不眠 ツボ|寝つきを整える5つのツボと押し方・寝る前のやり方|長丘はりきゅう整骨院
上記に当てはまらない、寝つきが悪い・眠りが浅い・生活習慣やストレスからくる睡眠の乱れという方向けに、以下のセルフケア情報をまとめています。
【このページについて】東洋医学では古くから不眠・寝つきの悪さに用いられてきたツボが存在します。このページでは5つのツボを位置の探し方・押し方・秒数・回数・1日の頻度の実数つきで解説します。また「寝る前にどの順番で何をするか」を時系列で提示し、ツボ押しをルーティンに組み込みやすくします。
ツボ押しは医療の代わりではなく、生活習慣の見直しと合わせたセルフケアです。睡眠薬を服用中の方が薬の量や服用方法を変えたいと考える場合は、必ず処方した主治医に相談してください。自己判断での調整は行わないでください。
Yeungらの系統的レビュー(Sleep Medicine, 2012;指圧・耳ツボ等のRCTを対象)では、指圧系の介入が不眠症状の改善に関連している可能性が示されています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22841034/)。また、Dincerらの系統的レビュー・メタ解析(Explore, 2022;高齢者を対象としたRCTを解析)では、指圧が睡眠の質の改善に寄与する可能性があると報告されています(PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952800/)。ただし、いずれの研究でも対象や試験の質に限界があり、指圧の不眠に対する効果は「可能性がある」という段階です。「必ず眠れる」とは言えないことを前提にご覧ください。
寝る前のやり方——時系列4ステップ
ツボ押しを「眠れない深夜に慌てて押す」のではなく、就寝前のルーティンの一部として習慣化することが大切です。以下の4ステップを毎晩同じ順番で繰り返すことで、脳と体に「もうすぐ眠る」というシグナルを送ることをめざします。
5つのツボ——位置・押し方・実数
「失眠」という名前の通り、東洋医学で古くから不眠に用いられてきた経外奇穴です。足の裏全体には自律神経と関連する末梢神経が集まっており、かかとへの刺激が副交感神経の働きを助けることをめざします。布団に入る前に座った状態で、両手でかかとを挟むように押します。
- 椅子か布団の上に座り、ストレッチする足の足首を反対の膝の上に乗せる。
- 両手の親指の腹をかかとの中央に当て、左右から挟むように押す。
- 「かかとの奥にじわっとした圧迫感」が出る強さでキープする。
- ゆっくり離し、反対の足も行う。
神門は「心経」に属し、東洋医学では「心(しん)」に関わるツボとして、精神的な興奮・不安・動悸・寝つきの悪さに伝統的に用いられてきました。Yeungらの系統的レビューで使用されたツボの中でも選穴頻度が高い経穴のひとつです。反対の親指の先でじわっと押します。
- 腕を手のひらが上向きになるように置く。
- 反対の親指の腹を神門に当て、手首の骨に向かって軽く押し込む。
- 「ズーンとした響き」が感じられる強さを目安にする。強すぎると痛みになるため手前で止める。
- ゆっくり離し、反対側も行う。
内関は「心包経」に属し、東洋医学では精神的な緊張・動悸・不安・吐き気・めまいに広く伝統的に用いられてきたツボです。不眠の背景に「緊張がほぐれない・胃がムカムカする・眠ろうとするほど意識が過敏になる」という状態がある方に向いています。反対の親指の腹で垂直に押します。
- 腕を手のひらが上向きになるように置き、反対の親指の腹をツボに当てる。
- 前腕の骨(橈骨と尺骨)の間に向かって垂直にゆっくり押し込む。
- 「じわっと腕に広がる感覚(得気)」が出る強さを目安とする。
- ゆっくり離し、反対側も行う。
百会は「督脈」に属し、「百の脈が集まる場所」とされる東洋医学の要穴です。頭部の気血の循環を整えることをめざし、頭重感・頭の熱感・ぐるぐると考えが止まらない状態の不眠に伝統的に用いられてきました。中指の腹を重ねてゆっくり押します。
- 座った状態で頭を軽く前傾させる。
- 両手の中指を重ねて(右の上に左、または逆)百会に当て、頭骨に向かって垂直に押す。
- 「頭全体がじんわり温かくなる・軽くなる」感覚が出る強さを目安にする。
- ゆっくり離す。円を描くようにやさしくマッサージする方法でも行える。
「安眠」という名前が示す通り、不眠・寝つきの悪さに特化して伝統的に使用される経外奇穴です。後頸部の筋肉のこわばり・血流の滞りと睡眠の質の低下には関連があるとされており、首・肩こりが強く眠れない方に特に向いています。人差し指か中指の腹で左右同時にやさしく押します。
- 座った状態で、両手の人差し指か中指の腹を左右の安眠に同時に当てる。
- 後頭骨方向に向かって斜め上にやさしく押す。
- 「後頭部・首全体がじんわりほぐれる」感覚が出る強さを目安にする。
- ゆっくり離す。
やってはいけないこと——中止基準と注意点
- ツボを押した後にかえって頭痛・不快感が増した 強すぎる刺激・刺激量が合っていない可能性。翌日以降に強さを半分にして再開するか、整骨院・鍼灸院で適切な刺激量の指導を受けてください。
- 2週間以上続けても眠れない日が続き、日中の生活に支障がある セルフケアの限界です。心療内科・精神科・内科を受診してください。
やってはいけない動作・注意点
- 「眠れない」と焦りながら強く押す・何度も繰り返す 焦りや「眠らなきゃ」というプレッシャーは交感神経を刺激し覚醒を高めます。ツボ押しは就寝前1〜2セットで終わりにして、あとは呼吸に意識を向けてください。
- スマホでツボの位置を確認しながら就寝直前に押す スマホのブルーライトはメラトニン分泌を抑制します。このページを事前に確認して位置を覚えてから、照明を落とした部屋で行ってください。
- カフェインを摂ってからツボ押しで眠ろうとする コーヒー・緑茶・紅茶・エナジードリンクのカフェインの覚醒作用は4〜6時間持続します。午後3時以降はカフェインを控えることが基本です。
- 睡眠薬・安定剤を自己判断で減らしながらツボで代替しようとする 服薬中の薬の量・服用方法を変えたいと思う場合は、処方した主治医に相談してください。ツボ押しは薬の代わりになるものではありません。
- 妊娠中に合谷・三陰交など禁忌とされるツボを自己流で押す このページのツボ5種(失眠・神門・内関・百会・安眠)は一般的な妊娠禁忌リストには含まれませんが、妊娠中はすべてのツボ刺激について産婦人科主治医または在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)に相談したうえで行ってください。
不眠の原因(自律神経・首こり・更年期・ストレスとの関係)や、整骨院・鍼灸での施術内容については、こちらの詳しい解説ページをご覧ください。
不眠の原因と鍼灸での対応を詳しく見る →1. Yeung WF, Chung KF, Poon MM, Ho FY, Zhang SP, Zhang ZJ, Ziea ET, Wong VT. "Acupressure, reflexology, and auricular acupressure for insomnia: a systematic review of randomized controlled trials." Sleep Med. 2012;13(8):971-984.
PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22841034/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Wing-Fai Yeung 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み)
2. Dincer B, İnangil D, İnangil G, et al. "The effect of acupressure on sleep quality of older people: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials." Explore (NY). 2022;18(6):661-668.
PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34952800/(自己検算:タイトル・筆頭著者 Berna Dincer 一致・Expression of Concern / Retraction なし確認済み)
最終更新日:2026年8月7日