不眠|ツボ・セルフケア

不眠 ツボ|寝つきを整える5つのツボと押し方・寝る前のやり方|長丘はりきゅう整骨院

⚠️ まずセルフケアより前に——専門医への受診が必要なサイン
🏥
2週間以上、眠れない夜が続いている・日中の仕事や家事に支障が出ている 不眠障害と診断される目安が「週3日以上・3ヶ月以上」ですが、日常生活に影響が出ている時点でセルフケアだけで対処しようとするより、早めに受診することをお勧めします。 → 内科・心療内科・精神科へ
😴
いびきをかく・日中に我慢できない強い眠気がある・起きても疲れが取れない 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。ツボ押しでは改善しません。 → 睡眠専門外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科へ
🧠
気分の落ち込み・何もやる気が起きない・これまで楽しかったことに興味が持てない うつ病・適応障害などのサインの可能性があります。不眠はうつの代表的な初期症状のひとつです。 → 早めに精神科・心療内科へ(うつのサインを見逃さない)

上記に当てはまらない、寝つきが悪い・眠りが浅い・生活習慣やストレスからくる睡眠の乱れという方向けに、以下のセルフケア情報をまとめています。

【このページについて】東洋医学では古くから不眠・寝つきの悪さに用いられてきたツボが存在します。このページでは5つのツボを位置の探し方・押し方・秒数・回数・1日の頻度の実数つきで解説します。また「寝る前にどの順番で何をするか」を時系列で提示し、ツボ押しをルーティンに組み込みやすくします。

ツボ押しは医療の代わりではなく、生活習慣の見直しと合わせたセルフケアです。睡眠薬を服用中の方が薬の量や服用方法を変えたいと考える場合は、必ず処方した主治医に相談してください。自己判断での調整は行わないでください。

📊 不眠と指圧に関するエビデンスについて

Yeungらの系統的レビュー(Sleep Medicine, 2012;指圧・耳ツボ等のRCTを対象)では、指圧系の介入が不眠症状の改善に関連している可能性が示されています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22841034/)。また、Dincerらの系統的レビュー・メタ解析(Explore, 2022;高齢者を対象としたRCTを解析)では、指圧が睡眠の質の改善に寄与する可能性があると報告されています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952800/)。ただし、いずれの研究でも対象や試験の質に限界があり、指圧の不眠に対する効果は「可能性がある」という段階です。「必ず眠れる」とは言えないことを前提にご覧ください。

📋 このページの内容
  1. 寝る前のやり方——時系列4ステップ(ツボ押しをルーティン化する)
  2. ツボ①:失眠(しつみん)——かかとにある「眠れない」専用のツボ
  3. ツボ②:神門(しんもん)——精神的な緊張・動悸・不安に
  4. ツボ③:内関(ないかん)——緊張・吐き気・浅い眠りに
  5. ツボ④:百会(ひゃくえ)——頭部の血流・精神安定に
  6. ツボ⑤:安眠(あんみん)——耳後ろ・後頸部のこわばりに
  7. やってはいけないこと・中止基準
  8. よくあるご質問

寝る前のやり方——時系列4ステップ

ツボ押しを「眠れない深夜に慌てて押す」のではなく、就寝前のルーティンの一部として習慣化することが大切です。以下の4ステップを毎晩同じ順番で繰り返すことで、脳と体に「もうすぐ眠る」というシグナルを送ることをめざします。

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就寝90分前
ぬるめのお湯に入浴する
38〜40°Cのぬるめのお湯に15〜20分浸かります。体温をいったん上げることで、その後の体温低下が眠気を引き起こしやすくなります。熱いお湯(42°C以上)は交感神経を刺激して覚醒しやすくなるため避けます。
💡
就寝60分前
照明を暗くしてスマホを伏せる
部屋の照明を間接照明や暖色系のライトに切り替えます。スマホ・タブレットのブルーライトはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を抑制するため、この時間帯から画面を見るのを控えます。「ツボの位置はこのページで事前に確認しておく」ことをお勧めします。
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就寝20〜30分前
ツボ押し(5種・3〜5分)
布団やソファに座り、①失眠→②神門→③内関→④百会→⑤安眠の順にツボを押します。それぞれのやり方は下記のカードを参照してください。「眠れないと焦りながら押す」のではなく、副交感神経が優位になるようにゆっくり・やさしく行うことがポイントです。
🌙
布団に入ったら
腹式呼吸を10回
横になって目を閉じ、鼻から4秒かけてゆっくり息を吸い(お腹が膨らむのを感じる)、口から8秒かけてゆっくり吐きます。これを10回繰り返します。呼気を長くすることで副交感神経が優位になりやすくなります。「眠らなきゃ」と頑張らず、呼吸だけに意識を向けてください。

5つのツボ——位置・押し方・実数

ツボ ①
失眠(しつみん)
EX-LE8(経外奇穴)
🌙 就寝前ツボ押しの最初に
📍 位置の探し方 足の裏・かかとの中央。かかとを手で包んで親指と反対の手の指でかかとの底を触れると、中央にやや硬い部分がある。

「失眠」という名前の通り、東洋医学で古くから不眠に用いられてきた経外奇穴です。足の裏全体には自律神経と関連する末梢神経が集まっており、かかとへの刺激が副交感神経の働きを助けることをめざします。布団に入る前に座った状態で、両手でかかとを挟むように押します。

  1. 椅子か布団の上に座り、ストレッチする足の足首を反対の膝の上に乗せる。
  2. 両手の親指の腹をかかとの中央に当て、左右から挟むように押す。
  3. 「かかとの奥にじわっとした圧迫感」が出る強さでキープする。
  4. ゆっくり離し、反対の足も行う。
1回の押し時間5〜8秒
繰り返し回数5回/セット
左右両足
1日の頻度就寝前1〜2回
かかとの皮膚が硬い方は、蒸しタオルや入浴後に柔らかくなった状態で行うと刺激が伝わりやすくなります。
ツボ ②
神門(しんもん)
HT7 / Shenmen
🌙 精神的な緊張・動悸・不安が強いとき
📍 位置の探し方 手首の内側(手のひら側)の横じわの上。小指の延長線上で、手首の骨(豆状骨)のすぐ内側(橈骨寄り)のくぼみ。手首を軽く曲げて横じわを出してから指で探すと見つかりやすい。

神門は「心経」に属し、東洋医学では「心(しん)」に関わるツボとして、精神的な興奮・不安・動悸・寝つきの悪さに伝統的に用いられてきました。Yeungらの系統的レビューで使用されたツボの中でも選穴頻度が高い経穴のひとつです。反対の親指の先でじわっと押します。

  1. 腕を手のひらが上向きになるように置く。
  2. 反対の親指の腹を神門に当て、手首の骨に向かって軽く押し込む。
  3. 「ズーンとした響き」が感じられる強さを目安にする。強すぎると痛みになるため手前で止める。
  4. ゆっくり離し、反対側も行う。
1回の押し時間3〜5秒
繰り返し回数5回/セット
左右両側
1日の頻度2〜3回(日中の緊張時にも)
日中に強いストレスや不安を感じた時にも、仕事の合間に軽く押すことで精神的な緊張をやわらげることをめざします。
ツボ ③
内関(ないかん)
PC6 / Neiguan
🌙 緊張・浅い眠り・吐き気を伴う不眠に
📍 位置の探し方 手首の内側(手のひら側)の横じわから、肘方向に指3本分(約5〜6cm)上がった場所。腕の内側の中央で、2本の腱(手首を曲げると浮き出る筋)の間のくぼみ。

内関は「心包経」に属し、東洋医学では精神的な緊張・動悸・不安・吐き気・めまいに広く伝統的に用いられてきたツボです。不眠の背景に「緊張がほぐれない・胃がムカムカする・眠ろうとするほど意識が過敏になる」という状態がある方に向いています。反対の親指の腹で垂直に押します。

  1. 腕を手のひらが上向きになるように置き、反対の親指の腹をツボに当てる。
  2. 前腕の骨(橈骨と尺骨)の間に向かって垂直にゆっくり押し込む。
  3. 「じわっと腕に広がる感覚(得気)」が出る強さを目安とする。
  4. ゆっくり離し、反対側も行う。
1回の押し時間5〜8秒
繰り返し回数5回/セット
左右両側
1日の頻度2〜3回
ツボ ④
百会(ひゃくえ)
GV20 / Baihui
🌙 頭重感・頭の興奮が冷めない時に
📍 位置の探し方 頭頂部のほぼ中央。両耳の一番高い点(耳尖)を結んだ線と、顔の正中線(鼻の先→額→頭頂部)が交わる点。指で押さえると、周囲よりわずかにくぼんだ感触がある。

百会は「督脈」に属し、「百の脈が集まる場所」とされる東洋医学の要穴です。頭部の気血の循環を整えることをめざし、頭重感・頭の熱感・ぐるぐると考えが止まらない状態の不眠に伝統的に用いられてきました。中指の腹を重ねてゆっくり押します。

  1. 座った状態で頭を軽く前傾させる。
  2. 両手の中指を重ねて(右の上に左、または逆)百会に当て、頭骨に向かって垂直に押す。
  3. 「頭全体がじんわり温かくなる・軽くなる」感覚が出る強さを目安にする。
  4. ゆっくり離す。円を描くようにやさしくマッサージする方法でも行える。
1回の押し時間5〜8秒
繰り返し回数3〜5回/セット
1日の頻度2〜3回
強く押しすぎると頭痛が出ることがあります。「心地よい圧迫感」の範囲でやさしく刺激してください。
ツボ ⑤
安眠(あんみん)
EX-HN21(経外奇穴)
🌙 後頸部のこわばり・就寝直前に仕上げとして
📍 位置の探し方 耳たぶの後ろのくぼみ(翳風)と後頭部の首の付け根のくぼみ(風池)を結んだ線分の、ちょうど中点。耳たぶの後ろに指を当て、そこから後頭部に向かって指を滑らせていった中間地点。

「安眠」という名前が示す通り、不眠・寝つきの悪さに特化して伝統的に使用される経外奇穴です。後頸部の筋肉のこわばり・血流の滞りと睡眠の質の低下には関連があるとされており、首・肩こりが強く眠れない方に特に向いています。人差し指か中指の腹で左右同時にやさしく押します。

  1. 座った状態で、両手の人差し指か中指の腹を左右の安眠に同時に当てる。
  2. 後頭骨方向に向かって斜め上にやさしく押す。
  3. 「後頭部・首全体がじんわりほぐれる」感覚が出る強さを目安にする。
  4. ゆっくり離す。
1回の押し時間3〜5秒
繰り返し回数5回/セット
左右両側同時
1日の頻度就寝前1〜2回
⚠️ 頸椎の問題がある方(頸椎症・頸椎ヘルニア等)や、首を動かすと強い痛みやしびれが出る方は、整骨院・整形外科に相談してから行ってください。

やってはいけないこと——中止基準と注意点

⚠️ ツボ押しを中止・見直しが必要なサイン

やってはいけない動作・注意点

不眠の原因(自律神経・首こり・更年期・ストレスとの関係)や、整骨院・鍼灸での施術内容については、こちらの詳しい解説ページをご覧ください。

不眠の原因と鍼灸での対応を詳しく見る →
よくあるご質問
不眠のツボはいつ押すのが効果的ですか?+
就寝20〜30分前が最も適したタイミングです。入浴後に体温が下がり始めるこの時間帯に、照明を落とした部屋で布団やソファに座ってツボを押すと、副交感神経が優位になりやすい状態で行えます。「眠れないから深夜にツボを押す」より「毎晩の入眠儀式の一部として習慣化する」ことが継続のコツです。スマホでツボの位置を確認しながら行うとブルーライトの影響が出るため、事前に位置を覚えてから行うことをお勧めします。
毎日続けると眠りやすくなりますか?+
ツボ押しは医療行為ではなく、生活習慣の見直しと合わせたセルフケアです。効果の感じ方には個人差があり、継続することで変化を感じる方もいます。Yeungらの系統的レビュー(Sleep Medicine, 2012)では、指圧系の介入が不眠症状の改善に関連している可能性が示されていますが、エビデンスの質には限界があります。「必ず眠れるようになる」とは言えませんが、就寝前のルーティンとして取り入れることで、脳と体に「もうすぐ眠る」というシグナルを送る習慣づくりになります。
睡眠薬を飲んでいますが、ツボ押しを合わせてもよいですか?+
ツボ押し自体が薬の効果を変えることはありません。ただし、服薬中の方が睡眠薬の量や服用方法を変更したいと考える場合は、必ず処方した主治医に相談してください。自己判断での減薬・休薬は行わないでください。ツボ押しはあくまで生活習慣を整えるための補助的なセルフケアであり、薬の代わりになるものではありません。
昼寝をしてもよいですか?不眠のツボは昼も押せますか?+
昼寝は15〜20分以内(午後3時前まで)であれば睡眠の質を下げにくいとされています。30分以上の昼寝・夕方以降の昼寝は夜間の睡眠の妨げになる場合があります。ツボ押しは昼間でも行えますが、不眠対策として特に効果を期待するなら就寝前20〜30分が最適なタイミングです。昼間は神門・内関など精神的な緊張をやわらげるツボを仕事の合間に押すことで、日中の疲労回復を補助することをめざします。
ツボ押しをしても眠れない場合はどうすればよいですか?+
2週間以上、ツボ押しを含むセルフケアを続けても眠れない日が続く・日中の生活に支障が出ているという場合は、医療機関(心療内科・精神科・内科)を受診してください。不眠の背後には、うつ病・睡眠時無呼吸症候群・甲状腺疾患・慢性疼痛など、セルフケアでは対処できない疾患が隠れている場合があります。当院でも自律神経の乱れや首こり・肩こりに伴う睡眠の浅さに対して、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)による鍼灸施術を行っています。
【執筆・監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9(208件)
ツボ記述については、当院に在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が監修協力しています。
参考文献・出典
1. Yeung WF, Chung KF, Poon MM, Ho FY, Zhang SP, Zhang ZJ, Ziea ET, Wong VT. "Acupressure, reflexology, and auricular acupressure for insomnia: a systematic review of randomized controlled trials." Sleep Med. 2012;13(8):971-984.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22841034/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Wing-Fai Yeung 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み)
2. Dincer B, İnangil D, İnangil G, et al. "The effect of acupressure on sleep quality of older people: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials." Explore (NY). 2022;18(6):661-668.
 PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952800/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Berna Dincer 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み)

最終更新日:2026年8月7日

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