの有無とCobb角の大きさに関連なし(p=0.999)。限界:1施設・後方視的・日本人データではない。 | [3] |
| Kuru Çolak T ら 2026(Stud Health Technol Inform・叙述的レビュー) | —(AIS患者を扱った既存研究のレビュー) | 背部痛は一般より頻度が高く、変形の大きさだけでは症状の重さを説明できない。限界:叙述的レビューで新規のデータではない・対象人数の記載なし。 | [4] |
| Romano M ら 2024(Cochrane・システマティックレビュー) | 13RCT・583名(女性50〜100%・平均12〜15歳) | 運動対無治療でCobb角差−3.6度(−5.6〜−1.7・2研究52名)。限界:確実性が非常に低い・全研究で盲検化不可能・鍼は含まれない。 | [5] |
| Ruan B ら 2026(Am J Transl Res・横断研究) | AIS100名(平均12.81±1.86歳) | 超音波+弾性画像で傍脊柱筋の硬さを測定。彎曲頂点で凹側の硬さが有意に高い(P<0.05)。限界:治療効果を調べた研究ではない・診断・評価目的。 | [6] |
| Jia K, Yang Y 2025(Front Med (Lausanne)・無作為化比較試験) | AIS患者116名(2021年1月〜2023年12月) | 鍼+整復按摩群がVAS・Cobb角ともに装具+姿勢訓練群より改善(P<0.01)。限界:盲検化なし・鍼単独ではなく按摩との併用・単一施設116名。 | [7] |
| Li P ら 2025(Front Pediatr・システマティックレビュー・メタ解析) | AIS対象RCT(研究数・参加者数の記載なし) | 中医学的介入(整体・導引・鍼・按摩)でCobb角差−3.97度(−4.24〜−3.71・p<0.00001)。限界:鍼を切り分けていない・盲検化構造的に困難・研究数不明。 | [8] |
側弯症の鍼灸は、当院ではどこを確かめてから始めますか?
出発点は「整形外科での経過観察の内容と、危険サインの有無」です。Cobb角が大きい・急速に進行している・神経症状があるという場合は鍼に入らず、医療機関の受診を優先します。当てはまらない場合は、凹側・凸側どちらの張りが強いかを確認したうえで、届く深さの脊柱起立筋などに鍼を進め、装具の着用時間や普段の姿勢の聞き取りとあわせて間隔を調整していきます。




経過観察中の側弯症の方に、当院が備えているものは何ですか?





医師・専門家・メディアからの評価



クリニック院長の川浪憲一先生から推薦の言葉をいただいており、競技を続けるプロスポーツ選手や運動指導にあたる方にも足を運んでいただいています。推薦の全文と健康雑誌に載った内容はメディア掲載・推薦のページにまとめました。


側弯にともなう背中の張りに、
できることとできないことを分けて向き合う
整形外科の経過観察を続けていただきながら、その合間の張りと痛みに鍼灸で向き合う選択肢です。日曜・祝日も20時まで受け付けています。
側弯症では、なぜ背中の左右で張りの強さが違うのですか?
背骨が左右に曲がった彎曲の凸側と凹側で、傍脊柱筋にかかる負担の向きが異なるためです。AIS患者100名を超音波の弾性画像で調べた研究では、彎曲の頂点付近で筋の硬さに有意な左右差があり、凹側の硬さがより高いことが確認されています(Ruan B らの横断研究・2026年)。
凸側の筋は彎曲を支えるために引き伸ばされた状態で働き、凹側の筋は縮んだ状態で持続的に緊張しやすいと考えられています。この非対称な負担のかかり方が、日常で「いつも同じ側だけ張る」という感覚につながります。
ただし、筋の左右差の強さと痛みの強さは同じ研究の中でも一致しないことがあります。当院では、左右どちらが張っているかを実際に押して確認したうえで、その側に鍼を進めます。
肩甲骨の内側から背中の真ん中にかけての痛みが主役の方は背中の痛みの鍼灸ページ、肩の上のこりが主役になっている方は肩こりの鍼灸ページもあわせてご覧ください。
鍼で側弯のカーブそのものを変えることはできるのですか?
いいえ、鍼で背骨の彎曲そのもの(Cobb角)を変えることはできません。側弯症を対象に鍼だけを切り分けて調べた無作為化比較試験は見つからず、見つかる研究はいずれも按摩・装具・運動などと組み合わせたもので、鍼単独の効果を示したものではありません。
ここを曖昧にしないのは、期待の置きどころが変わるからです。「鍼を受ければ曲がりが軽くなる」という前提で通い始めると、張りが軽くなっても物足りなさが残ります。
逆に「曲がりによって片側に負担がかかり続けている筋を、届く範囲でゆるめる」という前提であれば、鍼の役はきちんと務まります。角度の測定や次の受診時期、装具・手術をどうするかは、引き続き整形外科が担います。
当院では、骨盤の奥や体の前側にある深い筋肉への鍼は行いません。鍼が届くのは、脊柱起立筋や肩甲骨まわりなど、体の後ろ側で実際に触れて確認できる深さの筋に限られます。
側弯のカーブを動かす主役は、運動療法なのですか?
角度そのものを動かした報告は運動療法の側にあります。先ほどのコクランのレビューでは、運動群と無治療群のCobb角の差は−3.6度と報告されていますが、著者はこの結果を「確実性が非常に低い」としています(Romano M らのコクランレビュー・2024年)。
この確実性の低さは、全ての試験で参加者・実施者を盲検化できていないこと、対象となった研究間で運動の中身や期間がばらついていることによります。運動療法についても、当院は「確実に角度が変わる」とはお伝えしていません。
その上で、体幹を支える力を保つことは、姿勢の負担を減らす方向には働くと考えられます。当院では寝たまま体幹の筋肉を働かせる機器も併用しながら、整形外科での経過観察を続けていただく前提で運動の要素を取り入れています。
装具の調整や運動療法(PSSEなど)の専門的な指導そのものは整形外科・専門施設の領域です。当院はその合間の張りへの対応を担当します。
側弯症で、急いで医療機関に相談すべきなのはどんなときですか?
成長期に左右差が数ヶ月単位で急に進む・Cobb角が大きいと指摘されている・脚のしびれや力の入らなさがある・呼吸が苦しいというときです。こうした出方は鍼の対象ではなく、整形外科での確認が先になります。
成長期は骨の伸びに彎曲の進行が伴いやすい時期です。学校検診で指摘されてからの受診間隔が空いている場合は、次の受診を待たずに相談することをおすすめします。
脚のしびれや力の入らなさ、呼吸の苦しさは、神経や胸郭への影響を示している可能性があります。この出方は当院での施術の対象外です。
猫背や巻き肩など、彎曲を伴わない姿勢のクセが気になる方は猫背の鍼灸ページもあわせてご覧ください。
側弯症は整形外科と鍼灸院、どちらが先ですか?
Cobb角の判定・装具の処方・手術の判断・危険サインの評価は整形外科が先です。これらは画像でしか正確に確かめられません。整形外科で経過観察の方針が決まっている方の、その合間の背中の張りや痛みであれば、鍼灸と手技が選択肢になります。
受け持つ範囲を、3つに分けて書きます。
- 医科(整形外科)の領域:レントゲンによるCobb角の測定、進行の判定、装具の処方、手術の要否の判断、神経症状の評価。
- 柔道整復師の領域:肩・肩甲骨・骨盤の高さの左右差の確認、押して痛む場所の切り分け、危険サインの有無の一次確認。
- はり師・きゅう師の領域:彎曲にともなって張りの強い側の脊柱起立筋など、届く深さの筋への鍼。骨の形を変える手段ではなく、Cobb角を測る手段でもありません。
当院では、この3つの線引きを初回の問診で行い、整形外科への確認が先か、鍼灸に進める段階かをその場でご説明します。
側弯症の鍼灸は健康保険が使えますか、自費になりますか?
彎曲にともなう背中の張りへの鍼灸は、当院では自費です。料金表は料金ページをご覧ください。整形外科での診察・検査・装具・手術にかかる費用の扱いは医療機関にお問い合わせください。
費用の見通しは初回にお伝えし、そのうえで通う間隔を一緒に決めます。回数を決めずに続ける形ではご案内していません。
側弯症の鍼灸には、何回くらい通えばいいのですか?
彎曲にともなう張りが日常的に出ている場合、当院では3〜6ヶ月・週1〜2回が目安です(状態により変わります)。施術時間は初診60〜90分、2回目以降30〜60分をみてください。
この目安は、側弯症に対する鍼を含む中医学的な介入の多くが週2〜5回・4〜12週間の枠組みで行われているという報告と、当院での姿勢にともなう慢性の張りへの基本ペースをあわせたものです。数回の鍼で完結する前提ではご相談していません。
見ていくのは、左右どちらの張りが強いか、押して痛む場所の数、装具を着けている時間帯との関係です。初回の用紙に記録し、次に来られたときも同じ欄を埋めて比べます。
整形外科の経過観察は、鍼灸に通う間も継続していただきます。次の受診予定日は来院のたびに確認し、Cobb角の変化があれば当院から医療機関への受診を優先するようお伝えします。
側弯症のご相談で来られる方は、学校検診をきっかけに整形外科を受診し「経過観察」の方針が決まったあと、その合間の背中の張りをどうすればいいか分からず来院される、というのが当院の実感です。装具を着けている時期の方は、装具が当たる部分を避けながら施術する必要があり、着用時間や当たる場所を初回にうかがっています。
さわってみると、彎曲の凹側にあたる背中の張りを強く訴える方が多い印象ですが、逆側が強い方もおり、左右のどちらが張っているかは実際に押して確認しないと分からないというのが現場の感覚です。
※統計ではなく、施術の現場で当院が感じている傾向です。
来院までの間、背中の張りに自分でやれることはありますか?
危険サインに当てはまらなければ、やれることが2つあります。①張りの出る場所と装具の当たる位置をメモする ②長時間同じ姿勢を避け、こまめに立って休む。左右差が急に進んだ、脚にしびれがある、呼吸が苦しいという方は何もせず、先に整形外科へ向かってください。
- 張りの場所を記録する:どちら側のどのあたりが張るか、装具のどこが当たって痛むかをメモします。初回の見立ての材料になります。
- 同じ姿勢を続けない:勉強や仕事で座り続ける時間が長い場合、30分〜1時間ごとに立ち上がる区切りを作ります。
強く反らせて左右差を自分で確かめようとする、痛みを我慢して装具を長時間つけ続けるといった対処は、この時期はおすすめしません。当院の鍼とお灸の流れ、扱っている症状の全体は鍼灸ページにまとめています。
よくある質問(FAQ)
側弯にともなう背中の張りに、
整形外科の経過観察と両立できる選択肢を
樋井川・長尾・別府といった城南区内のほか、南区・早良区からもお越しいただいています。まず伺うのは整形外科での診断内容と危険サインの有無なので、鍼が初めての方も身構えずにどうぞ。
福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台
月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)
- Morino T, Murakami Y, Kinoshita T, et al. "Trends in the Prevalence of Adolescent Idiopathic Scoliosis in a Japanese Prefecture: A 25-Year Population-Based School Screening Study Using Moiré Topography." Global Spine Journal, 2026 Jan 16 (Online ahead of print).(愛媛県で1998〜2022年に実施した学校検診534,322件〈5年生10〜11歳・7年生12〜13歳〉のモアレトポグラフィーによる一次スクリーニング。陽性率は1998年2.24%から2022年4.06%に有意に増加。放射線学的確定を伴う部分集団〈n=221,318〉での有病率は0.85%〈初期5年〉から2.14%〈最終年〉に増加。陽性反応適中率は平均47.3%で有意な変化なし、著者は診断精度の変化ではなく真の増加を示唆すると結論。地域限定〈愛媛県〉の後方視的分析)|PMID: 41544631|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41544631/
- Ueno M, Takaso M, Nakazawa T, et al. "A 5-year epidemiological study on the prevalence rate of idiopathic scoliosis in Tokyo: school screening of more than 250,000 children." Journal of Orthopaedic Science, 2011;16(1):1-6.(2003〜2007年に東京都で11〜14歳255,875名を対象に実施した学校検診。モアレトポグラフィーで3,424名が陽性、放射線学的確認でCobb角10度以上が2,225名〈65.0%〉。11〜14歳全体の有病率は0.87%、女子は11〜12歳0.78%から13〜14歳2.51%に上昇、男子は11〜12歳0.04%・13〜14歳0.25%。男女比は全体で11対1〈11〜12歳17対1・13〜14歳10対1〉。2003〜2007年・東京都のデータ)|PMID: 21293892|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21293892/
- Sarkovich S, Leonardi C, Darlow M, et al. "Back pain in adolescent idiopathic scoliosis: frequency and risk factors." Spine Deformity, 2024;12(5):1319-1327.(米国の学術三次医療機関で2018〜2021年にAISと診断された10〜17歳の患者891名〈平均12.8歳・女性73.3%〉の後方視的診療記録調査。48.5%が背部痛を報告(一般思春期での報告割合33%より高い)。痛みの強さはFACESスケール〈0〜10〉で平均4.7、部位は腰部56%・胸部39%・肩甲骨部8%。痛みの有無と主たる冠状面カーブ(Cobb角)の大きさに関連なし〈p=0.999〉、Lenke分類〈p=0.577〉・性別〈p=0.069〉とも関連なし。年齢が高い・Medicaid加入・Risser分類が高いことが痛み報告と関連〈いずれもp=0.001〉。1施設・後方視的な研究)|PMID: 38910187|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38910187/
- Kuru Çolak T, Akçay B, Dereli EE, Çolak İ. "Back Pain in Adolescent Idiopathic Scoliosis: Prevalence, Mechanisms and Biopsychosocial Influences." Studies in Health Technology and Informatics, 2026;337:111-115.(AISにおける背部痛の有病率・機序・心理社会的関連因子を対象にした構造化叙述的レビュー。背部痛はAISでは側弯のない思春期より頻度が高いが、報告される有病率は研究デザイン・痛みの定義・治療状況の違いで幅がある。レントゲン上の変形の大きさだけでは症状の重さを説明できず、脊椎への負荷の変化・筋の不均衡・姿勢の適応に加え心理社会的要因も痛みの経験に影響すると整理。叙述的レビューであり新規データではなく対象人数の記載もない)|PMID: 42290431|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42290431/
- Romano M, Minozzi S, Bettany-Saltikov J, et al. "Therapeutic exercises for idiopathic scoliosis in adolescents." Cochrane Database of Systematic Reviews, 2024;2(2):CD007837.(AISに対する運動療法〈GTE・PSSE〉を検証した無作為化比較試験13件・583名〈女性の割合50〜100%・平均年齢12〜15歳〉のコクランレビュー。運動対無治療でCobb角の平均差は−3.6度〈95%CI −5.6〜−1.7・2研究52名〉だが確実性は非常に低い。PSSE対GTEでもCobb角差−3.0度〈95%CI −8.2〜2.1・4研究192名・確実性非常に低い〉。いずれの研究も参加者・実施者を盲検化できておらず、有害事象を評価した研究はなかった。鍼は対象に含まれない)|PMID: 38415871|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38415871/
- Ruan B, Ni Z, Xie H, et al. "Application of high-frequency musculoskeletal ultrasound combined with shear wave elastography in assessing paravertebral muscle morphology in adolescents with idiopathic scoliosis." American Journal of Translational Research, 2026;18(6):4813-4821.(AIS患者100名〈平均12.81±1.86歳〉を対象に、立位・伏臥位で高周波超音波とせん断波エラストグラフィーにより傍脊柱筋を測定。全ての椎体レベル、特に彎曲頂点で筋パラメータに有意な左右差〈P<0.05〉、せん断波エラストグラフィーでは凹側の筋硬度が有意に高値〈P<0.05〉。立位での測定がCobb角との相関がより強い。治療効果を検証した研究ではなく診断・評価目的の横断研究)|PMID: 42491218|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42491218/
- Jia K, Yang Y. "Effect of acupuncture and massage on adolescent idiopathic scoliosis and pain severity." Frontiers in Medicine (Lausanne), 2025;12:1613800.(2021年1月〜2023年12月に治療を受けたAIS患者116名を、装具矯正+姿勢訓練の対照群と、中医学的な鍼+整復按摩の観察群に分けた研究。治療後、Cobb角とVASスコアのいずれも両群で低下し、観察群がより低値〈P<0.01〉。総有効率は観察群がより良好〈P<0.05〉、SRS-22スコアも観察群が高値〈P<0.05〉、ODIスコアの低下・JOAスコアの上昇も観察群でより顕著〈P<0.01〉。参加者・評価者の盲検化はされておらず、鍼は整復按摩と組み合わされているため鍼単独の効果とは判定できない。単一施設の研究)|PMID: 40761866|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40761866/
- Li P, He Y, Zhou J, He M. "Traditional Chinese Medicine for adolescent idiopathic scoliosis: a systematic review and meta-analysis." Frontiers in Pediatrics, 2025;13:1502741.(AISを対象に中医学的介入〈整体・導引・鍼・按摩〉と通常治療を比較した無作為化比較試験のシステマティックレビュー・メタ解析。介入は週2〜5回・4〜12週間実施。Cobb角の平均差−3.97度〈95%CI −4.24〜−3.71・p<0.00001〉、総有効率のオッズ比4.42〈95%CI 3.22〜6.08・p<0.0001〉。サブグループ解析では手技の違いによらず一貫した結果としているが、鍼を単独で切り分けた解析ではなく、対象とした研究数・参加者数の記載もない。手技を含む介入のため盲検化は構造的に困難)|PMID: 40959821|https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40959821/
※これらは施術効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。Cobb角そのものの判定・経過観察・装具や手術の判断は整形外科で行われるべきものです。

施術歴14年以上|鍼に関する記述は在籍のはり師・きゅう師(国家資格)の監修協力|Cobb角の判定・装具・手術の判断は医科の領域です|院長の経歴・想いはこちら ›
最終更新日:2026年9月25日