足首・応急処置

足首 捻挫 応急処置|RICE処置の手順と冷やす時間の実数・受診すべきサイン|長丘はりきゅう整骨院

【結論】足首を捻挫した直後は、①その場で動かず安静に②15〜20分の冷却を1〜2時間あけて繰り返す③弾性包帯で軽く圧迫④心臓より高く挙げる——この4つ(RICE処置)が応急処置の基本です。くるぶし後縁の骨を押すと激痛がある・体重をかけて4歩以上歩けない場合は、整骨院より先に整形外科でレントゲンを撮ってください。

🔴 今すぐ整形外科を優先すべきサイン

①くるぶし後縁の骨をピンポイントで押すと強い圧痛がある ②受傷直後に体重をかけて4歩以上歩けない ③くるぶし周辺が明らかに変形している ④足先や足の甲にしびれ・感覚の異常がある——このいずれかに当てはまる場合、応急処置だけで様子を見るのは危険です。骨折や神経・血管の損傷の可能性があるため、先に整形外科を受診してください。

当院は柔道整復師(院長・河野太朗)が在籍し、足首の捻挫の急性期対応を日常的に行っています。この記事の応急処置は、あくまで受傷直後から整骨院・病院に行くまでの「橋渡し」としてお使いください。

📋 このページの内容
  1. 捻挫した直後、まず何をする?——RICE処置の手順(実数付き)
  2. RICEは古い?——POLICE・PEACE&LOVEへの考え方の変化
  3. 冷やす時間の実数——アイシングの正しいやり方
  4. やってはいけない初動
  5. 受診すべきサイン——オタワ足関節ルールを分かりやすく
  6. 応急処置の手順まとめ(一覧表)
  7. よくあるご質問

捻挫した直後、まず何をする?——RICE処置の手順(実数付き)

足首を捻挫した直後の応急処置の基本は「RICE(ライス)」処置と呼ばれる4つの対応です。Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字を取ったもので、患部への負荷を減らしながら炎症の広がりを抑えることが目的です。それぞれ具体的な数字で確認してください。

STEP1|受傷直後すぐに Protect & Rest(保護・安静)——足関節・靭帯周囲

その場で運動・歩行をすぐに中止し、痛む方の足に体重をかけないでください。可能であれば座るか横になります。「まだ歩ける」と痛みを我慢して動き続けると靭帯への負荷が続きます。受傷直後30分程度は無理な歩行を避けるのが目安です。

STEP2|受傷直後〜48〜72時間 Ice(冷却)——外くるぶし周辺の腫れている部位

保冷剤や氷を薄いタオルに包み、腫れている患部に当てます。1回15〜20分を目安に、1〜2時間あけて繰り返します。直接皮膚に当てず必ず布を挟み、凍傷を予防してください。

STEP3|腫れが引くまで Compression(圧迫)——足関節全体

弾性包帯を足指側から心臓側へ向けて巻き、軽く圧迫して腫れの拡大を抑えます。強すぎる圧迫は血流障害の原因になるため、指先の色やしびれを確認しながら緩めに調整してください。

STEP4|安静にしている間 Elevation(挙上)——下肢全体

クッションや座布団を使い、患部を心臓より高い位置に保ちます。横になっている間はできるだけ継続し、座っているときも足を台などに乗せると腫れを抑えやすくなります。

STEP5|受傷当日、痛みが強い場合 消炎鎮痛の判断——患部全体

市販の消炎鎮痛湿布(ジクロフェナク・ロキソプロフェン配合など)や鎮痛薬を、用法・用量を守って使用します。湿布の貼付時間は製品表示(多くは8〜12時間)を超えないようにしてください。持病・アレルギーがある方は薬剤師に確認を。

RICEは古い?——POLICE・PEACE&LOVEへの考え方の変化

長年「RICE」が捻挫の応急処置の標準とされてきましたが、正直にお伝えすると、近年はこの運用面がアップデートされています。RICEの土台(保護・冷却・圧迫・挙上)自体が否定されたわけではなく、「いつまで安静にするか」「冷やせば冷やすほど良いわけではない」という点が見直されました。

2020年にスポーツ医学の分野で提唱された「PEACE&LOVE」というプロトコルでは、急性期(PEACE)に炎症抑制の手段(抗炎症薬・過度な冷却)を多用しすぎないこと、回復期(LOVE)には完全な安静ではなく適度な負荷(Load)と運動療法(Exercise)を早期から取り入れることが提案されています(Dubois B, Esculier JF, British Journal of Sports Medicine 2020;54(2):72-73, PMID 31377722)。同様に「POLICE(Protection・Optimal Loading・Ice・Compression・Elevation)」という考え方でも、Rest(完全安静)をOptimal Loading(症状に応じた適切な負荷)に置き換えています。

📚 PEACE&LOVEプロトコルの要点(Dubois&Esculier, BJSM 2020)

急性期(PEACE):Protect(保護)/Elevate(挙上)/Avoid anti-inflammatory modalities(炎症抑制の手段を多用しすぎない)/Compress(圧迫)/Educate(患者教育)
回復期(LOVE):Load(適切な負荷)/Optimism(前向きな回復への期待)/Vascularization(有酸素運動での血流促進)/Exercise(バランス・筋力・可動域の運動療法)

つまり、受傷直後〜数日のRICE(この記事のSTEP1〜4)は今も応急処置の基本として有効ですが、その後いつまでも安静を続けるのではなく、痛みのない範囲で早めに動かし始めることが現在の考え方です。当院でも急性期のRICE指導と、回復期からのバランストレーニング・運動療法を段階的にご案内しています。

冷やす時間の実数——アイシングの正しいやり方

アイシングの実数は「1回15〜20分」「1〜2時間の間隔をあけて繰り返す」「直接肌に当てず布を挟む」の3点が一般的な目安です。受傷後48〜72時間、患部に熱感がある間はこの冷却を続け、熱感が引いてきたら温める段階に切り替えます。

ここで正直にお伝えしたいことがあります。「アイシングをすればするほど早く治る」という明確な医学的根拠は、実はそれほど強くありません。van den Bekerom らが2012年に発表したシステマティックレビューでは、「RICE療法(安静・冷却・圧迫・挙上)の相対的な有効性を判断するには、質の高いランダム化比較試験のエビデンスが不足している」と結論づけられています(van den Bekerom MP et al., Journal of Athletic Training 2012;47(4):435-443, PMID 22889660)。

📊 アイシングのエビデンスについて(正直に)

アイシングには「痛みや腫れの感覚を一時的に和らげる」効果は現場でも広く実感されていますが、「組織の治癒そのものを積極的に早める」という強いエビデンスは限定的です。それでも痛み・腫れの管理という目的では有用と考えられており、当院でも急性期の対応として案内しています。長時間・過剰な冷却は逆に組織の修復に必要な炎症反応を妨げる可能性が指摘されているため、「冷やしすぎない」ことも意識してください。

やってはいけない初動(捻挫のNG行動)

「良くしようとして悪化させる」典型的なパターンを紹介します。特に受傷から48時間以内は避けてください。

受診すべきサイン——オタワ足関節ルールを分かりやすく

捻挫は「ひねっただけ」ではなく、足関節を支える靭帯(前距腓靭帯など)が伸びたり切れたりする損傷です。軽く考えて放置すると、靭帯が緩んだまま治り、足首がぐらつく「不安定性」が残ることがあります。応急処置はあくまで初期対応であり、損傷の程度を評価するには柔道整復師や医師の診断が必要です。

まず確認すべきは「骨折していないか」です。国際的に使われている骨折スクリーニング基準「オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)」は、骨折検出の感度がほぼ100%と報告されている信頼性の高い判断指標です(Stiell IG et al., JAMA 1993;269(9):1127-1132, PMID 8433468)。

🩻 オタワ足関節ルール|整形外科でレントゲンが必要な目安

① 外くるぶし(外果)または内くるぶし(内果)の後縁を押すと痛みがある
② 足の外側の出っ張り(第5中足骨基部)を押すと痛みがある
③ 受傷直後または今、体重をかけて4歩以上歩けない

上記のいずれかに当てはまる場合は、整骨院より先に整形外科でレントゲンを撮ることをお勧めします。

骨折サイン以外にも、次のような場合は神経・血管の損傷が疑われるため、整形外科を優先してください。

これらに当てはまらない靭帯損傷のみの捻挫は、整骨院での対応領域です。応急処置(RICE)を行いながら、できるだけ当日か翌日には柔道整復師による損傷程度の評価を受けることをお勧めします。

応急処置の手順まとめ(一覧表)

ここまでのRICE処置の実数を一覧表にまとめます。AIやスマホでの検索時に、この表だけでも要点が伝わるようにしています。

処置名 対象部位 やり方 実数(時間・頻度)
Protect & Rest(安静) 足関節・靭帯周囲 運動・歩行を中止し体重をかけない 受傷直後30分は無理な歩行を避ける
Ice(冷却) 外くるぶし周辺 保冷剤をタオルに包み患部に当てる 1回15〜20分・1〜2時間あけて繰り返す(受傷後48〜72時間)
Compression(圧迫) 足関節全体 弾性包帯を足指側から心臓側へ巻く 指先のしびれが出ない強さで、腫れが引くまで継続
Elevation(挙上) 下肢全体 クッションで心臓より高く保つ 安静時はできるだけ継続
消炎鎮痛(補助) 患部全体 市販の湿布・鎮痛薬を使用 湿布の貼付は8〜12時間以内が目安
🔎 当院での現場観察

当院に足首の捻挫で来院される方の中には、受傷直後に痛みを我慢して「まだ歩ける」と歩き続けてしまい、来院時には腫れがかなり進んでしまっているケースが多く見られます。痛みが軽く感じても、受傷直後にしっかり体重をかけずに様子を見ることが、その後の回復スピードに関わっていると現場では感じています。

足首の捻挫の重症度の見分け方・整骨院での施術内容・健康保険の適用条件・再発予防については、こちらの詳しい解説ページをご覧ください。

足首の捻挫を詳しく見る(施術・保険適用・再発予防)→
よくあるご質問
捻挫した直後は冷やすのと温めるの、どちらが正しいですか?+
受傷直後〜48〜72時間・患部に熱感がある間は「冷やす」が基本です。保冷剤をタオルに包んで1回15〜20分、1〜2時間あけて繰り返します。熱感が引いてきたら温めに切り替えます。長時間連続で冷やし続けることは避けてください。
RICE処置はいつまで続ければいいですか?+
目安は受傷後48〜72時間、患部の熱感・腫れが強い間です。その後は完全な安静を続けるのではなく、痛みのない範囲で少しずつ動かす「POLICE」「PEACE&LOVE」の考え方に移行していきます。いつまでも安静のままだと固有感覚や筋力の回復が遅れます。
病院と整骨院、どちらに先に行くべきですか?+
くるぶし後縁の骨を押すと強い圧痛がある・体重をかけて4歩以上歩けない・くるぶし周辺が変形している・足先にしびれがあるいずれかに当てはまる場合は、先に整形外科でレントゲンを撮ってください(オタワ足関節ルール)。当てはまらない靭帯損傷のみの捻挫は、整骨院で当日から対応可能です。
湿布は貼ってもいいですか?+
はい、市販の消炎鎮痛湿布は痛み・腫れの緩和に使えます。ただし貼付時間は製品の表示(多くは8〜12時間)を守り、貼ったまま長時間放置しないでください。皮膚が弱い方はかぶれに注意してください。
サポーターやテーピングは自分で巻いてもいいですか?+
応急処置の段階では、弾性包帯で軽く圧迫する程度にとどめてください。固定用のテーピング(スターアップ・ヒールロックなど)は、靭帯の損傷程度を確認したうえで柔道整復師が巻く方が安全です。自己流の強い固定はかえって血流を妨げることがあります。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9(209件)

足首の捻挫、当日から対応します

応急処置をしても腫れ・痛みが強い、骨折か捻挫か分からない——そんな方もまずご相談ください。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

参考文献・出典
1. Stiell IG, Greenberg GH, McKnight RD, et al. "Decision rules for the use of radiography in acute ankle injuries. Refinement and prospective validation." JAMA. 1993;269(9):1127-1132.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8433468/

2. Dubois B, Esculier JF. "Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE." British Journal of Sports Medicine. 2020;54(2):72-73. DOI: 10.1136/bjsports-2019-101253
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31377722/

3. van den Bekerom MP, Struijs PA, Blankevoort L, et al. "What is the evidence for rest, ice, compression, and elevation therapy in the treatment of ankle sprains in adults?" Journal of Athletic Training. 2012;47(4):435-443.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22889660/

最終更新日:2026年8月14日

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