便秘 ツボ|お腹・手・背中の5つの経穴と押すタイミング・回数

公開日:2026年8月13日|最終更新:2026年8月13日|監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴の記述は在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

【結論】便秘のツボは、朝起きてすぐ・朝食後のトイレ前・入浴後という3つのタイミングに分けて使うと、生活のリズムに乗せやすくなります。お腹は天枢・大巨、手は合谷・支溝、腰は大腸兪。【自分でできること】各経穴を息を吐きながら3秒かけて押し、5秒保ち、息を吸いながら3秒で戻す。お腹と腰の経穴(天枢・大巨・大腸兪)は左右同時に5回、手の経穴(合谷・支溝)は左右5回ずつが目安で、タイミングごとに1〜2か所だけで十分です。【受診の目安】血便・急な体重減少・激しい腹痛・便秘と下痢を繰り返す場合は、セルフケアにこだわらず消化器内科へ。

🚨「ただの便秘」で片づけてはいけないサイン

血便がある(赤い血が混じる・黒っぽいタール状の便)
急な体重減少を伴う
激しい腹痛を伴う
便秘と下痢を繰り返す

いずれか1つでも当てはまる場合は、ツボ押しなどのセルフケアを続ける前に消化器内科を受診してください。大腸の病気が隠れていることがあります。

なぜ「押すタイミング」が重要なのか

起床後や食後は、腸がもっとも動きやすくなる時間帯です。ツボ押しをこのタイミングに合わせることで、腸が動こうとする自然な流れを後押ししやすくなります。時間を決めずバラバラに押すより、生活の中の決まった場面(起きてすぐ・朝食後・入浴後)に組み込む方が続けやすく、体のリズムとも合わせやすくなります。

本ページでは、5つの経穴を「朝起きてすぐ(お腹)」「朝食後のトイレ前(手)」「入浴後・寝る前(背中)」の3つの場面に分けて紹介します。5か所すべてを毎回やる必要はなく、生活の中でやりやすい場面だけ取り入れてください。

共通の呼吸リズム(すべての経穴に共通)

息を吐きながら3秒かけて押す → そのまま5秒保つ → 息を吸いながら3秒かけて戻す。これで1セットです。息を止めないことが要点で、押す動作より呼吸を主役にします。お腹の経穴はやさしく表面を沈める程度、腰の経穴は体重を軽くかける程度、と場所によって強さを変えます(下記で個別に説明)。

朝起きてすぐの2つの経穴(お腹)|天枢・大巨

朝起きてすぐは、腸がひと晩の休みから動き出そうとするタイミングです。お腹の天枢(てんすう)・大巨(だいこ)の2つを、布団から出た直後か洗面のあとに押します。お腹は内臓に近いため、強く押し込まず表面をやさしく沈める程度にとどめてください。

①天枢(てんすう・ST25)|起きてすぐ、いちばん最初に

位置:おへその中心から左右に指2本分(約2寸)外側。
押し方:仰向けに寝るか、椅子に浅く腰かけて背すじを伸ばす。左右の人差し指・中指の腹をそれぞれの天枢に当て、共通の呼吸リズムで左右同時に5回。表面を軽く沈める程度で、体重をかけて押し込まないでください。1日1回、起床後すぐ。

②大巨(だいこ・ST27)|天枢に続けて

位置:天枢から指2本分下(下腹部)。
押し方:天枢と同じやり方で左右同時に5回。天枢のすぐあとに続けて行うと流れで覚えやすくなります。1日1回、天枢に続けて。

おへそを中心に時計回りに「の」の字を描くようにお腹をさするマッサージも、あわせて行うとよいとされています。マッサージの詳しいやり方は別ページで扱う予定のため、本ページでは経穴(ツボ)の位置と押すタイミングに絞って解説します。

朝食後・トイレで押す2つの経穴(手)|合谷・支溝

朝食を摂ると腸がさらに動きやすくなるタイミングが来ます。このタイミングを逃さないよう、トイレに座った状態のままでも押せる手の経穴を使います。合谷(ごうこく)・支溝(しこう)はどちらも手や前腕にあり、外出先でも人目を気にせず行えます。

③合谷(ごうこく・LI4)|トイレに座ったまま

位置:手の甲、親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみ。
押し方:反対の手の親指の腹を当て、共通の呼吸リズムで左右5回ずつ1日1〜2回、朝食後のほか気づいたときに。

⚠️ 合谷は妊娠中は避けるとされてきた経穴です。妊娠中の方は次の支溝を中心にしてください。

④支溝(しこう・TE6)|合谷と合わせて

位置:手の甲側、手首の横じわの中央から肘側へ指4本分。骨と骨の間のくぼみ。
押し方:反対の手の親指の腹を当て、共通の呼吸リズムで左右5回ずつ1日1〜2回。支溝は、妊娠中の便秘に対して自分で押す方法として研究で調べられた経穴でもあります(詳しくは下記「研究で報告されていること」)。

入浴後・寝る前の経穴(背中)|大腸兪

入浴後は腰まわりが温まり、筋肉がゆるんでいるため、背中の経穴が押しやすくなります。大腸兪(だいちょうゆ)は自分の指では届きにくい位置にあるため、両手を腰に当てて体重を利用して押します。

⑤大腸兪(だいちょうゆ・BL25)|お風呂上がり・寝る前に

位置:腰、左右の骨盤のいちばん高い位置を結んだ線と背骨が交わる高さ(第4腰椎)から、左右に指2本分外側。
押し方:立った姿勢で両手を腰に当て、親指の腹を左右の大腸兪に当てる。共通の呼吸リズムで、後ろに軽く体重をかけるように左右同時に5回。入浴後、腰が温まっているときが押しやすいタイミングです。1日1回、寝る前。

5つの経穴 一覧表

場面経穴位置押し方・秒数回数1日の頻度
朝起きてすぐ(お腹)天枢(ST25)おへそから指2本分外側吐きながら3秒→5秒保つ→吸いながら3秒(軽く沈める)左右同時5回1回(起床後すぐ)
大巨(ST27)天枢から指2本分下吐きながら3秒→5秒保つ→吸いながら3秒(軽く沈める)左右同時5回1回(天枢に続けて)
朝食後・トイレで(手)合谷(LI4)手の甲・親指と人差し指の骨が合わさる手前吐きながら3秒→5秒保つ→吸いながら3秒左右5回ずつ1〜2回
支溝(TE6)手首の横じわから肘側へ指4本・骨の間吐きながら3秒→5秒保つ→吸いながら3秒左右5回ずつ1〜2回
入浴後・寝る前(背中)大腸兪(BL25)腰・骨盤の高さで背骨から指2本分外側吐きながら3秒→5秒保つ→吸いながら3秒(体重をかける)左右同時5回1回(寝る前)

※位置はWHO西太平洋地域の標準経穴部位に準じます。「指◯本ぶん」は自分の指幅で測定。※合谷は妊娠中は避けてください。

やってはいけないこと・中止基準

【中止基準】次のいずれかが起きたら、その場でやめてください。
・押している最中に強い腹痛・気分不快が出た → すぐ中止する
血便・急な体重減少・激しい腹痛・便秘と下痢の繰り返しがある → セルフケアを続けず消化器内科へ
1〜2週間続けても変化がない → セルフケアにこだわらず医療機関へ相談

当院で便秘のご相談とあわせて聞かれること

🔑 当院に便秘のご相談で来られる方の多くは、朝の時間に余裕がなく朝食を抜いて出勤・登校する生活パターンを話されることが多くあります。また、肩こりや腰痛で通われている方が、施術中の会話で「実は何年も市販の下剤に頼っている」と明かされることも少なくありません。

便秘のご相談と合わせて「夜眠れない」「肩や首のコリが取れない」といった自律神経の乱れに関わる訴えを一緒に話される方も多くいらっしゃいます。腸の動きは自律神経の影響を受けやすいため、このような場合は自律神経を整えるアプローチもあわせてご案内しています。

研究で報告されていること

質の高い研究があるのは専門家が行う「鍼(はり)」で、自分で押す指圧(ツボ押し)に同水準の研究はまだ多くありません。以下は代表的な研究ですが、そのまま自己流のツボ押しの効果を示すものではない点にご留意ください。

研究1:専門家による鍼で排便回数が増えた大規模試験(2016年)

中国15施設で行われた、慢性の重い機能性便秘患者1,075名(電気鍼群536名・偽の鍼群539名)を対象とした無作為化比較試験。8週間で28回の電気鍼または偽の鍼(経穴ではない場所への刺激)を実施。1〜8週の完全自発排便回数は電気鍼群でベースラインから週あたり1.76回増加(95%信頼区間 1.61〜1.89)したのに対し、偽の鍼群は0.87回の増加(0.73〜0.97)で、群間差は有意(P<0.001)でした。9〜20週(施術終了後の追跡期間)でも電気鍼群1.96回・偽の鍼群0.89回の増加で有意差が続きました。週あたり平均3回以上の完全自発排便を達成した患者の割合は、電気鍼群31.3%(施術期間)・37.7%(追跡期間)に対し、偽の鍼群は12.1%・14.1%でした。どちらの群も有害事象はまれで軽度・一時的なものでした。
Liu Z, Yan S, Wu J, et al. "Acupuncture for Chronic Severe Functional Constipation: A Randomized Trial." Annals of Internal Medicine. 2016;165(11):761-769. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27618593/

研究2:自分で押す指圧(支溝=TH-6)を調べた小規模試験(2021年)

妊娠中で便秘のある女性を対象に、自己圧迫群75名・対照群(介入なし)75名を比較した単盲検無作為化比較試験。自己圧迫群は支溝(TH-6)に1回15分の自己指圧を1日2回、1週間実施。便秘の重症度(Constipation Severity Instrument)は、介入前は自己圧迫群41.36±6.5・対照群37.56±6.17とほぼ同水準でしたが、介入後は自己圧迫群26.08±7.93まで低下したのに対し、対照群は36.88±5.93とほとんど変化がなく、群間差は有意(P<0.01)でした。
Kirca AŞ, Kanza Gül D. "Effects of self-acupressure on pregnancy-related constipation: A single-blind randomized controlled study." Explore (New York, N.Y.). 2021;17(5):463-468. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32782111/

現在地は「専門家による鍼では排便回数の増加が報告されている」「自分で押す指圧でも、妊娠中の便秘という限られた対象では改善が報告されている」あたりで、当院でもツボ押しは生活のリズムに組み込みやすいセルフケアの一つとしてご案内しています。

よくあるご質問

便秘のツボは1日何回、いつ押せばいいですか?
朝起きてすぐにお腹の天枢・大巨を左右同時に5回、朝食後トイレに座ったタイミングで手の合谷・支溝を左右5回ずつ、入浴後や寝る前に腰の大腸兪を左右同時に5回が目安です。5か所すべてを一度にやる必要はなく、生活の中でやりやすいタイミングだけ取り入れてかまいません。
妊娠中でも便秘のツボ押しをしてよいですか?
合谷(ごうこく)は妊娠中は避けるとされてきた経穴です。妊娠中に便秘のツボ押しを行う場合は、天枢・大巨・支溝・大腸兪を中心にし、合谷は避けてください。持病がある方・切迫早産の指摘を受けている方は、自己判断せずかかりつけの産婦人科にご相談のうえで行ってください。
どのくらい続ければ効果を感じられますか?変化がない場合はどうすればいいですか?
まず1〜2週間を目安に続けてみてください。変化がない場合は、セルフケアにこだわらず消化器内科にご相談ください。便秘の背景に別の病気が隠れていることもあり、検査で原因がはっきりすることもあります。
下剤を使っています。ツボ押しと併用してもいいですか?
ツボ押しは下剤の代わりではありません。今使っている下剤の量やタイミングをご自身の判断で変えたり中止したりせず、併用や調整については必ず処方した医師にご相談ください。
福岡市城南区で便秘のツボ・鍼灸の相談はできますか?
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F)では、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)が対応しています。ただし血便・急な体重減少・激しい腹痛・便秘と下痢の繰り返しがある方は、消化器内科の受診を優先してください。西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。駐車場4台。Google★4.9(209件)。
【監修者情報】
河野太朗
柔道整復師|施術歴14年以上
長丘はりきゅう整骨院(福岡市城南区)院長
Google口コミ★4.9
※本ページの経穴・鍼灸に関する記述部分は、在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力によります。

「体質だから」で片づけずに、一度ご相談ください

「押す位置が合っているか分からない」「肩こりや腰痛も一緒に出てきた」——確認だけでもかまいません。血便・急な体重減少・激しい腹痛・便秘と下痢の繰り返しがある場合は、まず消化器内科での検査をおすすめする場合もあります。福岡市城南区・南区・早良区から多数ご来院。月火木金土日祝 9:00〜12:30 / 15:00〜20:00(水曜定休)。

福岡市城南区樋井川2-1-62 マークス城南1F|西鉄バス「長尾公園前」徒歩1分|駐車場4台

出典・参考文献
  1. Liu Z, Yan S, Wu J, et al. "Acupuncture for Chronic Severe Functional Constipation: A Randomized Trial." Annals of Internal Medicine. 2016;165(11):761-769. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27618593/
  2. Kirca AŞ, Kanza Gül D. "Effects of self-acupressure on pregnancy-related constipation: A single-blind randomized controlled study." Explore (New York, N.Y.). 2021;17(5):463-468. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32782111/
  3. WHO Regional Office for the Western Pacific. "WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region." 2008. https://iris.who.int/handle/10665/353407

監修:院長 河野太朗(柔道整復師)/経穴・鍼灸の記述:在籍する国家資格をもつ鍼灸師(はり師・きゅう師)の監修協力

最終更新日:2026年8月13日